祖母・母・子が高校生の時に関わった本に纏わる事件を綴る、ビブリア古書堂三世代の物語。戦中の貸本屋「鎌倉文庫」と漱石が時代を繋ぐ。同じ十七歳時の物語を並べることで、三人がとてもよく似ていて、でも少しずつ違う個性が見えてくるところが面白い。それを漱石の作品の感想で表現するのが、実にこのシリーズらしい。また、昭和と平成の話が栞子の父の登の“事件手帖”だったのも見逃せない。代が変わっても同じことをしているのは女性だけではなかった事、本の虫の夫となった男性に共通点が見えたことで、運命めいたものを感じて嬉しくなった。

フルダイブVR空間で身体を得た相似が大暴れ？な探偵AIシリーズ第四弾。シリーズ開始当初に比べ進化が著しいAI業界。SFなのに現実に追い抜かれはしないかと、シリーズ存続大丈夫か？なんて思いながら読み始めたが、杞憂だった。今回もぶっ飛んだトリックと結末で度肝を抜かれた。AIの進歩どうこうは全く気にならなくなる衝撃。このシリーズ、前回からSFトンデモトリックメインにシフトチェンジした感がある。

祖母・母・子が高校生の時に関わった本に纏わる事件を綴る、ビブリア古書堂三世代の物語。戦中の貸本屋「鎌倉文庫」と漱石が時代を繋ぐ。同じ十七歳時の物語を並べることで、三人がとてもよく似ていて、でも少しずつ違う個性が見えてくるところが面白い。それを漱石の作品の感想で表現するのが、実にこのシリーズらしい。また、昭和と平成の話が栞子の父の登の“事件手帖”だったのも見逃せない。代が変わっても同じことをしているのは女性だけではなかった事、本の虫の夫となった男性に共通点が見えたことで、運命めいたものを感じて嬉しくなった。

いくつも大会に出たり昇段試験を受けたり、学校での部活本格始動なシリーズ第3弾。弟や母と体幹について話し合って自分に合った方法を模索したり、先生や弓道会の先輩のアドバイスを真摯に聞いて自分に取り入れていったり、素直で真面目な楓の成長の物語としての側面はいつも通り面白く、共感できるところがいくつもあった。ただ大会の様子が思いの外さらっと表現されていて、やや拍子抜けした面も。

今度は真昼の誕生日な9巻。リサーチに始まり多岐にわたる準備に協力要請、手作りにする為の練習あれこれ、そしてサプライズの準備。その忙しなくも一生懸命な姿に、真昼に対する深い愛情が見える。周君、本当にお疲れ様＆ＧＪ！　その頑張りのおかげで最高にハッピーで終始微笑ましく見守っていられる温かい誕生日に。これは真昼が泣いちゃうのも仕方がない。しかし、今回でこの気合の入れようなのに毎年のアップデートを約束して大丈夫か？　同棲にあの人への御挨拶にと色々と“予約”が入って今後も楽しみ。そういえばバイト参観もまだだったね。

言いようのない不安や発散できない鬱憤を抱えた女性たちが、ネコシェフの料理でホッと一息。もうひと頑張りする元気をもらうハートフルストーリー。主人公が爆発する寸前に現れ、粗野だけどある含蓄と温かみの言葉と作りたての海鮮料理で冷静になる時間をくれる。ネコシェフのキャラクターがとても良かった。ただ、よく言えば開き直ったとも取れるけど、後先考えず捨て鉢になっただけの様に感じられるラストが多いので、読後感はモヤっと。

ついにご対面……こっちでも豚になるんかい！　最後の旅は豚の故郷で。ジェスが意外と日本文化に馴染んでいて、そこを含めて豚との旅を心底楽しんでいるのが分かるのがいい。時折ヤンデレの気配を出しつつも、やっぱりジェスは一途で素直で可愛いことが最後にして再認識できた。メステリア（四年後）ではサブキャラ達の後日談。セレス良かったなあ。旅に始まり旅立ちで終わる、少女と豚が出会って旅をする物語の最後に相応しい納得の最終巻。完結おめでとうございます。厳しくも楽しい旅路と最高に可愛いヒロインをありがとうございました。

突如《ブレイン・バースト2039》の世界に乱入してきた《ドレッド・ドライブ2047》のプレイヤーたち。彼らの正体と目的とは？な27巻。何がに何やらわからない内に巻き込まれた感じだが、久しぶりのPvPは熱かった。心意システムが標準装備らしい8年後の後継ゲーム＋あちらのトッププレイヤーとクロウのレベル差3の大ビハインド状況に、ゲームの垣根を超えたコラボのワクワク感も加わって文句なしの盛り上がり。ただ、戦闘後は現状を把握して終わりで作中時間約半日の相変わらずの進まなさ。次はいつ出るのやら。

リコリコ小説版第二弾。お仕事ありプライベートあり夢オチありで今回もバラエティパックな内容。のっけから濃厚で香り立つコーヒー描写。アサウラ節全開のスタートにニンマリ。真面目一辺倒なたきなが千束に感化されているシーンが多く、かわいいたきな成分がいっぱい。自分の成長に活かそうと千束を真剣に観察しすぎていて、たきなの面倒くささとある種の重たさが出ているところもあるがそれもまた良し。お気に入りは第三話『Cough』。たきなの口は厳しいけれど、行動（食べ物）は優しい完璧な看病。こんなん千束じゃなくても惚れますわ！