ネタバレタゴサクさんの語りが巧み過ぎて誰が正しいのか、なぜ爆発しちゃいけないのかがぼんやりしてしまう程だった。正義とは人によって違うもの。社会の中の自分の気持ちと、一個人としての気持ちの差をあぶり出してそれを愉しむ本当に恐ろしい殺人鬼だった。この規模の無差別爆破事件、日本では起こっていない(と思う)けど起こそうと思えば意外と簡単に出来てしまうのかもと思った。それでも起きていない日本。世界や価値観がどんどん変化していく世の中で今後とも平和であって欲しいと思った。

ネタバレ情景描写が上手く、ティーンエイジャーの繊細さもよく伝わってきた。自分の意思では無いものに人生を左右されてしまう子供たち。小説の中では、そういう子達の周りにはよく心理的に頼れる大人がいて、上手くアドバイスしてくれる。そして苦しみながらも自分の足で進んでいく子たちには心打たれる。