読書メーター KADOKAWA Group

2024年3月の読書メーターまとめ

タルシル📖ヨムノスキー
読んだ本
27
読んだページ
9233ページ
感想・レビュー
27
ナイス
930ナイス

2024年3月に読んだ本
27

2024年3月のお気に入り登録
2

  • 家出猫
  • ふわふわぷりん

2024年3月のお気に入られ登録
2

  • 家出猫
  • yoshinori niida

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

タルシル📖ヨムノスキー
主人公は死神の「千葉」。彼の役目は死を迎える人に7日間張り付き最終的な可否を判断。「可」と決断した場合には最後まで見届ける。ちなみに病気での死や自死はこれに含まれない。そんな千葉が人間の生死を決めることに悩む物語かと思って読み始めれば、何とこの千葉、無類の音楽好きで、仕事よりもCDショップの試聴機で音楽を聴くことを一番の楽しみとしているという。単行本の刊行が2005年でまだまだ音楽はディスクを買って聴く時代だったんだなぁとしみじみ思う。6編の中で1番心に残ったのは表題作。クレーマーの正体は実に意外でした。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

タルシル📖ヨムノスキー

2月は〝スタープレイヤー〟シリーズ以来久しぶりの恒川わーるどを堪能。角川ホラー文庫から多くの作品が刊行されているので、いわゆる「ドバッ」とか「グチャ」みたいなものを想像していたけれどそれは私の勘違い。現実の壁一つ向こうのダークな物語を満喫しました →2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:28冊 読んだページ数:8720ページ ナイス数:968ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/783997/summary/monthly/2024/2

