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2024年10月の読書メーターまとめ

とみぃ
読んだ本
1
読んだページ
312ページ
感想・レビュー
1
ナイス
15ナイス

2024年10月に読んだ本
1

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

とみぃ
主人公はナイトライフのアテンドとかいう字面からして浮ついた生業を身すぎとしているわけだけど、そのことは危うさすらも物憂く、とはつまり生き死という差し迫ったものとしてでなく、なんとなくやり過ごす弛緩した社会の気分と符合しているのかもしれない。発表が1997年ということで、現実には、その弛緩を切り裂く事件がいくつもおきていてそれなりに騒がれたはずだけど、たぶん作品の背後にあるのは、それ自体をも一種の狂騒として消費してかえりみない社会のロバスト性に対する認識なのではないか。
とみぃ
2024/10/31 19:08

だから問題は、フランクの凄惨な事件がどうのこうのということではなく、それがいかに凄惨かを描く表現の問題であり、それを通して浮き彫りにされる人びとの呆けた姿であり、ケンジに迫られる認識の変容なのであろう。浮ついているように見えながらなんかぼんやりした気分に対抗するために、いかに内臓的なむかつきや、重苦しい不条理感を持続させるかに賭けた、その意味で文学の側からする警世の書なのかなと思った。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
1

とみぃ
主人公はナイトライフのアテンドとかいう字面からして浮ついた生業を身すぎとしているわけだけど、そのことは危うさすらも物憂く、とはつまり生き死という差し迫ったものとしてでなく、なんとなくやり過ごす弛緩した社会の気分と符合しているのかもしれない。発表が1997年ということで、現実には、その弛緩を切り裂く事件がいくつもおきていてそれなりに騒がれたはずだけど、たぶん作品の背後にあるのは、それ自体をも一種の狂騒として消費してかえりみない社会のロバスト性に対する認識なのではないか。
とみぃ
2024/10/31 19:08

だから問題は、フランクの凄惨な事件がどうのこうのということではなく、それがいかに凄惨かを描く表現の問題であり、それを通して浮き彫りにされる人びとの呆けた姿であり、ケンジに迫られる認識の変容なのであろう。浮ついているように見えながらなんかぼんやりした気分に対抗するために、いかに内臓的なむかつきや、重苦しい不条理感を持続させるかに賭けた、その意味で文学の側からする警世の書なのかなと思った。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/01/31(3239日経過)
記録初日
2016/01/31(3239日経過)
読んだ本
180冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
54072ページ(1日平均16ページ)
感想・レビュー
180件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
血液型
A型
自己紹介

とぼとぼと読む。言葉の彩りに魅せられつつ。言葉の気紛れを追いまわしつつ。

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