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2025年5月の読書メーターまとめ

リュウジ
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2025年5月に読んだ本
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2025年5月のお気に入り登録
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2025年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

リュウジ
★4タイトルから若い人たちのアオハルな話と思ってたら違った。5つのどのデート短篇も秀逸。特に刺さったのは70歳前のじーさんと孫の1篇と、60過ぎのじーさんと教え子の1篇。どちらのじーさんもデートの場でエラソーな何かを教え垂れるのではない。ただ二人が心を通わせる時間と空間を共有する。思えばそれが年齢性別関係なくデートの本質なんだと思い出させてくれる。そしてじーさんたちはどんなことにも終わりはあるけど、生きてればどんなことにも次があることを静謐に教える。どうすれば自分もこんな懐の広いじーさまになれるだろうか。
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2025年5月にナイスが最も多かったつぶやき

リュウジ

2025年4月の読書メーター 読んだ本の数:11冊 読んだページ数:3602ページ ナイス数:359ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/703986/summary/monthly/2025/4

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2025年5月の感想・レビュー一覧
9

リュウジ
★3面白かった。ただデビュー作=第1作目のせいか、これまで彼の他の3冊の小説に感じていた、心に焼けつくような疾走感が少し足りなかったかなぁ。(あと下劣な表現が多く、さらに主人公の女性関係の逸話も多いw。それが邪魔したのかもね)。その主人公が何もしなかったなら何も起きなかった。そうならなかったのは、過去の因縁と時折顔を出す彼の怒り。暴力に対するにはそれに勝る暴力。組織の親玉とのヒリヒリするやり取り。事件の元となった犯罪行為自体の醜さ。キリスト教会と黒人の関係。貧しい白人と貧しい黒人の関係。アメリカは複雑だ。
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リュウジ
★3これって漫画「怪獣8号」やんと読み始めたら違ったw50年代以降、世界は様々なタイプの怪獣たちに襲われる。その襲来に備える日本の組織の女性リーダーが主人公の【怪獣もの】…だが、この小説が面白いのは殺人事件や映画「モスラ」のような国際的陰謀が巧みに物語に絡んでいること。行間に昭和な懐かしさも滲むし、主人公は日本人らしく「私のやっていることは正しいのか」と思い悩む。もし世界中が人類共通の敵として怪獣の襲来に備え戦わないといけないとしたら、国同士が戦争する暇がなくなって世界は平和になるんじゃないかと夢想した。
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リュウジ
★3虎の飼育係/強盗団/TVレポーター/逃げ遅れた兵士/サーカス団団長。ゾンビとかけ算する対象を変えただけでこんなに人間を深く抉る小説になるとは!改めてゾンビ素材の素晴らしさを再確認。吸血鬼等と同様お約束の土台がしっかりしてるから、作者は異変/危機に人間はどう考え行動するかの描写に注力できるからだろう。故にゾンビを用い創作する人もバリエもどんどん広がる。今後その輪に強固な土台が既にあるものなら生成AIも加わるのでは?と思ったのも先日、奴に「家来が桃太郎を裏切る話を考えて」と頼んだらまともな筋を考えてきた。
リュウジ
2025/05/25 08:58

【追記】ChatGPT版【シン桃太郎】はこんな話。帰り道。財宝を山ほどかかえて笑顔の桃太郎に猿が言う。「おい桃、これだけのお宝を手に入れたのに、俺達にはきび団子だけなのかよ」。犬「それに元々財宝は鬼がみんなから奪った物だろ。独り占めはおかしいだろ」。図星に桃太郎は怒りだす。「バーカ、世の中、騙されて利用される奴が悪いんだよ」と三匹を無残にも叩き殺す。その様子を見ていたのは桃太郎らの襲撃から逃げきった一匹の鬼。「なんて野郎だ。人間て鬼だわ。俺達より鬼だ」といって人間が来ないさらに山奥へと逃げていったとさ。

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リュウジ
★2実在の山小屋が舞台の人間ストーリー。「TVドラマかっ!」とツッコミたくなる設定(例:主人公は定年退職日に熟年離婚された男)も登場人物たちの過去の心の傷も作りすぎ。それでも人にとっての「山の意味」や山を通してみる「生き方のあり様」について作者らしい名言がたくさんあった。「若い頃は若いなりの山があるし、歳を取ればそれなりの山があるよ。何も無理しなくていいさ」、「好きな山で死ねて本望」の反論、「ここは三千メートルの山小屋なんだから、下界のくだらないことにいちいち振り回されるなんて莫迦みたいじゃないの」など。
リュウジ
2025/05/21 14:44