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
27

タルシル📖ヨムノスキー
うわぁっ!なんて温かくて優しい物語なんだろう。まるで春の日差しのよう。PMS(月経前症候群)で自分の感情を抑えられない美紗とパニック障害の山添。二人は栗田金属という小さな会社で出会う。お互い自分のことは見えないが、他人のことはよく見える。そんな二人を理解し、包み込み、支えてくれる栗田金属の社員たち。この会社のモットーは「今日も、無理なく、怪我なく、安全に」。障害や病気を抱えながら生きるということ、それを見守り支えるということを考えさせてくれる、とても素敵な物語でした。よくある病気+恋愛モノでないのがいい。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
このシリーズは様々な職業の現実が記されているということで、ずっと気になってました。まず最初に手に取ったのは「夢と魔法の王国」のリアルな現実。ディズニー関連本といえばガイドと感動秘話と社員教育という印象だったのでとても興味が湧きました。いくら夢と魔法の王国と言っても遊びに行くゲストもそこで働くキャストも人間なのだから、そりゃ綺麗事では済まされない部分も確かにある。アンチでも心酔でもないフラットな視点で語られているのが印象的。色々逸話はあるけれど、驚いたのは迷子の子供にかける言葉。どう声をかけるのかは本文で。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
熱血餃子大河小説の下巻。戦後から高度経済成長期、そして現代に至るまでの長くて短い究極の餃子探求の旅はグンゾーから息子のタミオに受け継がれます。そう、上巻で主人公だったグンゾーは下巻ではほぼ登場しません。扱っているテーマや登場人物たちのキャラの濃さから、上巻のレビューでトンデモ小説と書いてしまいましたが、特に下巻は会社創業から拡大、繁栄そして没落を描く様は、経済小説というかお仕事小説の色合いが強くなってきます。これはぜひNHKの土曜ドラマ枠あたりで映像化してほしい。今夜はやっぱり冷え冷えのビールと餃子かな?
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
第二次世界大戦末期、東條英機首相の暗殺に失敗した陸軍中尉が、偶然食べた餃子に魅了され、究極の餃子を見つける旅に出るというトンデモ小説!舞台は韓国、中国、モンゴル。各地を旅しながら、様々な出会いと別れがあり、餃子に似た食べ物を食べ、作り方を研究し…。とにかく餃子愛が半端じゃない。もう読んでるだけで口の中に唾が溢れてきて….。上巻は終戦までが描かれるので、今後アジア各地を旅した主人公のグンゾーは日本に帰ってどう餃子を広めていくのかが気になるところ。上巻の最後で大変な事態が!とりあえず下巻読了まで餃子はお預け!
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
2年ぶりに新刊が出るということで慌てて積読の山から発掘。そうだった、栞子さんと大輔くんの娘・扉子ちゃんはもう高校生だった。母に負けないくらい本好きの彼女の前に現れた後輩男子・恭一郎が今回の中心人物で、読み終えてこの2人の今後が気になるところ。今回もたくさんの古書が登場しますが、映画のパンフレットがけっこう高値で取引されているのに驚きました。登場した本の中で一番気になったのは山田風太郎の〝人間臨終図巻〟。900人以上の有名人や著名人の「最後」がまとめられているなんて….。それにしても智恵子さん恐るべし!
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
元TBSアナウンサーによる「聴く」技術をまとめた本。いわゆる「傾聴」の理論や技術は控えめ。シーン別の会話のコツや、声質を変えるトレーニング、発声練習から、子音が与える印象の話まで幅広いテーマを扱っています。今の世の中「喋ったもん勝ち」「目立ったもん勝ち」みたいな風潮があるような気がするけれど、もしかしたら喋ることより聴くこと、もっと具体的に言えば「相手に上手に、気持ちよく喋ってもらえるように聴くこと」ってとっても難しいことかも。私もそろそろ主演ではなく助演男優賞を目指すお年頃。そのためにもまずは聴きポジ!
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
ネタバレ放火犯を疑われた女性と失踪した弟・希望を探す兄・誠実の物語。これがミステリーであれば、知られざる弟の素顔が明らかに…。なんて展開になるのでしょうが、この物語は読み進めれば進めるほど希望の人物像がぼやけていきます。また徐々に希望の本当の姿や悩み苦しみが明らかになっていくにつれて、誠実も本当の自分と向き合うことになります。読みながら以前人材育成に少しだけ携わっていた時に学んだ「ジョハリの窓」なんかも思い出しました。物語のその後を描いた文庫オリジナルの短編〝光〟で、希望が一歩前進できていたのが、本当に良かった。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
