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2024年3月の読書メーターまとめ

バルジ
読んだ本
8
読んだページ
2444ページ
感想・レビュー
7
ナイス
45ナイス

2024年3月に読んだ本
8

2024年3月のお気に入られ登録
1

  • ユウキ

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

バルジ
再読。中国文明を軸に近代日本との悲劇的な邂逅から現代へと続く問題の淵源を辿る。中華文明の名の下で独自の「天下」を築き栄華を誇る各王朝、日清戦争の敗戦と義和団事件以後の分割の動きを憂慮し「近代」を日本経由で摂取する知識人の姿が輝る。しかしこの時に日本経由で摂取した「近代」は富国強兵弱肉強食の論理で彩られた、明治日本の「近代」である。ここから「中国」が誕生し「中国人」「中華民族」という虚構が生み出され、今現在も喧伝される「核心的利益」と呼ぶ台湾・チベット・ウイグルの問題が浮上する。近代日本の皮肉な復讐である。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
7

バルジ
再読。中国文明を軸に近代日本との悲劇的な邂逅から現代へと続く問題の淵源を辿る。中華文明の名の下で独自の「天下」を築き栄華を誇る各王朝、日清戦争の敗戦と義和団事件以後の分割の動きを憂慮し「近代」を日本経由で摂取する知識人の姿が輝る。しかしこの時に日本経由で摂取した「近代」は富国強兵弱肉強食の論理で彩られた、明治日本の「近代」である。ここから「中国」が誕生し「中国人」「中華民族」という虚構が生み出され、今現在も喧伝される「核心的利益」と呼ぶ台湾・チベット・ウイグルの問題が浮上する。近代日本の皮肉な復讐である。
が「ナイス!」と言っています。
バルジ
「自由主義」に「戦争」という視座からその可能性と限界を論じる好著。本書では芦田均・清沢洌・石橋湛山の3名から自由主義の孕む限界を明らかにする。彼らはともに中国ナショナリズムへの理解を示すとともに国際協調を説いた論者である。同時代としては稀少な論者として今もなお色褪せない言論活動を展開したが彼らは戦争へと至る道に抗いながらも抗いきれない。それは自由主義に内包されていたナショナリズムが一定の限界を与えたからである。彼らは自由主義者でありナショナリストとして後者の自覚を捨てきることは出来なかったのである。
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バルジ
朝日新聞記者時代から国際関係の記事に定評のあった著者の台湾有事をテーマとした一冊。正直日本側の犯罪的とも思える能天気な法制度や事態認識にもはや諦めに近い感情を抱く。中国側の荒々しくも洗練されつつある情報戦、実力としても米軍に迫る勢いの人民解放軍。。習近平はその来歴から台湾に強い関心を抱く。その彼が党則を変えてまで成した任期延長を成果0ではその生命は生物学的に絶たれる。そう考えると台湾有事が「起きない」というのは楽観が過ぎるであろう。台湾有事は起きないではなく「いつ」起こるかである。
が「ナイス!」と言っています。
バルジ
物事の見方としての「平均」をその玉座から引きずり下ろす痛快な一冊。著者が「平均」から見ると劣ったであろう経歴だからこそ強い説得力がある。近代はいわば「個性」を殺し「平均」を称賛した時代である。しかしその「平均」は時に幻影てあり害悪すらもたらす。本書冒頭の航空機のコックピットの小話は正にそれを象徴する。実在しない「平均」に振り回さるのではなく「個性」に着目するのが本書である。「平均」では推し量れない人の特性をどのように活かし伸ばすのか、新たな時代に突入した現代人にとって深刻だがしかし希望のある話である。
が「ナイス!」と言っています。
バルジ
近代国際関係の中で滅亡した「大清帝国」衰亡史。内陸アジアの帝国として出発した大清帝国が「盛世」から海域世界による侵食を経て内陸アジアの帝国としての地位を捨て近代国家へと進む、いわば悲劇の歴史を本書は論ずる。特徴的なのは内陸アジアの帝国としての「大清帝国」のアイデンティティに力点を置いた点であろう。モンゴルとチベットは皇帝に服属というよりも、チベット仏教を媒介した大施主としての皇帝に服属する。ここでは「中華」の論理は用いられない。しかしこの個人への服属が突如「領域」と一体化した瞬間、苦難の歴史が始まる。
が「ナイス!」と言っています。
バルジ
「中華」概念の変遷から辿る中国史で大変勉強になる。習近平の唱える「中華民族の偉大な復興」の歴史的背景の一端は明らかに「天下」観に起因する。狭義の天下と広義の天下は、今風で言うなれば領域的な「実効支配」か世界観としての仮想状態の違いであろう。この狭義と広義の天下観は現代中国の対外姿勢を考える上で興味深い。乾隆帝治下の大清帝国の版図が「核心的利益」これは狭義の天下。一帯一路や果敢な経済圏構築は広義の天下と見なせる。数千年の時を経てもなお「進化」する中華概念、皮肉な歴史の因果としか言いようがない。
が「ナイス!」と言っています。
バルジ
思ったよりも面白くタメになった一冊。人生を自分自身で切り開いていくために何が必要か、単なる自己啓発のアドバイスではなく実例やワークからそれらを探る。本書の肝は「デザイン思考」だろう。デザイナーは好奇心に富み失敗を恐れない。失敗したらそれは経験とした上で別の方策を探る。そしてデザイナーは飽くなき探究心で物をデザインする。人生にこれらの思考を取り入れたのが本書である。人生のデザインは終わりがない。つまり生物学的な「死」を迎えるまで自らが作り上げていくものである。自分自身を解放し自らの手で作り上げる人生ら美しい
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/05/12(2906日経過)
記録初日
2016/05/12(2906日経過)
読んだ本
1019冊(1日平均0.35冊)
読んだページ
300574ページ(1日平均103ページ)
感想・レビュー
784件(投稿率76.9%)
本棚
0棚
性別
外部サイト
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備忘録として感想を載せています。

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