30年?前に泣きながら読んで、その時はスゲーと思ったものでした。いまならもっと楽に読めるのか、それとも軽く放ってしまうのか、わからないけどもトライしたい気はします。
ももけんさん はじめまして。コメントありがとうございます。 30年前に読まれていたのですね! 自分も映画好きで自主映画をやっている人間なので、まさに金科玉条になるかのような本でした。 この先も何度でも読み返したい内容だったと思います。自分だったら、また年月経ってもトライするかもしれません。
ソクラテスの疑問の投げ方には意地悪だなと感じられる箇所もあるが、そうやって問うて相手に考えさせ、答えを引き出すことで成長させるねらいがあると考えると、良き教師(つまり、徳がある!)であると思える。
本質存在はプラトンがいうところのイデア、事実存在はアリストテレスがいうところのエネルゲイアであり、ハイデガーはこういった区別こそが、いわゆる形而上学を成立させたと述べているという。これらの区別は、ライプニッツ、カント、ショーペンハウアーを経てニーチェに受け継がれ、その思想たる<力への意志>は"存在者がなんであるか"つまり本質存在、一方<等しきものの永劫回帰>は"存在者はいかにあらねばならないか"つまり事実存在として表示されようとしていたが、その区別は最終的に消滅する…と述べている。
また、映画好きなので、名作『ファイト・クラブ』が引用されているのが嬉しかった。映画でいうと、例えば『太陽を盗んだ男』のジュリー演じる主人公が事件を起こした動機は、まさに"退屈"だったからであるし、或いは現在公開中の映画『PERFECT DAYS』の役所広司演じる主人公は、ルーティン化された毎日を送っているにもかかわらず、退屈しているように見えないのは、今作がファンタジーめいた作りになっているというのもあろうが、本書で言及されていたように、どうやら彼は"有閑階級"の出であることを劇中で示唆されているので、
1987年生まれの男。小説読み。日本の小説よりも、翻訳ものの方が好きだったりします。最近は哲学なんかも好きです。よろしくお願いします。
好きな本:『指輪物語』『仮面の告白』『羊をめぐる冒険』『長いお別れ』『不夜城』『ダックスフントのワープ』『一九八四年』『宇宙の戦士』
好きなジャンル:ミステリー(特にハードボイルド、ノワール)、SF、冒険小説、哲学、歴史
好きな作家:村上春樹、三島由紀夫、筒井康隆、中島らも、大槻ケンヂ、馳星周、花村萬月、藤原伊織、福井晴敏、伊藤計劃、小川洋子、川上弘美、榎本憲男、アーネスト・ヘミングウェイ、レイモンド・チャンドラー、カート・ヴォネガット、アンドリュー・ヴァクス、ジェイムズ・エルロイ
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また、映画好きなので、名作『ファイト・クラブ』が引用されているのが嬉しかった。映画でいうと、例えば『太陽を盗んだ男』のジュリー演じる主人公が事件を起こした動機は、まさに"退屈"だったからであるし、或いは現在公開中の映画『PERFECT DAYS』の役所広司演じる主人公は、ルーティン化された毎日を送っているにもかかわらず、退屈しているように見えないのは、今作がファンタジーめいた作りになっているというのもあろうが、本書で言及されていたように、どうやら彼は"有閑階級"の出であることを劇中で示唆されているので、
つまり余暇の過ごし方が巧いということなのだろう。