超高齢化社会と言われて久しい日本。2000年に介護保険が導入され、地域には様々な施設が建ったけれど、そこで暮らすお年寄りたちが幸せそうに見えないのは何故だろう。やはり人員不足が原因なのかヘルパーさんたちの動きをみていると「こなす」ことに精一杯で「楽しむ」なんて余裕はカケラも感じられない。いや中には村瀬さんのように楽しさややりがいを見出している人もいるんだろうけど。まずはとにかく村瀬さんが施設長をつとめる特養を見学してみたい。この本はいわゆるジュニア向けですが、介護現場で働く人たちにもぜひ手に取ってほしい。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
パーキンソン病を患う60歳の男性・内藤。彼の目標は「死ぬまで自分でトイレに行く」こと。そんな彼がある日偶然に出会った若者たちと共に、YouTubeを使ってパーキンソン病患者や高齢者向けの体操コンテンツを配信するという話。内藤の病気は数値的な云々はさておき一応何とか自分で生活できるレベルなので、まだまだ軽いといえば軽いのですが、これ以上重症になると物語自体が成り立たなくなってしまうので….。様々な世代がみんなで協力して一つの目標に向かってそれぞれの個性を生かしながら突き進むというのはエンタメの王道で大好き。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
朝日新聞連載の後、1981年に文庫化、つまり40年以上前に執筆された日本SFの第一人者が未来ある子供達に贈る短編集。対象は小学3・4年生くらいかな。登場人物の名前に時代を感じますが、わかりやすい物語の中にちょっとしたブラックユーモアや反戦メッセージが盛り込まれていて、大人が読んでも色々考えさせられます。この本が今でも〝青い鳥文庫〟で刊行され、読み継がれているというのが何だか嬉しいし、こういう本を子供達に手渡し続けられるなら、いつの日か人類は宇宙人から出された宿題を、何とかやり遂げられるかもしれませんね。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
スーパーに買い物に行けば便利だから手に取ってしまう袋詰めのサラダミックス。コンビニ弁当だけでは栄養が偏ってしまうとつい買ってしまうカップサラダ。果たしてこれらは本当に安全・安心なのか?そんな問いを突きつけてくる物語。考えてみればいくら国の安全基準はクリアしているからといって、買ってから数日経ってもシャキッとしているように見える野菜はやっぱりちょっと怖いというか不気味。でも同じ野菜を全部揃えるとなると…。この物語で食の安全と並んで扱われる外国人研修生の労働問題も、いったいどこから手をつけたら解決するのか…。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
舞台は第二次世界大戦下の上海。細菌の研究者だった宮本は、ある機密文書の精査を依頼される。その機密文書とは治療法のない細菌兵器に関するものだった!これはかなりハードな読み応えのある物語でした。私の知識不足のために正直どこまでが事実で、どこからが上田さんの創作なのか判断がつかず、すべて真実と言われたら信じてしまうかもしれないくらい、まったく違和感がありません。むしろこれが今のコロナに繋がっているのではないかと思ったくらい。細菌兵器、毒ガス、枯葉剤、地雷、核爆弾、etc.人間はどこまでやったら気が済むのだろう。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
ネタバレ双子の姉妹・美月と遥花。容姿はそっくりだが性格の違う2人。2人は双子の兄妹・真也と雄也と出会い美月は真也、遥花と雄也がそれぞれ恋に落ち、そこからドロドロの昼ドラ展開かと思いきや美月が失踪。真也は美月の行方を探しつつ、美月の香りが忘れられず…。SF要素は全くないし、結局美月は遺体として発見されるがその事件の真相が明かされるわけでもないし。謎の天才調香師は出てくるも、こだわりが強いだけで物語には大きく関与しないし。コレは何?匂いフェチ小説?確かに香りには人それぞれこだわりがあるだろうけど、真也の言動が怖い。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
ネタバレ主人公の名前が愛流、パートナーの名前が鷹風そしてライバルの名前がオーキッド。舞台は熱帯雨林。嗅覚の鋭い小動物や手足が6本ある猿など、ラノベファンタジーかと思いきやまさかのSFな展開。しかも環境調整とか生物の遺伝子操作とかかなりハード。地球がまさか大規模な…。もしかしたら我々が今住んでいる地球もそうだったりして。管理された安全な人工世界で暮らすか、それとも危険を承知で未開拓の地で暮らすか、これは究極の選択。人類の手から離れた彼らがこの後どう生きていくのか。全編を通して香りの表現が豊かな物語でした。続編熱望!
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
ネタバレ慈善事業ではなくあえて「雇用」という形で海上民を救うことにこだわった青澄。無人ロケット打ち上げに情熱を燃やすユイ。そして時代の流れに翻弄される反社会勢力ラブカのザフィール。この3人を軸に終末へのカウントダウンは加速します。この3人以外にもたくさんの魅力的な人物が登場しますが、〝リリエンタールの末裔〟のチャムさんの登場には胸が震えました。散々混乱した挙句やっと設立した世界救援ネットワーク。それでも止まない地上民と海上民の争い。ロケット墜落事故の現場を訪れたユイに青澄が語ったことは被災地支援で最も大切なこと。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