追記①「下界のくだらないことに振り回されるなんて莫迦みたい」で思い出す。昨秋に泊った北ア山小屋の女性が「私、スーパーに米がないニュース、お客さんに聞くまで全く知らなかったんです」という。そうか、ここではそんな世事に関係なく、ただ一日一日時が進み人が生きている。登山客たちの対応に忙しい日々のなかでも、小屋から外に出ればそこに山がある。登山者の自分には登ったその日だけのことだけど、山にいる人たちは何万年もの昔から繰り返される流れに抱かれ生きている。山と生きるとはそういうことなんだろうと彼女の言葉で思った。

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リュウジ
★4知らなかった。ナチの暴力を前にユダヤ人たちは無抵抗なまま死んでいったと思っていた。この本には一矢報いる程度の抵抗に命を懸けた多くのユダヤ人女性たちがいた。彼女たちを支えたのはナチへのむき出しの憎しみと日本人には理解しがたいユダヤ民族主義だった。一方でナチに手を貸すユダヤ人もいた。それもまた、自分や家族が生き残るための選択(あの時代の生きる目的)でもあったんだろうな。それは人間の正直さであり恐ろしさ…なんだな。あれから約80年。今、ゲットーの娘たちがいれば、イスラエルのガザへの行為はどう思うんだろうか。
リュウジ
2025/05/18 18:48

【追記①】日本でも原爆、空襲、沖縄、シベリア、特攻、餓島など戦場での戦争体験が語り継がれている。でもこの本を読んで思ったのは、日本には命や尊厳まで奪われるような「占領体験」がなかったという事実。もちろんGHQによる占領はあった。が目的はあくまで民主化。ナチのような搾取や弾圧などが伴うものではない。そんな占領の経験の欠如が、他国に比べ防衛に対する考え方の甘さにつながっているのかもしれない(悪く言えば、平和ボケ)。この世に道徳的な占領も侵略もないのにね。ま、平和ボケでずっといられるのが、幸せなんだけどね。

リュウジ
2025/05/18 18:51

【追記②】スピルバークが映画化権獲得とか。英雄譚にしたり判で押したような反戦映画にしてほしくないなぁ…と思ったのは最近ジブリ「火垂るの墓」とネトフリ「新幹線大爆破」の評論を読んだからかも。【追記③】内容は素晴らしいのに、訳がもったいない。日本語表現が不自然だったり、意味が追えない文脈にだったり、用いられた言葉が唐突だったり。読み手に不親切。約550というページ数に比例してそんな訳がたくさん現れて疲れた。試しに1文をChatGPTに入れ聞いてみたら「この文章は表現がよくありません」と同じ考えだった。

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リュウジ
★4 東大教授の解説を含め文庫丸ごと自分がずっと抱えている知的欲求(天下統一の後、政権を盤石なものとする骨格を徳川幕府はどう考えどう構築したか?)を少しだけ満足させてくれました!小説は保科正之の7歳から47歳までの連作短編。正之の自我の形成とその間に培われた考え方からまだ不安定な政権を下支えする発想=理想を持ちながらも本質と現実を見つめ、理にかなった治世のアイデアが生まれたことを余すところなく描かれています。全然ドラマチックではない。でも彼と周りの人たちを描く作者さんの目線が優しく柔らかい。清涼な読後感。
リュウジ
2025/05/12 09:47

(追記)戦国時代の群雄割拠が天下統一を目指す戦いの物語は本当に面白い。ただ当たり前だけども実際は天下統一して「世の中、めでたしめでたし」ではない。幕末まで徳川300年といわれる平和な国はどのように作られたのか。化政文化、元禄文化と花開いた頃などの小説は多いが、黎明期の物語はあまり見かけない(映画「切腹」や周五郎「正雪記」などしか思い出せない。どれも黎明期の負の物語だけど)。この小説は読友さんの読了本で知った。読メは人生を豊かにする。そして、同時に読みたい本が増えていく。人生は短いのに。

リュウジ
2025/05/12 10:00

(追記2)短編の一つが明暦の大火で江戸が米不足に陥った時の話。被災民が町にあふれ、米が不足し一儲けを企む商人もいて米価が高騰。地方から米が運び込まれても供給が追い付かない。そこに正之は逆転の発想ともいえるアイデアを出す。「先代が定めた決まり事を勝手に破ってもいいのか」と反対意見はあったが決行。そして米の需要と価格を抑えることに成功した。「それは無理だ」「財源がない」といつもできないことしか言わない今の政府にそんな柔軟性を求めても無理なんだろうな。確かに政治システムは違う。でも彼らは江戸の安寧を考えていた。

