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2026年5月の読書メーターまとめ

trazom
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2026年5月に読んだ本
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2026年5月のお気に入り登録
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  • AyaZ

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  • nonpono
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  • アミアンの和約
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2026年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

trazom
芥川賞受賞時、著者が建築士であることが注目されたが、なるほど、家を主人公にし、家に語らせ、建築の細部を丁寧に描写したこの作品はユニーク。最初の住人である設計者、子供たちの塾として使った二代目、そして三代目の夫婦の物語を、青年が紡いでゆく。丁寧に描かれる建築のディテールは、記憶がディテールの積み重ねであることを教えてくれる。家が、「思い出」の切なさと「時間」の経過を教えてくれる。そして最後に家が解体される。「人間の最期と家の最期はよく似ているかもしれへんなあ」。淡くて切ないこの小説の雰囲気が、私は好きだ。
が「ナイス!」と言っています。

2026年5月の感想・レビュー一覧
15

trazom
チェルニーとともにベートーヴェンの直弟子として有名なリース。ボン、ウィーン、北欧、ロシア、イギリス、ボンと彷徨い、ピアニスト及び作曲家として、時代を代表する活躍をした人生を初めて知る。ベートーヴェンは、自身の性格もあり、決して周りの人たちに恵まれたとは言えないが、リースは、生涯を通じて師への愛情を失わなかったことがよくわかった。「本書は、リースの生涯を単独で一冊の本にまとめたおそらく世界初の伝記」と言う。そんな著者には敬意を表したいが、ただ、如何せん、主人公に人物としての圧倒的な魅力がないことが残念だ。
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trazom
こういう本を読むのを、果たして「読書」と呼んでいいのかという躊躇いがある。書物を通じて深く物事を考えるという読書の本質とは無縁の、知識を得るためだけの行為。尤も、これまで数限りなく神社を訪ねていながら、こんな基礎的な知識すらなかった自分が諸悪の根源であることは言うまでもない。豊富なビジュアルのお陰で、神社の建物の構造など、基本的なことがよく理解できた。一方、記紀の神話の物語は余りにも初歩的過ぎて物足りなく、また、組織としての神社の仕組みも断片的。ちょっとしたトリヴィアを味わう本という位置づけなんだろう。
Garfield
2026/05/30 16:31

お邪魔します。 「知識を得るためだけの行為」 深く物事を考えるには、一定のセオリーと知識を知っていることが前提。その基礎部分を貪欲に強化するの、素敵なことだと思います。

trazom
2026/05/30 16:55

Garfieldさん コメントいただき恐縮です。仰ることも納得です。多分、私が言いたかったのは、知識を得るための読書の否定ではなく、そういう行為は、誰にも言わず陰で一人で行うべきであり、SNSにレビューを書くようなものではない、ということだったのかもしれません。