ネタバレ前作〝華竜の宮〟の本編とエピローグを繋ぐ物語は、外交官を辞めて民間の救援組織を立ち上げた青澄と反社会勢力「ラブカ」の指導者ザフィールを中心に展開する。地球滅亡が迫っていても争いをやめられない地上民と海上民。そしてその両方に武器を供給し混乱を煽る謎の存在の「見えない十人」。この見えない十人」とロケット開発については上巻ではほとんど語られなかったのでこれらがどう絡んでくるのか。また上巻では手を結ぶことは叶わなかった青澄とザフィールは共闘するのかなど気になる点がわんさか。それにしてもザフィールの境遇が辛すぎる。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
ネタバレ全体を通してみると確かにSFではあるのですが、各国の思惑が交錯する展開は、現代、特にコロナ禍の政治情勢をトレースしたようでむしろ政治小説といった印象でした。後半のツキソメ争奪戦は状況が目まぐるしく変化し、青澄外交官の苦しい決断や、汎アジア連合の海軍の所属となってからのあの人の苦悩と結末など、胸が詰まるようでした。エピローグは急に未来の話になってしまったので、この間を埋めるであろう〝深紅の碑文〟を早速読みます。SFというとどうしても「宇宙」を想像してしまう私にとってこの物語は貴重な読書体験となりました。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
舞台は海面上昇によりほとんどの陸地を失った未来。人類はわずかな陸地と人工の海上都市で暮らし最先端技術を操る陸上民と、漁をしながら生物船の上で暮らし自然と共に生きる海上民に分かれ、もちろんこの二つの民族は対立関係に。陸上国同士の政治的、経済的駆け引きも…。そんな世界で翻弄される外交官の青澄、国籍を持たない海上民の長・ツキソメ、海上民でありながら陸上国・汎アジア連合政府の政治家・ツェンとその弟、その他にもたくさんの国や組織の思惑が交錯する。そんな中ラストに明かされるタイトルの謎。もうワクワクが止まりません!
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
史実に少しSFを加えた話からゴリゴリのSF、ファンタジー色の強いものまでバラエティに富んだ短編集。全体として「人間とは何か」「生きるとはどういうことか」といった哲学的なテーマが盛り込まれていたように感じます。もし人工知能を超える「人工知性」が誕生したら、それこそ理屈では説明がつかない矛盾だらけの「人間」という存在は真っ先に排除されてしまうのでは?粒揃いの11編の中であえてピックアップするならアンソロジー「SF JACK」にも収録されていた〝楽園〟。亡くなった人の人格を電脳上で再現するなんて辛すぎる。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
上田さんの本はまだ3冊目ですが、冒頭からSFって感じの物語が多い中本書収録の〝幻のクロノメーター〟は18世紀イギリスの時計職人の話で、中盤までSF要素が登場しないので、ちょっと不意を突かれました。海洋探査船のオペレーターが獲得した超感覚を扱った〝ナイト・ブルーの記録〟はSF的な要素より人間と海、人間と自然との関わりについて考えさせられました。〝マグネフィオ〟は…。世の中には知らなくてもいいこと、知らない方がいいこともあるのではと。表題作は「空」がテーマで、子供のころに夢見た空への憧れを思い出しました。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
未来のテクノロジーとアナログな事物が見事に調和した独特の世界観。それぞれ時代も場所も異なる世界のショートショート1編、短編4編、中編1編の作品集。〝火星ダーク・バラード〟を読んだ直後なので中編の〝小鳥の墓〟の主人公が水島でないことにまず驚く。そして地球のディストピアっぷり。表題作の〝魚舟・獣舟〟は未来なのにどこかノスタルジックな世界観に圧倒され思わず二度読み。音によって成長するサンゴのような生物の話〝ブルーグラス〟は、主人公の性癖が何となく理解できる。そして〝くさびらの道〟。私きのこ類大っ嫌いなんですよ!
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
こういう純国産SF小説をずっと探してました!遠い未来火星に移住した人類、過酷な宇宙の環境下でも適応できる能力を付加されて作り出された新たな人類「プログレッシブ」。ここに国を揺るがすような犯罪、そして恋愛が絡むんだからもうドキドキワクワクが止まりません。未来の何世紀ごろか明確には記載されていないけれど、火星に移住してまで地球上で行われていた人種差別や民族紛争を引きずっている人類。そしてどう使うかではなく誰が最初に作るかにしか興味がない科学者とそれを後押しする国家。この後2人は再会できたのかが気になるところ。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
