十八諸島では冬至の夜、語り部と呼ばれる人物が物語を語り合う「煌夜祭」が開かれる。 2人の語り部が物語を語り合っていく連作短編集。 物語の繋がり方が絶妙で、未知の世界に誘われ沸々とした高揚感が読み進めるたびに湧き上がってくる。 登場人物それぞれが違った視点で場所で紡いでいた物語が交わり合って終盤に向かっていくところは辛くも感動する展開になっていく。 最後まで読んでまた最初から読み返したくなる作品。

どこまでも謎に包まれた晴明と実直でまっすぐな博雅のかけあいが面白い。 平安時代の夜の闇に鬼や妖物が出てくるという描写や移りゆく自然の中で暮らしている情景が読んでて思い浮かぶ。 晴明に振り回されながらも怪異に立ち向かっていく博雅と同じ立場で読んでいく不思議さがあった。

十八諸島では冬至の夜、語り部と呼ばれる人物が物語を語り合う「煌夜祭」が開かれる。 2人の語り部が物語を語り合っていく連作短編集。 物語の繋がり方が絶妙で、未知の世界に誘われ沸々とした高揚感が読み進めるたびに湧き上がってくる。 登場人物それぞれが違った視点で場所で紡いでいた物語が交わり合って終盤に向かっていくところは辛くも感動する展開になっていく。 最後まで読んでまた最初から読み返したくなる作品。

PMSとパニック障害を題材にしているが美紗と山添の噛み合わないやり取りが場を和ませているように感じる。 2人とも自分のことには無頓着で半ば諦めているのにお互いのことになるとお節介になるのが可笑しい。 普通に生きるだけでも生きにくい世の中に、さまざまな病気や症状とともに生活していくのは1人だと心細くなるように思う。 人は簡単には変われないかもしれないけど、変わる可能性があると信じてみたくなる読後感だった。