誇り高い『祖母姫』様のご旅行に、私もご一緒させていただいたかのような気持ちで読了しました。始めから終わりまで気持ちの良い文章で、ホテルのスタッフの人々の心遣いと仕事ぶりに感心し、とても優雅な読書の時間でした。祖母姫様の格言が著者の心にグサっと刺さったように、私の心にもたくさんの言葉が響きました。本当にステキなお婆様です。

誇り高い『祖母姫』様のご旅行に、私もご一緒させていただいたかのような気持ちで読了しました。始めから終わりまで気持ちの良い文章で、ホテルのスタッフの人々の心遣いと仕事ぶりに感心し、とても優雅な読書の時間でした。祖母姫様の格言が著者の心にグサっと刺さったように、私の心にもたくさんの言葉が響きました。本当にステキなお婆様です。

下巻もとても面白かったです。不運や思いがけない事件に巻き込まれるとオロオロし、大騒ぎする道長。『この世をばわが世とぞ思ふ望月のかけたることもなしと思へば』からイメージしていた尊大で豪放磊落な道長からはかなりギャップがあって楽しめました。上下巻ともに500ページを越える大作。久しぶりに読んだ永井さんですが、その実力を堪能しました。他の作品も読みたいです。

大河ドラマ『光る君へ』も面白いですが、こちらの『この世をば』もかなり面白いです。周りの女性の力で平安王朝貴族社会をなんとか立ち回っている道長。突出した才能も見当たらず、現代でも周りにいそうな人物に描かれているところが新鮮です。平安時代の母系を中心に家を盛り立てていく仕組みをはじめ、さまざまな決まり事、家柄を飛び越える難しさ等々、とても勉強になりました。下巻も楽しみです。

幸の一代記が遂に終わりを迎えました。最後まで手を抜かず、ぐいっぐいっと読者を読ませる髙田さんの筆力は圧巻です。五十鈴屋ゆかりの人々の4篇からなる物語は、特別版らしく全て最後は納得のラストに。新しいシリーズはいつ始まるのだろうと楽しみにしながら最後のページを読み終えました。