唯一無二の主人公・成瀬シリーズ第2弾。 成瀬！ おかえり！ 今回も成瀬の虜。前作がとても面白く完成されていたから今作はどうなのだろうと思っていたけれど、今回も最高に面白く、もっともっと成瀬を読みたいという成瀬欲が高まった。特に最終章の成瀬が最高すぎる。成瀬ならやりかねないし、解釈一致が過ぎる。読んでてずっと口角が上がるくらい幸せな気持ちになるのに、ふとした瞬間に泣きそうになるのは何故だろう。成瀬のように周りを気にせず自分を貫きたいという憧れと、そんなこと出来るはずがないという諦めがあるからなのかな。

大学病院から京都の街中の地域病院へ移った内科医・雄町哲郎は、終末期の患者と関わりながら「幸せ」について思いを巡らせる。 『神様のカルテ』以来の夏川草介。症例は穏やかじゃないがキャラ立ちがしっかりしていて、医療と人間ドラマがいい感じに混ざって「いい話だった…」と毎回しみじみ思う。穏やかな人柄で甘党で一見頼りないマチ先生が、しっかり実力があって思わず「かっけぇ…！」と言いたくなる。難しい手術をいとも簡単に行ってしまうマチ先生が何故大学病院ではなく地域病院に？ と疑問に思っていたが、作中の答えが腑に落ちた。

唯一無二の主人公・成瀬シリーズ第2弾。 成瀬！ おかえり！ 今回も成瀬の虜。前作がとても面白く完成されていたから今作はどうなのだろうと思っていたけれど、今回も最高に面白く、もっともっと成瀬を読みたいという成瀬欲が高まった。特に最終章の成瀬が最高すぎる。成瀬ならやりかねないし、解釈一致が過ぎる。読んでてずっと口角が上がるくらい幸せな気持ちになるのに、ふとした瞬間に泣きそうになるのは何故だろう。成瀬のように周りを気にせず自分を貫きたいという憧れと、そんなこと出来るはずがないという諦めがあるからなのかな。

『汝、星のごとく』の続編。残された人達の物語。 続編だから前作よりは劣ると思っていたら大間違い。さすが本屋大賞の続編。前作で謎だった北原先生の過去や、櫂に関わりのあった人達の続きが知れて大変満足感のある作品だった。ロマンチックな恋愛話で終わらせず、多様性、女性のキャリアという現実的な問題が組み込まれているのが全然押し付けがましくなく、むしろ考えさせられた。櫂の死を乗り越えてその後の人生を歩んで行く姿、北原先生と暁海の関係が尊い。現実と同じく作中でも『汝、星のごとく』が愛されてて嬉しいな。

18歳と8歳の姉妹がたどり着いた街で出会う喋る鳥「ネネ」。その街で助け合い支え合う40年を描く長編。 日常に潜む苦労をサポートしていく地域の方の温かさ、そしてその優しさの連鎖に涙が出た。朝ドラのようにゆっくり丁寧に物語は進む。第四話2011年の蕎麦打ち再開シーンはさすがに嗚咽した。年ごとに丁寧に日常を描いたからこそ、わかる人にはわかる（感動する）シーンという感じでグッときた。動物という人間が守なければならない存在によって団結力が生まれたのではないかと思う。律とネネにはずっとずっと一緒にいてほしい。

プールに放たれた金魚の謎を、4年1組の「ミステリトリオ」が謎を解き明かす。 知念さんの本格ミステリが児童書で味わえるとは。しかもちゃんとした本格ミステリで、大人の私も推理を外しました。読者への挑戦状はゾクッとした。子供は絶対テンション上がるだろう。こういう幅広い年代が楽しめる本が本屋大賞にノミネートされるのはとても嬉しい。