1920年代の北イタリア、チロル地方にあるドイツ語圏のクロン村。この村で生まれ育ったトリーナが今はここにいない娘のマリカに向けて、自らの人生を語りかける。ファシズムの台頭による伊語の強制と独語を密かに子供たちに教える地下活動への参加、地元の農民エーリヒとの結婚、兵役逃れのための第二次世界大戦中の山奥への夫婦での逃避行、終戦を迎え平和になったと思いきや、水力発電用ダム建設地となり、1950年人造湖の底に沈む運命に見舞われるまでを淡々と綴っていきます。時代に翻弄された村人達に涙。

アラバマ大ロースクールのマクマートリー教授の弟子で弁護士のボーが主人公のシリーズ第二弾＆完結編。テネシー州プラスキのジャイルズ・カウンティ高校がアメフトの試合でライバル校を負かした翌日、試合でライブを行った人気バンドのボーカル・ブリタニーの死体が見つかった。事件現場に居合わせた彼女のBFでアメフトの花形選手のオデルがどう見ても犯人に思われる中、ボーはオデルの弁護を依頼されるが、それは町中の人々を敵に回すことを意味していた。動機のある怪しい人物を小出しにしてくるのがうまいよね～。今回も安定の面白さでした。

再読。ロシア発祥の格闘技サンボの元世界王者で公式戦41勝無敗、全て1本勝ちの記録を持つビクトル古賀（1935-2018）の子供時代をメインにした伝記。日露ハーフで母親が亡命コサック、本名は古賀正一、ロシア名ビクトル・ニキートヴィチ・ラーパルジン。旧満州国ハイラルで生まれ育ち終戦時は10歳、タイトルがすべてを物語っていますが、まずはハイラル→ハルビン、それからハルビン→新京→奉天→錦州→佐世保と、たった一人で引き揚げてきたんですよね。コサックの自然の中で生きる数々の知恵が役立ったけど、ビクトル凄すぎ。

1620年「メイフラワー号」で英プリマスから米国マサチューセッツ州プリマスへと渡ったピルグリム・ファーザーズ。その一員だったステファン・ホプキンス（著者の夫の先祖）の14歳の娘・コンスタンス（＝コニィ）の目線でアメリカでの新生活とプリマス開拓の悲喜こもごもを日記形式で描いた物語。児童書なので説明がわかりやすく、残酷なシーンがないので安心して読めます（過酷な生活で死者はたくさん出るけど）。入植者達の思惑も様々だし、ゼロから生活を立てて行くのは大変ですよね～医者は一人いたけど、病院も薬もないし布地もないし。

1920年代の北イタリア、チロル地方にあるドイツ語圏のクロン村。この村で生まれ育ったトリーナが今はここにいない娘のマリカに向けて、自らの人生を語りかける。ファシズムの台頭による伊語の強制と独語を密かに子供たちに教える地下活動への参加、地元の農民エーリヒとの結婚、兵役逃れのための第二次世界大戦中の山奥への夫婦での逃避行、終戦を迎え平和になったと思いきや、水力発電用ダム建設地となり、1950年人造湖の底に沈む運命に見舞われるまでを淡々と綴っていきます。時代に翻弄された村人達に涙。