連日猛暑が続き蝉も本気を出して鳴き始めました。今月はマット・リドレー『赤の女王』(性とヒトの進化)という本を読み始めたのですが、なかなか難しくて進みません。途中で他の本に浮気をしたりして、8月に持ち越しです。 2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:6冊 読んだページ数:2046ページ ナイス数:1163ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/703427/summary/monthly/2024/7
⇒著者マット・リドレーは動物学の博士号を持つ英国の科学啓蒙家。本書の題名はルイス・キャロル『鏡の国のアリス』に登場する赤の女王の言葉「同じ場所にとどまるためには全力で走り続けなければならない」に由来する進化の法則の新学説。この赤の女王説は世界を競争的とみている。性は物理的世界への適応とは無関係、性は挑みくる敵と格闘するための仕組みという。本書の翻訳は進化生物学者で総合研究大学院大学学長を務められた長谷川眞理子氏。単行本出版は’95年(原書は’93年)。本文庫版は、その後の’03年のリプリント版を反映。
⇒我々日本人は教科書的には「伊藤博文、朝鮮人安重根にハルビンで暗殺さる」と一行で済ませているが、韓国人にとっては皇帝の上に立ち韓国の独立を奪った親玉を射殺した義挙で安重根は英雄となるが、著者は韓国人作家にもかかわらず露骨にそのような表現はとらず、ただ淡々と乾いた文章で経緯を綴る。明治天皇を含む日本側の事情についての記述も冷静かつ正確。40数年前、ハルビンを訪ねた折、プラットフォームに立ち事件を想像しようとしたが何も手懸りがなかった。往時の駅舎は、今は最早近代的な駅に建替えられたらしい。訳は蓮池薫氏。
⇒’22年10月、第20回共産党大会で胡錦濤前党総書記がヒナ壇から摘まみ出されるように退席した場面を憶えている方もおられるだろう。その裏舞台についても著者が読み解いている。私事だが、中国とビジネスをしている知人から送られてきた動画では、ゼロ・コロナ政策により上海がロックダウンされ納期を守れなくなったお詫びと共に上海の街の様子と執拗なPCR検査の強制から逃げ回る地方の老人の姿が写っており笑ってしまった。40数年前一緒に働き文革の悲惨な経験を語ってくれた同年輩の若者たちは退役を迎えた今、どうしているかと思う。
⇒南の海「太平洋」への出口を探し、遂に「マゼラン海峡」を発見するまでの苦闘。航海を中止し帰投しようとする一団の叛乱。一隻の船団離脱・脱走など航海中の出来事に何故か既視感。読メの記録を調べて納得。すっかり忘れていたが随分前にツヴァイクの『マゼラン』を読んでいた。但し本書では大発見時代(Age of Discovery)というヨーロッパからの視点を離れ、大航海時代としてアジアからの視点で初の世界周航を見直してるのがユニーク。特に著者の就職前の遊学期間を含んだ長期のフィリピン経験に基づく深い考察に注目。
先月(2016.8)このサイトを見つけました。
表紙写真が表示されるの気に入り、最近10年くらいに読んだ本を少しづつアップしてます。
似たような傾向の本を読んでる方のコメントなどおもしろく拝見してます。
読メ登録、一年たちました。気まぐれですが、ちょこっと感想も書き始めました。(2017.9)
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⇒’22年10月、第20回共産党大会で胡錦濤前党総書記がヒナ壇から摘まみ出されるように退席した場面を憶えている方もおられるだろう。その裏舞台についても著者が読み解いている。私事だが、中国とビジネスをしている知人から送られてきた動画では、ゼロ・コロナ政策により上海がロックダウンされ納期を守れなくなったお詫びと共に上海の街の様子と執拗なPCR検査の強制から逃げ回る地方の老人の姿が写っており笑ってしまった。40数年前一緒に働き文革の悲惨な経験を語ってくれた同年輩の若者たちは退役を迎えた今、どうしているかと思う。