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2024年2月の読書メーターまとめ

あきあかね
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798ページ
感想・レビュー
3
ナイス
124ナイス

2024年2月に読んだ本
3

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

あきあかね
 「夢みたものは ひとつの幸福 ねがつたものは ひとつの愛 山なみのあちらにも しづかな村がある 明るい日曜日の 青い空がある」(『夢みたものは······』) 「しあはせな一日は幾つあつたらう 日の終わり 疲れた橋に身を凭れ かぞえてゐれば 靄のなかにともる燈は煌めいて 人の数の千倍のしあはせが 一人のためにあるのだと やさしい調べで繰返してゐた」(『しあはせな一日は』) 先日、『新美の巨人たち』の番組で立原道造が設計したヒアシンスハウスが取り上げられていて、実際に観に行った。メタセコイアが立ち並ぶ、⇒
あきあかね
2024/02/25 11:41

⇒浦和市郊外の別所沼のほとりに、その小さな5坪ばかりの家は佇んでいた。詩人の詩に多く現れる「やさしさ」や「しあはせ」という言葉を具現化したような、詩人の夢の結晶のような、明るく心地よい空間であった。 「建築は凍れる音楽」という言葉があるが、大学で建築を学んだ立原道造のソネット形式の詩は、詩集の題名のように、優しく穏やかな旋律が全体を包んでいる。信州軽井沢の豊かな自然の中で作られた、多幸感に満ちた詩も多く、優美で可憐な詩風は一見星菫派のように見える。しかし、生きる意味を問うような詩も時折現れ、

あきあかね
2024/02/25 11:42

24歳で夭折した詩人に迫る運命を思うとはっとさせられる。単なる美しいものへの賛美ではなく、幸福にも寂寥にも鋭敏な若き詩人の魂が感じられる。

が「ナイス!」と言っています。

2024年2月の感想・レビュー一覧
3

あきあかね
 「夢みたものは ひとつの幸福 ねがつたものは ひとつの愛 山なみのあちらにも しづかな村がある 明るい日曜日の 青い空がある」(『夢みたものは······』) 「しあはせな一日は幾つあつたらう 日の終わり 疲れた橋に身を凭れ かぞえてゐれば 靄のなかにともる燈は煌めいて 人の数の千倍のしあはせが 一人のためにあるのだと やさしい調べで繰返してゐた」(『しあはせな一日は』) 先日、『新美の巨人たち』の番組で立原道造が設計したヒアシンスハウスが取り上げられていて、実際に観に行った。メタセコイアが立ち並ぶ、⇒
あきあかね
2024/02/25 11:41

⇒浦和市郊外の別所沼のほとりに、その小さな5坪ばかりの家は佇んでいた。詩人の詩に多く現れる「やさしさ」や「しあはせ」という言葉を具現化したような、詩人の夢の結晶のような、明るく心地よい空間であった。 「建築は凍れる音楽」という言葉があるが、大学で建築を学んだ立原道造のソネット形式の詩は、詩集の題名のように、優しく穏やかな旋律が全体を包んでいる。信州軽井沢の豊かな自然の中で作られた、多幸感に満ちた詩も多く、優美で可憐な詩風は一見星菫派のように見える。しかし、生きる意味を問うような詩も時折現れ、

あきあかね
2024/02/25 11:42

24歳で夭折した詩人に迫る運命を思うとはっとさせられる。単なる美しいものへの賛美ではなく、幸福にも寂寥にも鋭敏な若き詩人の魂が感じられる。

が「ナイス!」と言っています。
あきあかね
 ゆったりと心地よい沖縄の風が吹き抜けるような爽快感を与えてくれる一冊。1日1ページ、365日、ケラマブルーの瑠璃色の海や烏帽子のようにすっくと海原に山の頭を出す伊江島タッチューといった美しい写真に言葉が添えられている。旧暦12月に沖縄の各家庭で健康を祈って作られるムーチー(月桃の葉で蒸したお餅)や、「いつ(5)の世(4)までも」一緒にという想いを込めて織られるミンサー織の日(5月4日)など、季節折々の行事が散りばめられているのも楽しい。座右に置いて、沖縄の海や風が恋しくなったら、折ふし頁を繰りたい。⇒
あきあかね
2024/02/12 20:46

⇒ため息の出そうな美麗な写真に目が奪われがちになるが、様々な言葉は決して添え物ではなく、それ自体が光を放っている。とりわけ、沖縄で長く大切に受け継がれてきた「黄金言葉(くがにくとぅば)」は、琉球、沖縄の長い苦難の歴史の荒波を、悲しみを乗り越えてきた人びとの優しく、しなやかな強靭さを感じさせる。 「苦(くる)しみぬ水(みじ)ん 飲(ぬ)でぃぬ後(あとぅ)からどぅ 楽(たぬ)しみぬ水(みじ)ん 味(あじ)や知(し)ゆる」

あきあかね
2024/02/12 20:46

「苦しみの水を飲んで(人生の苦労を経験して)、初めて、本当の喜びや楽しさの水の味を知ることができます」 「なんくるないさ」の本当の意味を記してくれているのも嬉しい。沖縄のおじいやおばあから受け継がれる言葉は、いついつまでも輝き、次代を生きる人びとの進む道を照らし続けるのだろう。 「真(まくとぅ)そーけー なんくるないさ」(人として正しい行いをしていれば、自然となるようになる。)

が「ナイス!」と言っています。
あきあかね
沖縄の煌めく海や定番の観光スポットはあまり出てこない代わりに、ざっかけない食堂や居酒屋、工房といった、沖縄に暮らす人びとがふと立ち寄るような場所が多く取り上げられ、リアルな沖縄を感じられる。まだ訪れたことのない場所もたくさんあるけれど、時が止まったような静けさの備瀬のフクギ並木や、市民の憩いの場の波の上ビーチ、琉球王朝の栄華の残り香が漂う首里金城の石畳道、アットホームな雰囲気の千日の氷がふわふわのぜんざいなど、これまでに行った場所が出てくると無性に懐かしく、まだ寒さ残る如月に、想いは南国へと誘われてゆく。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/07/17(2083日経過)
記録初日
2018/10/31(1977日経過)
読んだ本
618冊(1日平均0.31冊)
読んだページ
163300ページ(1日平均82ページ)
感想・レビュー
618件(投稿率100.0%)
本棚
245棚
性別
職業
公務員
現住所
東京都
自己紹介

国内外の小説、詩、短歌、俳句など幅広く好きです。歴史や美術、社会科学にも興味があります。

最近は、辻邦生、宮沢賢治、丸谷才一、須賀敦子、藤沢周平、柴田元幸などをよく読んでいます。

心あたたまり、人生を豊かにしてくれるような本との出会いを、これからも大切にしていきたいです。

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