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trazom
人物の好悪がハッキリした佐高さんの毒舌には閉口することも多いが、好きな作家を取り上げたこの本は、思いの籠った温かなエピソード満載で、とても楽しい。戦争や高度経済成長という歪みに満ちた昭和という時代に立ち向かった20人の作家が登場(その内、私は中薗英助/金時鐘の二人は未読)。三島由紀夫さんが入っているのは意外だが、予想通り「受け身性の男」として扱下ろされている。いつも司馬遼太郎さんを徹底的に批判し、その対極にある昭和2年生まれの三人(藤沢周平/城山三郎/吉村昭)を心から愛する佐高さんの面目躍如である。
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trazom
渡辺先生の本は、経済に疎い私にも理解できる論理性が有難い。何故インフレ目標を掲げるのか、90年代に世界最高水準だった日本の賃金が何故急落したのかなど、基本的なことがとてもよく分かった。インフレは債務者が有利になるのだから、最大の債務者である政府には2%インフレで180兆円のインフレ税収が齎されると言う。だから、賃金と物価を上げるための財政支出を躊躇ってはいけないと。先生は、日銀の追加利上げを批判し、政府の積極財政を支持するが、本書出版後に起きた中東危機インフレを受けても、そのお考えは変わらないのだろうか。
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trazom
本書は、科学的知見を踏まえて「創造神が存在する可能性」を証明しようとする。宇宙の熱的死、ビッグ・バン、宇宙の微調整という物理学の成果や、不活性物質から生命への飛躍という生物学的な知見からすれば、宇宙には起終点があり、創造主の存在を認めるしかないのだと。人間原理に対抗する多元宇宙論に対しても、唯物主義の言い訳だと一刀両断。さらに、「神はサイコロを振らない」と言ったアインシュタインも創造神を信じていたのだと自説を強弁するが、アインシュタイン博士にとっての神は「スピノザの神」だったのではと、私は思っている。
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trazom
日本に常設作品が一品もないカラヴァッジョ。十年前、カラヴァッジョ展を見るために上京したことを思い出す。彼の生涯と作品は、ドラッツィオさんの名著「カラヴァッジョの秘密」に詳しいが、本書では、中野先生なりの解釈が楽しめる。先生は、「聖マタイの召命」で金勘定している若者がマタイだという新説を真っ向から否定する。また、ルーベンスに対するカラヴァッジョの影響がよく指摘されるが、むしろ、生き方・資質における二人の決定的な違いの方を強調する。私は、サッコ・ディ・ローマの後のカラヴァッジョとベルニーニに強く惹かれる。
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trazom
「ファン以上信者未満」の読者にキリスト教を紹介する入門書や思想を、明治から現代にいたるまでの歴史として辿るという視点はユニーク。でも、私には、この本の後味はとても悪い。何より、内村鑑三氏や賀川豊彦氏に対しての記述が悪意に満ちているように感じるのは私の偏見だろうか。更に、あえて赤岩栄氏のような人物を紹介する意図も納得できないし、山本七平氏や小室直樹氏の登場にも唐突感がある。「信仰」という魂を懸けた行為を、個人のプライバシーを暴く芸能レポーターのように紹介する姿勢が、膚に合わないだけかもしれないが…。
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trazom
「教育」「研究」「管理運営」の三つの角度から、石井先生が大学への思いを語る。私は、大学設置基準大綱化(1991年)と国立大学法人化(2004年)が日本の大学をガタガタにしたと思っているが、それによって「大学の自治」と「学問の自由」が失われた現実に対する認識は、石井先生と見事に一致する。有能で教養ある人間を育成することを目指すのではなく、「稼げる大学」などという下品な目標を掲げるこの国の文教行政。学内広報に「東大は、国立大学であって国策大学ではありません」と檄文を掲げた石井先生の気持ちが、痛いほどわかる。
とよぽん
2026/05/17 08:37

国立大学法人化以降、大学が変わったと感じています。ざっくり言うと、学究の場から生産性や効率を求める場へ、社会貢献という美名のもとに学問成果を実利に直結させようとするベクトルを感じます。そこには寂しさと同時に恐ろしさも存在するような・・・。

trazom
2026/05/17 11:21

とよぽんさんのコメントに全く共感します。大学を管理する文教行政に最大の課題があることは明らかですが、一方、大学進学率が60%を超え、大学生の半数が全く本を読まないという統計に対して、本書の聞き手である藤原良雄さん(藤原書店社主)が投げかけた「こんなに多くの人間が大学に行く必要があるのだろうか。早くから職業に就いて力を発揮する人もいるはずでしょう。そんな人たちまでが、ただ「大学卒」という学歴をつけるだけのために大学に行っても仕方がないと思うんですが、どうですか」という言葉に、頷く自分があります。

