2022年2月14冊4236ページ6210ナイス→ https://bookmeter.com/users/822995/summary/monthly/2022/2 コロナに加えてウクライナショック。今こそ需要喚起の為の財政金融政策を吹かさなきゃならないのに、ご自分の20年前の債券屋の体験から「このまま巨額の国債残高を放置してたらハイパーインフレになります!異次元緩和は先延ばしです」と直球の緊縮論ぶつ維新の参院議員を見て目眩がしてます。
2月下旬は、日本ローカルだけど2.26、台湾ローカルだけど2.28とその国で後代に残る大事件が起こっています。2.24は確実に89年来のポスト冷戦に終止符を打った日として記憶されるでしょうね。
第二に、不安持つ人々やメディアが反ワクチンキャンペーンを行っても、それに行政が安易に屈することで更に不信を根付かせる土壌となることを認識しなければなりません。取り分け日本において、HPVワクチンの積極的勧奨を今年4月になるまで中止していたことは最悪手でした。/第三に、人々の広範な不安に対しては、それにつけ込む環境、政治、宗教団体や活動家との間での「共感」を得る為の競争になることを覚悟しなければならないでしょう。実際、カナダではワクチンを「元気回復ジュース」だと「自然」のものだと偽って(4/5)
接種を広めていく医療現場があることが紹介されています。また、反・反ワクチンと言うべき動きの中に、非接種者が増えることで稀になった病気が“復活”する恐怖を感情に訴える運動も紹介されており注目されます。(5/5)
デフレが長引いた今日の日本でも見られる事です。/問題は、ここで得られた知見が著者の目論む予測に役立つのかと言うこと。訳者の山形さんは、取り上げられた「物語」が恣意的かつ景気への因果性がハッキリしないものがある、と仰ってます。私は、例えば先に見た不景気に見られがちな消費者心性は不景気の原因と言うより結果ではないか、と思いました。そのことによる自己予言成就による不景気の長期化はあり得ても、「物語」の蔓延を見つけて動くのは不可能に近いのではないと。(3/4)
とは言っても本書の知見が全て否定されるとは思いません。先に見た「消費は罪悪」と感じる消費者の心性を変える為に、FDRがラジオで「消費は道徳的である。」と国民に語りかけた例を上げています。この様な政策担当者と経済主体の対話の為の参考例とする等、事後的ではありますが大いに活用されるべきでは、と考えた次第です。(4/4)
例えば、ある章を費やして追求されている価格の硬直性について。90年代半ばからのデフレの長期化により、企業も消費者も極端に値上げを忌避する傾向を帯びる様になり、2013以降の大きな金融緩和によってもそれを覆すことが出来なかったことが豊富なデータで語られます。当に、本書でも言及している様に「気」から物価は形作られていく訳です。であれば、その「気」を転換させるだけのマクロ経済政策がこの間取られたか、という設問が必要になってくる訳ですが、それへの対応は本書の埒外にある様です。(2/2)
積ん読、借り本優先なので、感想のアップは遅くなります。
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