内館節がしょっぱなから炸裂。タイトル通りなオープニングで、最初の4-50ページで頭がクラクラしてきた。これだけガツンと来られた後での、伏線回収ストーリー自体はよくできている。曰く「老害は個性だ」はともかく「人は生まれてきたからにゃ毒か薬にならなきゃいけねぇ」は耳が痛い。まさに毒薬。個人的にはそんな「ねばねば感」は嫌だし辛いけれど、同年代高齢で苦しむ誰かの力になりたい、という気持ちには大いに共感できる。まずは、自分で自分を救いたい。

もう何というかいろんな「呪い」を見せてくる短編群と言ってもいいのではないか。DNAに組み込まれた生殖本能、社会生物学的本能、生存本能、にもとづいた情念が「呪い」ともいえる形で、各物語の最後に自身に向かってくる。最後の余韻がなんともジワる流れで、おぞましさに心震える。特に「みみず」はこの作者ならではなエグさ（←褒めてます）を感じる。最後の情景は「女であることの呪い」から解き放たれる象徴、との前向きな展開すら持てなかった強烈描写。

内館節がしょっぱなから炸裂。タイトル通りなオープニングで、最初の4-50ページで頭がクラクラしてきた。これだけガツンと来られた後での、伏線回収ストーリー自体はよくできている。曰く「老害は個性だ」はともかく「人は生まれてきたからにゃ毒か薬にならなきゃいけねぇ」は耳が痛い。まさに毒薬。個人的にはそんな「ねばねば感」は嫌だし辛いけれど、同年代高齢で苦しむ誰かの力になりたい、という気持ちには大いに共感できる。まずは、自分で自分を救いたい。

３部作の新任シリーズをやっと読破。警察内組織のリアリティは確かに高そうだし、官僚の野心という点から、なるほどなと思える面も多かった。ただ、いかんせん著者の職業愛が暑苦しく迫りすぎて、物語の流れが冗長。もっとも、リアリティがある故に、ポイントごとで完全創作の解りみ強く、まあアリはアリなのかなと。誰がキーパーソンか考えながら、読んでいけるのだが、伏線回収さぼったのか外したのかわからないところもあり、少しモヤる。