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2025年6月の読書メーターまとめ

エドワード
読んだ本
10
読んだページ
3359ページ
感想・レビュー
10
ナイス
1816ナイス

2025年6月に読んだ本
10

2025年6月のお気に入り登録
1

  • 毒蝮三太夫

2025年6月のお気に入られ登録
4

  • 広井啓
  • ワオン@最低一日1頁が目標
  • 毒蝮三太夫
  • minami@tw

2025年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

エドワード
「お父ちゃん、今、悪魔と取引してたんや。『歌舞伎を上手うならしてください』て頼んだわ。『その代わり、他のもんは何もいりませんから』って」役者の道は厳しく孤独だ。事務所もなく、頼れるのは家族だけ。喜久雄は、復帰した俊介とともに茨の道を進む。芸とは、才能なのか血筋なのか。二人を巧みに操る三友(松竹だ)。スキャンダルを狙う写真週刊誌。幼な児の死。俊介を襲う両足切断の悲劇。息子の交通事故。めまぐるしく変わる世の中、喜久雄は人間国宝に認定される。喜久雄の隣には常に俊介がいる。色々な人々の夢を担って今日も舞台に立つ。
エドワード
2025/06/28 07:37

下巻に入ると様々な事件や出来事が続く。個性的な女性たちが魅力的だ。喜久雄の母・マツ、俊介の母・幸子、妻・春江、喜久雄を慕う彰子、喜久雄の愛人で祇園の芸妓・藤駒。それぞれのドラマが濃厚に描かれる。テレビ時代劇に出演、オペラ歌手と共演。藤駒と喜久雄の娘・綾乃が横綱・大雷と結婚。このへんは映画ではバッサリ切っているが、それでも175分だ。緊張感が続くギリギリの正解。10回のテレビドラマのボリュームがあるけれど、やはりこれは1本の映画が良いな。この映画が東宝映画なのが面白いね。

が「ナイス!」と言っています。

2025年6月にナイスが最も多かったつぶやき

エドワード

くまざわ書店四条烏丸店が6月29日閉店です。残念です。大丸や京都シネマへ行く時に、ここでよく買いました。本を眺めているのが何より好きでした。本屋が閉店するとは、市民が本屋へ行かない、本屋が必要ない、ということです。近所の本屋や洋菓子店が次々と閉店し、ユニクロもなくなる。何を買うにも四条か河原町へ行かねばならない。これを生活環境の悪化というのです。最後の砦は丸善です。あの、知の殿堂・丸善が閉店する時、京都の真の文化は滅ぶ。文化都市でも何でもない、残るのはうわべだけのごまかし。

くまざわ書店四条烏丸店が6月29日閉店です。残念です。大丸や京都シネマへ行く時に、ここでよく買いました。本を眺めているのが何より好きでした。本屋が閉店するとは、市民が本屋へ行かない、本屋が必要ない、ということです。近所の本屋や洋菓子店が次々と閉店し、ユニクロもなくなる。何を買うにも四条か河原町へ行かねばならない。これを生活環境の悪化というのです。最後の砦は丸善です。あの、知の殿堂・丸善が閉店する時、京都の真の文化は滅ぶ。文化都市でも何でもない、残るのはうわべだけのごまかし。
マダムぷるる
2025/06/02 20:14

エドワードさん、何度もスミマセン。私も丸善で待ち合わせをしたことがあります。携帯電話さえなかった時代、本屋さんでの待ち合わせは遅刻されても許せました。タイパもコスパもないけど大らかさやゆとりはありましたよね。

エドワード
2025/06/02 20:45

そうですよ。児童書や趣味の本をのぞいたり、外国語の絵本を見たり、写真集を見たり、カレンダーを見たり、本屋さんはワンダーランドであり、世界の窓です。こういう楽しみを持つことが出来ない人の人生は薄っぺらいものだと思います。

が「ナイス!」と言っています。

2025年6月の感想・レビュー一覧
10

エドワード
「お父ちゃん、今、悪魔と取引してたんや。『歌舞伎を上手うならしてください』て頼んだわ。『その代わり、他のもんは何もいりませんから』って」役者の道は厳しく孤独だ。事務所もなく、頼れるのは家族だけ。喜久雄は、復帰した俊介とともに茨の道を進む。芸とは、才能なのか血筋なのか。二人を巧みに操る三友(松竹だ)。スキャンダルを狙う写真週刊誌。幼な児の死。俊介を襲う両足切断の悲劇。息子の交通事故。めまぐるしく変わる世の中、喜久雄は人間国宝に認定される。喜久雄の隣には常に俊介がいる。色々な人々の夢を担って今日も舞台に立つ。
エドワード
2025/06/28 07:37

下巻に入ると様々な事件や出来事が続く。個性的な女性たちが魅力的だ。喜久雄の母・マツ、俊介の母・幸子、妻・春江、喜久雄を慕う彰子、喜久雄の愛人で祇園の芸妓・藤駒。それぞれのドラマが濃厚に描かれる。テレビ時代劇に出演、オペラ歌手と共演。藤駒と喜久雄の娘・綾乃が横綱・大雷と結婚。このへんは映画ではバッサリ切っているが、それでも175分だ。緊張感が続くギリギリの正解。10回のテレビドラマのボリュームがあるけれど、やはりこれは1本の映画が良いな。この映画が東宝映画なのが面白いね。

が「ナイス!」と言っています。
エドワード
長崎の極道の家に生まれた立花喜久雄は、新年会の日に父を殺され、父の友人の歌舞伎役者・花井半二郎の元に引き取られる。喜久雄は半二郎の息子・俊介と高校に通い、稽古に精を出す。地の文が浄瑠璃の太夫の語りだ。彼らの生きる芸の道を効果的に醸し出す。半二郎は二人に女形の才能を見出し「二人道成寺」で喝采を浴びる。二人が成長する中、半二郎が病に倒れ、彼が代役に指名したのは、俊介ではなく喜久雄だった。その上、三代目半二郎の名跡も喜久雄に継がせる。出奔する俊介。波乱の予感。高度成長期を背景に描かれる現代の世話物。下巻へ続く。
エドワード
2025/06/26 19:19

今、下巻を読んでいますが、オペラ歌手や力士が出て来たり、混沌としてきますね。芯となるストーリーを残して、削ぎ落として削ぎ落とした映画はさすがだと改めて思います。

リュウジ
2025/06/26 20:15

下巻はそうですね。ちょっと間延びしたところはありますね。会話のやり取りは断然小説が好きです。特に幸子さん。あの性格と大阪弁は惹かれます。ただ映画はその辺りは小説の味として切り捨て、よくあそこまでテーマを絞り込んだというか、解釈を捉えなおしたというか。スヌッフも俳優たちも「すごい人たちはすごいもの、作るなぁ」と思いました。

が「ナイス!」と言っています。
エドワード
公立中学校の国語教師として勤務する田丸葉奈子は、傷ついたドバトの雛を拾い、多忙さ故に食生活も適当で、部屋にゴミがあふれている。若く一見未熟な教師だ。だがそれだけに、誰よりも生徒の心を推し量ることができる。担任する生徒・高根星来の無断外泊に、彼女は自身の中学時代―自堕落な母から逃れ、ネットで出会った男性と暮らした日々―を思い出す。危険な男たち、ネット社会の闇が身近にあることの怖さ。葉奈子を、星来を、しっかり支える40代の溝渕教師、保健室の岡江教師の姿も印象的だ。夏鳥たちのとまり木。少年少女の避難所の象徴だ。
が「ナイス!」と言っています。
エドワード
庵原かのんの物語、始まる。家裁調査官は少女を含む少年(十四歳から十九歳)の犯罪を扱う。自転車泥棒、鴨をボーガンで撃つ少年。売春し妊娠する少女。傷害、器物破損。わいせつ行為。ゴミ泥棒。家裁調査官は、読む、聴く、書くが基本だ。中でもかのんは「聴く」人だ。本人から、親兄弟から、友人から聴く。そして熟孝する。確かに優れた人間力だ。物語が殺伐とならないのは、同僚との明るい会話、ゴリラの飼育員であるパートナーとの会話、優しい描写があるからだ。舞台は小倉。多分に荒っぽい風土が少年たちに影響している。転勤する続編に期待。
が「ナイス!」と言っています。
エドワード
図書館のレファレンスの仕事を紹介する本だ。本の名前の覚え間違い。まず質問する。「どんな話ですか?」「どこでその本を知りましたか?」「新しい本ですか?古めの本ですか?」膨大な本の森から探し出す。図書館司書の腕の見せ所だ。「図書館は民主主義の砦」という。平和な時には気づかないが、過去の言論統制などを思うと納得する。司書さんは当然活字中毒だ。旅行先でも図書館をのぞくというから笑いがこぼれる。さて少しだけ書名勘違いクイズ!「私を探さないで」「ひやけのひと」「先生の好きな等式」はて?図書カードがオマケ!懐かしいね。
が「ナイス!」と言っています。
エドワード
ファッション。浮かぶ言葉は流行、服飾。それは芸術なのか?研究すべきものか?それを考える4日間の集中講義。私には「ファッションは必ず廃れる」という言葉が印象に残った。19世紀の衣装は今はない。戦前戦後の服装も今はない。それは美術館にある。故に、芸術であり、研究の対象なのだ。私が学生の頃に好んで着ていた服装を今は購入できない。トラッドな服でも時代にあわせてデザインが変わる。時とともに移ろいゆく、ファッション。かくも内容の濃い、東京大学文学部美学芸術学特殊講義を聴講できた学生は幸せだ。これこそが大学の授業だ。
エドワード
2025/06/12 07:35

父のスーツを私が着ることはできないが、祖母や母の着物を娘が着ることは出来る。和服も捨てたものではない。

٩( 'ω' )و~aki.info/@
2025/06/13 14:27

もうずいぶん前ですが、幸運が重なり、三年ほど【和裁】を仕事にしていました。和服には、世代をこえて受け継がれる理由があったのだ、と納得出来た瞬間の あの気持ちを思い出させてくれました。

が「ナイス!」と言っています。
エドワード
少女の頃の思い出を忘れない小川洋子さん。岡山の家のそばの町工場。高い塀の向こうの謎の建物。理科準備室は私も好きだったな。その好奇心が6つの工場見学になった。金属加工。お菓子。ボート。乳母車。ガラス管。鉛筆。グリコの工場で「チョコレート工場の秘密」を思い出すのも同感。グリコを除き、みな家族経営の小さな会社だ。機械化できない人の手の技が光る。マニュアルでは引き継げない、経験を重ねるしかない技術という言葉が印象的だ。保育園児の乗るかごのような車がサンポカーということを初めて知り、思わず頬が緩む。日本語は美しい。
エドワード
2025/06/10 07:47

余談だが、私が小学生の時、班で「ものができるまで」を調べて模造紙で発表する課題があった。私の班は鉛筆のできるまでを発表した。なので、鉛筆工場の章は懐かしさ爆発だ。たった一本の棒だけで筆記を可能にした鉛筆。私たちの頃は短い鉛筆の端同士を接着してまだまだ使ったよ。鉛筆会社の社是「鉛筆は我が身を削って人の為になり真ん中に芯の通った人間形成に役立つ立派で恥ずかしくない職業だから、鉛筆のある限り、家業として続けるように」が素晴らしい。私は電動鉛筆削りを使わない。今でも手回し削りを使っている。単なる好みだが。

が「ナイス!」と言っています。
エドワード
色々な<人間>が描かれる。古代の時もあれば、現代の時もある。工場で生産される人間。男の少ない人間。名前のない人間。クローンで増殖する人間。光合成する人間。数字の名前を持つ人間。彼らは食事をとり、恋をし、優しく愛情を持つ、まぎれもない人間たちだ。地球という星の上で、人間たちは滅亡と進化を繰り返す。最後に語られる人工知能の話はまさに今の地球の現在進行形で興味深い。人工知能の中心が母あるいは大きな母と呼ばれる、懐かしきサイエンスフィクション感。翻訳文学の香りのする本作が世界で普遍的に評価されることを願います。
が「ナイス!」と言っています。
エドワード
七星の父の名は北斗。母は遠くにいる。父娘で石垣島の祖母に会いに行く話。ふざけた男子のために目に傷を負った美星の話。生徒会副会長の完全無欠な女子生徒と廃部寸前の四人の話。彗子と、彼女の祖母の営む木星荘に住む美女・金江さんの話。一見関係のない話が、時空をこえてつながっていく。あっ、あの人が彼だったんだ、彼女だったんだ、というワクワク感が心地よい。七星の母、寺地舞亜は宇宙飛行士だ。命がけで月を目指す。北斗と七星は地球で彼女の無事を祈っている。宇宙のロマンを随所に感じる。題名は言わずと知れたロボット君だね。
が「ナイス!」と言っています。
エドワード
男性の私が言うのも無責任だが、女性は生きにくい。山内マリコさんと同じ1980年生まれの女性たちの、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人その時々の夢と悩み。20代以降は苦悩の連続だ。就職、結婚、子育て、同い年の友人が遠のいていく、この虚無感、心の裡が本当によく描かれている。「私たちが教わってきた男女平等とは、世界平和と同じくらい空疎なスローガンであり、実現とはほど遠い。」このリアリティは雑誌クラッシィの読者の心に響いたに違いない。女ともだちを作ろうと優しく呼びかける、上野千鶴子さんの解説が素晴らしい。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/01/18(5294日経過)
記録初日
2011/01/19(5293日経過)
読んだ本
2253冊(1日平均0.43冊)
読んだページ
723573ページ(1日平均136ページ)
感想・レビュー
2253件(投稿率100.0%)
本棚
12棚
性別
血液型
AB型
自己紹介

 私は1962年生まれ、70年代に中学高校生、80年代に大学生を送った、昭和の若者です。小学生の頃から図書室に入り浸たり、今でも手元に本がないと落ち着かない活字中毒人間です。

 そんな私にも定年、退職の日が来ました、孫も生まれました。今はヨガを始め、行きたい時に映画を観て、展覧会を観て、コンサートを聴くことができる日々です。

 私と妻の両親が亡くなり、膨大な遺品を整理した時に感じました。これはなんだ?何に使うんだ?うーむ、私が集めた本やレコードやCDは、私にはこの上ない宝物だけれど、子供たちにはただのガラクタなんだなあ。

 次々と本を買うので、本棚に入りきりません、年に数回本を古本屋へ持っていきます。
 買っては売る本。だけど買わずにいられない本。絶対捨てられない本。
 本は不思議です。しかし、コストの割に読む人が減っているから、高価になる一方ですね。

 インターネットは革命的に世界を変えましたね。インターネットなしの生活は考えられません。SNSも楽しんでいます。だけど何でもかんでもネットというのは私は受け入れられない。

 本は紙です。重くてもかさばっても紙。
 映画は映画館です。パソコンじゃ見た気がしません。
 昔は、情報は雑誌から得るものでした。雑誌を読まなくなって久しく、淋しいです。
 恐ろしいのは、本屋さんが消えることです。ものすごい勢いで日本中から本屋さんが閉店しています。京都でも丸善まで行かないと本が買えません。Xデーは必ず来ます。

 でもそれもこれも、消費者の行動の結果なんですね。会社のせいじゃない。

 テレビでは懐かしい昭和を盛んに映しています。鉄道、建物、商店街、家電、食べもの…。
 これは、無くなる予言ですよ。お中元もお歳暮も、年賀状もお墓も、無くなっていきます。

 そんな令和の日本を、オールドメディアにこだわりながら、昭和の遺産を楽しみ、今の空気も胸いっぱい吸っていきたいと思っています。

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