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リュウジ
★3植民地時代のコンゴの長大な河が舞台。読書中、自分の知能では主題がよく見えず。ただ「コンゴ自由国と名称に自由を入れた理由は?」「現地民の労働報酬に針金を渡してたってどういうこと?」など浮かんだ疑問はグーグルさんに聞きまくり、時折ひいて考える時間を作ったので有意義な読書に。わからないなり自分の答えは出せたかな。当時の西欧人の驕りと欺瞞。結局は綺麗事を並べても搾取は搾取。上から目線で教化と支配を同時にやってのけようとするから、銃の威力と威光でひれ伏せさせた相手に最後は取り込まれ破綻する。闇の奥はまた別の闇。
リュウジ
2025/05/10 08:35

追記>コンゴ自由国と名に自由を入れた理由の一つが当時の他国の“キミら、むちゃくちゃしているだろ”の批判を躱す「アフリカ人たちを奴隷にせず自由と保護を保証してますよ」という意味合いを表現するため(もちろん嘘)。思い出すのがナチ収容所入口に掲げられたスローガン「働けば自由になれる」(ナチオリジナルではないようだが)。これは抵抗心を和らげる心理的トリック。「希望」を装うことで恐怖を緩める役割でもだった(ホント残酷)。“保護国”“解放”など大国の権力者が真意を言葉を欺くプロパガンダは今も変わっていないけどもね。

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リュウジ
★4タイトルから若い人たちのアオハルな話と思ってたら違った。5つのどのデート短篇も秀逸。特に刺さったのは70歳前のじーさんと孫の1篇と、60過ぎのじーさんと教え子の1篇。どちらのじーさんもデートの場でエラソーな何かを教え垂れるのではない。ただ二人が心を通わせる時間と空間を共有する。思えばそれが年齢性別関係なくデートの本質なんだと思い出させてくれる。そしてじーさんたちはどんなことにも終わりはあるけど、生きてればどんなことにも次があることを静謐に教える。どうすれば自分もこんな懐の広いじーさまになれるだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
リュウジ
★3面白い小説だった。でも好きになれないつらい小説でもあった。構成が地層のような遠田さんの小説らしく、最初、表層に見えている状況はごくわずか。そして物語が地層を一枚ずつ剝ぐように掘り進められていくと、旧態依然の村で生きる兄弟・父・母、愛人とその娘など、みんながそれぞれに抱えていた切ない真実が見えてくる。ただその真実がなぁ…。全編通してこの小説から感じたのは「言葉」のあり方。言葉がなければだれも傷つかないかもしれないが、言葉がないから人は傷つくこともある。ウソも言葉。「お前には関係ない」と言わないのも言葉。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/08/31(3220日経過)
記録初日
2007/03/12(6680日経過)
読んだ本
1114冊(1日平均0.17冊)
読んだページ
380526ページ(1日平均56ページ)
感想・レビュー
1107件(投稿率99.4%)
本棚
5棚
性別
血液型
O型
職業
クリエイター系
現住所
奈良県
URL/ブログ
http://blog.livedoor.jp/ryucere/
自己紹介

2020.06.20.更新 2020.12.08.追記 2021.01.04.改訂 2022.11.05.更新 2023.08.23.更新 2024.01.15.更新 2025.01.20.更新 

子育て&会社の経営責任から離れ昨年末で5年目を越えた。
6年目も嘱託社員で気楽な身分で今の会社で働けることに。
とりあえず行けるとこまでは行こうw

趣味は「読書」「山」「セレッソ大阪」3点セット。
ここに昨年、初孫が加わる。
孫はホント、天使だね~。
こっちは育てる責任はゼロで、かわいがるだけでいいから楽しい。


【読書】
本とともに生きてきた。

今、決めているのは、4つ。
●年間100冊は読むこと。
●いろんなジャンルをバランスよく読むこと。
●読了後は感想を読書メーターに書いてから次の本に移ること。
●その感想文は制限文字数255字できっちりと収めること。


かつて「東京會舘とわたし」部門で
第4回 レビュアー大賞 優秀レビュアー賞をいただきましたが、
それ以来、読了記に関して勲章はもらっていない。
ナイスも多くないww
たくさんもらっている人は「ホントすごいな」と思う。


【山】
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの術後後遺症(左足裏と臀部にシビレ)に
悩まされながらも山歩きは続行してきたものの、最近、ちょっと足が萎えてきた…と感じるようになった。

北アルプスで登りたい山(&登れる山)は、登った。
もう一度登りたい山はあるけども、悪天など良くない登山の記憶で
上書きしたくない・・・と思うものの、どうするか?
答えは出ていない。

どの山を選んでも、
「頂上を目指すのではない登山」
「山はいいよね(by伊予原新氏)と思える登山」を実践したいと思っている。


【セレッソ大阪】
自分のセレッソサポーター史をスタートしたのは2002年から。
居場所はメインスタンド中央より北。
優勝を狙った2024年もまたしても失速。
フロントの無策を思うとサポーターでいる気持ちが切れつつある。
2025年シーズンの補強も?だしね。。。

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