ネタバレ第二次世界大戦末期の南方戦線が舞台なので戦争の悲惨さをかなりリアルに描いていますが、どちらかというと史実を散りばめた冒険小説というか、航空ロマン小説といったエンタメ色の強い物語でした。空戦場面だけを切り取ってみるなら宮崎駿監督の〝紅の豚〟みたいな…。違うか。死にそびれた特攻兵と無人島で生き延びる元整備兵、そして謎の荷物を運ぶ女性が協力し様々な困難を乗り越えてたどり着いた先とは…。3人のその後が気になるところ。戦争が根底にあるのであまり軽々しいことは書けませんが、読んでいる最中は何度も心拍数が上がりました。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
主人公は死神の「千葉」。彼の役目は死を迎える人に7日間張り付き最終的な可否を判断。「可」と決断した場合には最後まで見届ける。ちなみに病気での死や自死はこれに含まれない。そんな千葉が人間の生死を決めることに悩む物語かと思って読み始めれば、何とこの千葉、無類の音楽好きで、仕事よりもCDショップの試聴機で音楽を聴くことを一番の楽しみとしているという。単行本の刊行が2005年でまだまだ音楽はディスクを買って聴く時代だったんだなぁとしみじみ思う。6編の中で1番心に残ったのは表題作。クレーマーの正体は実に意外でした。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
2012年に刊行された単行本〝私はフーイー 沖縄怪談短編集〟を文庫化にあたって改題した本書。沖縄諸島が舞台の7編の物語は、「沖縄」がいわゆる日本とは別の思想や信仰、文化の国なんだということを再認識しました。どの物語も沖縄の海や空のような爽快感はなく、かといってイヤミスのような読後感でもない、やはりこれが恒川ワールドというべきか。こういう言い方をするとエラい年寄りくさいんだけど、自分が子供の頃「夜」は今より静かで闇も深かった気がする。最も心に残ったのは〝月夜の夢の、帰り道〟主人公の未来が幸せであるように。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
南洋に浮かぶ架空の島を舞台にした7編の連作短編集。青い海、眩しい日差し、色とりどりの花々、甘やかな果実の香りまで漂ってきそうな描写と、その向こう側にあるファンタジー世界。7編の中で一番心に残ったのは第2話の〝紫焰樹の島〟。これはファンタジーというよりはヨーロッパ人が冒険とか開拓と称して行った侵略と虐殺を描いた歴史物語。平和に暮らしていた先住民の生活に自分たちの尺度で、無理やり便利や快適を持ち込んで、何もかも破壊し自分たちの都合のいいように塗り替えてしまった自称「文明人」の悪行。日本も同じことをしたよね。
が「ナイス!」と言っています。
タルシル📖ヨムノスキー
あるものに囚われた、いや縛られた人たちを描く中編3編。〝秋の牢獄〟は11月7日を繰り返す女子大生の話。〝神家没落〟は全国を旅する「家」に囚われた男性の話。そして〝幻は夜に成長する〟は幻覚というか魔力というか宗教団体に囚われた女性の話。どれもやっぱり現状からどうやって抜け出すのかというか、どう折り合いをつけるのかが気になって一気呵成に読み進める。もし自分が同じ日を永遠に繰り返すとしたら、まずは何をするかな?なんて考えてみるも、考えれば考えるほどなんだか虚しい気持ちに…。やっぱり人生は有限だからいいのかなぁ。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/08/04(2452日経過)
記録初日
2017/02/14(2623日経過)
読んだ本
2114冊(1日平均0.81冊)
読んだページ
701383ページ(1日平均267ページ)
感想・レビュー
2114件(投稿率100.0%)
本棚
11棚
性別
血液型
A型
職業
サービス業
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://note.com/966kuroro966
自己紹介

みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ。
懐の深いオトナになりたくて、あれこれ読んでます。

レビューという大層なものではなく、読了後の率直な感想というか第一印象みたいなものを書き連ねています。

お恥ずかしながら、noteでも同じユーザー名で駄文を書き散らかしています。
よかったら遊びに来てください。
https://note.com/966kuroro966

新作を追いかけている作家さんは、
相葉英雄さん、朝井リョウさん、朝比奈あすかさん、有川ひろさん、石田衣良さん、乾ルカさん、伊吹有喜さん、今村翔吾さん、荻原浩さん、小野寺史宜さん、越谷オサムさん、小林由香さん、佐々涼子さん、重松清さん、高嶋哲夫さん、辻村深月さん、寺地はるなさん、中山七里さん、凪良ゆうさん、楡周平さん、古内一絵さん、畠山健二さん、真山仁さん、丸山正樹さん、森沢明夫さん、薬丸岳さん、山本幸久さん(五十音順)。

心がギュッとなる作品があったら、ぜひ紹介してください。

ハンドルネームの変遷
くろ→タルシル→タルシル・ヨムノスキー

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう