図書館本。万時に優秀ながら常人離れした発想と言動により、えてして周囲の度肝を抜いてしまう稀代の地元愛少女・成瀬あかり。そんな彼女が周りに投げかけるインパクトと、それによって広がり、繋がっていく人々の輪が楽しく描かれます。オキラク系のバタバタものなのかなと思って読み始めたのですが、そこはそれ、けっこう小説らしい小説のようにも思われて、かなり濃密な読書体験を楽しめました。読者はみんな、成瀬を好きになってしまいそうです。早く続編を読んでみたいです。

平凡な家庭と忍者の末裔と異星人と超科学と世界征服。このナンセンスな設定ととぼけたバタバタは基本的にkkの好物ですが、今回はちょっとノリが良すぎたような…

『悪霊列伝』の続編。平将門、源頼朝、楠木正成などを取り巻く悪霊伝説を取り上げる。基本的な視点は、「悪霊の歴史はまさに政治史であり、人間の心の裏面史」であるとの認識。人の心の機微に通じた永井路子先生ならではの切り口かと。エピソード面で特に興味を惹かれたのは楠木正成に関するもの。『太平記』における「七生報国」の本来的な意味に仰天させられました。

図書館本。万時に優秀ながら常人離れした発想と言動により、えてして周囲の度肝を抜いてしまう稀代の地元愛少女・成瀬あかり。そんな彼女が周りに投げかけるインパクトと、それによって広がり、繋がっていく人々の輪が楽しく描かれます。オキラク系のバタバタものなのかなと思って読み始めたのですが、そこはそれ、けっこう小説らしい小説のようにも思われて、かなり濃密な読書体験を楽しめました。読者はみんな、成瀬を好きになってしまいそうです。早く続編を読んでみたいです。

図書館本。風水先生こと荒俣宏氏が、日本の霊的境界「四門」の謎に挑むべく、東北、対馬、小笠原、沖縄の各地を訪ねて風水的な痕跡を探るという趣向。いつもながら、レイラインだの占いだのに関する蘊蓄てんこ盛り。この手のお話が大好きなkkですから、然るべく楽しく読みました。

図書館本。航空自衛隊きっての爽やか系イロ男が語る、新領域を巡る安全保障上の課題の数々。タイトルは宇宙を中心に据えているものの、実際のカバレッジはもう少し広くて、未来における戦争・軍隊のあり方や、関連科学技術の新しい方向性などが縦横に語られる。いろいろ勉強にはなるものの、著者の目線の高さによるものか、語り口がえてして抽象的になりがち。読み物として楽しいか、といった点では課題があるかも。ただ、巻末の奥山真司氏との対談はとても良かったです。

図書館本。現代海運システムの先覚者マルコム・マクリーンの活躍を縦軸に据えて、コンテナ、荷役の機械化、そして流通管理のシステム化が国際物流の世界を変容させていく様を見事に活写。港湾労働者の受難、規格化に向けた苦しみ、海運業者たちの栄枯盛衰、さらには港湾管理者や荷主連中の智慧と悩みなどにも目配りしながら、コンテナ革命が人々の暮らしに及ぼしたインパクトの巨大さを語る。翻訳もこなれていて読みやすく、しかも読み応えあり。コンテナ・マニアや海運ファンの皆さんにはぜひお薦めしたい一冊です。