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trazom
正・続に続く三冊目だが、流石に既刊との話題の重複も多く、ネタ尽き感は否めない。藤岡先生は、いつも、関西フィルの定演の前にプレトークをされるが、本書の楽曲解説は、そのノリに近い分かりやすい内容。ただ、ヨゼフィーヌはベートーヴェンの子供を産んだとか、ジェスマイヤーは同性愛者だったとか、プロの音楽家として、そんな断定をしていいのか心配になるが、まあ、サービス精神旺盛の藤岡先生なら許されるか…。関西フィルという、技術的にも財政的にも難しい状況にある楽団は、この指揮者の明るく前向きなお人柄で支えられているのだから。
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塙保己一と聞いて、全盲の国学者、「群書類従」の二つしか思いつかない無学な私だから(しかも、その「群書類従」がどんな書物かさえ知らない)、保己一を主人公とする小説に興味を持った。生涯のエピソードが巧みに盛り込まれ、生い立ち、家族、業績、地位などを知ることができた。読まれた書物を即座に記憶する驚異的な能力、「目のある人は不便なものよ」と言うほど本質を見据える才能で、将軍に謁見する地位にまで上り詰めた人生だが、家族や弟子や仲間たちとのすれ違いは、盲者と晴眼者との決定的な断絶である。その絶望が「見えるか保己一」。
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福音派がアメリカ政治に深く関わってきた歴史がよくわかった。ただ、本書では、政治的な影響が詳述されるも、神学的な意味での福音派の本質が理解できなかった。ディスペンセーション主義という特殊な終末論だけではとても説明がつかない。オバマ政権でさえ福音派左派に支えられていたと知ると、そもそもこの集団は、宗教の皮を被った利益集団ではないかという気持ちにさえなる。私は自由主義神学の立場に属するが、福音主義神学にも一定の理解をしている積りである。でも、排他的で公共善を破壊するこの「福音派」とは、議論をしたいとも思わない。
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芥川賞受賞時、著者が建築士であることが注目されたが、なるほど、家を主人公にし、家に語らせ、建築の細部を丁寧に描写したこの作品はユニーク。最初の住人である設計者、子供たちの塾として使った二代目、そして三代目の夫婦の物語を、青年が紡いでゆく。丁寧に描かれる建築のディテールは、記憶がディテールの積み重ねであることを教えてくれる。家が、「思い出」の切なさと「時間」の経過を教えてくれる。そして最後に家が解体される。「人間の最期と家の最期はよく似ているかもしれへんなあ」。淡くて切ないこの小説の雰囲気が、私は好きだ。
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19回にわたるショパンコンクールの歴史が網羅されている。いろんな思い出が蘇り、抜群に面白い。スキャンダルに目が行くが(ミケランジェリ氏とアルゲリッチ氏による審査結果への憤慨、アヴデーエワ氏のビデオ審査落選が印象的)、コンクールの本質に関わる課題も浮き彫りになる。参加者の地域的な偏在、ポーランド人審査員と外国人の価値観の問題、機械的採点方式の弊害、「幻想ポロネーズ」特別視傾向の是非など。私は、常々、本選が協奏曲というのが不満だったが、予選からの評価が累積される方式によって、少しは改善されているようにも思う。
が「ナイス!」と言っています。
trazom
最近は、情報や知識を得るための本を読むことが多いが、本書は、純粋に「思考すること」の楽しさを満喫させてくれる一冊。テーマは2つ:「なぜぼくは存在するのか」と「なぜ悪いことをしてはいけないか」。前者では、実在論は本来独我論だという大胆な仮説まで登場する。後者では、好いと善い、嫌いと悪いを厳密に区別しながら道徳論的考察がなされる。思索が循環論法に思えて振り落とされそうになるし、永井先生の主張が十分理解できたとはとても言えないが、でも、哲学することがワクワクするほど楽しいと思い出させてくれるいい本だと思う。
が「ナイス!」と言っています。
trazom
常時接続の時代に失われたものは、孤立と孤独だと言う。そこから逃避するために、人は、消費やエセ教養や自己啓発でテンションを上げ、抑鬱的快楽に耽る。大切なのは、ネガティブ・ケイパビリティと孤独の中での自己対話(=思考)だとし、それらを齎してくれるものを、著者は「趣味」と呼ぶ。趣味を通じて孤独を味わう人だから、優しさが分かるのだと。パスカル、オルテガ、ハイデガー、アーレント、マーク・フィッシャーなどの言葉を援用しながら語る著者の論旨に全面的に共感する。本書に記述はないが、その「趣味」の典型が、読書だと私は思う。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/04/01(3358日経過)
記録初日
2014/10/11(4261日経過)
読んだ本
2147冊(1日平均0.50冊)
読んだページ
591290ページ(1日平均138ページ)
感想・レビュー
2061件(投稿率96.0%)
本棚
23棚
性別
現住所
奈良県
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