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2024年3月の読書メーターまとめ

ゲオルギオ・ハーン
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感想・レビュー
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ナイス
380ナイス

2024年3月に読んだ本
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2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ゲオルギオ・ハーン
2018年発行。コロナ前の取材ということと著者が外国人労働者について割と肯定的、取材相手も日本での仕事や生活に適応した人々なので悪い話はあまり出てこない。コンビニで働く外国人が中心のため、コンビニの奨学金制度(返済不要の給付型)を利用すると優秀な外国人(主に東南アジア)は実務と勉学の両方で実力をつけていく。コンビニの戦略としてはそうして育てた人々を足がかりに海外展開の人材としても活かしていくのだとか。ただ、全員がそうではないし、失敗して失踪してしまうのも珍しくない。
ゲオルギオ・ハーン
2024/03/14 06:56

労働力不足から外国人の受け入れを積極的に行う制度があるのは分かるが、来たあとのサポートがないのがなんだか残酷な印象があった。技能実習生は悪い業者の関連であった場合はパスポートを取られ、酷使されるという。そういった業者が後を絶たないのは外国の現地業者にも技能実習生の斡旋をする業者があり、そこと報酬制度を組んで労働者を確保しているからだという。外国人労働者が日本で独立起業した事例としてTBIホールディングスが挙げられているが本書が出たあとの2023年に倒産し、創業者のネパール人ではなく日本人になっていた。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
11

ゲオルギオ・ハーン
2009年発行。みんなで意見を出し合えば良い結論が出る、という集合知の考え方に疑問を呈した興味深い一冊。理屈的にはみんなが正しい情報と専門的な知識を持っていれば集団の結論は良いものになり、民主主義の良さが出る。でも実際は手に入れている情報や専門知識にも差があるし、さらには考え方にバイアスがかかっている。本書は専門家やその分野でそれなりに勉強した(学部生相当のイメージ)人、まったく専門知識がない人でどれくらい考え方に差があるかを実際のアンケート結果から示していて面白い。
みつちや
2024/03/29 23:39

ゲオさんは私が読めない難しい本を解説した感想なのでいつもありがたい。ある本を読んで民主主義は性善説に基づいた統計だと思ったことがあります。ならば悪心と無知はどうするかの一つに、経済学の強化というのは面白いなと思いました。

ゲオルギオ・ハーン
2024/03/30 09:07

みつちやさん、ありがとうございます。私自身、読んだ内容を整理するつもりで感想をまとめているので嬉しいです。ご指摘されるところが著者の問題意識なので鋭いですね。私は民主主義と聞くと票は平等という先入観があるので敢えて格差をつけるというのは面白いと思いました。

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ゲオルギオ・ハーン
著者は物理学者だが、本書は「理科」という広い範囲で日本史を中心に考察を書いていくというもの。鉱物に注目する点は確かに理科っぽい。専門的な書き方でもないので読みやすかった。数の数え方、表記方法を国と時代ごとで比較して考察しているのは題材としてはよくあるけど、書き方の合理性や説得力を考えている点も面白い。最後の「アルス」については理科というより哲学っぽい内容だけど著者の考え方が詰まっていて興味深かった。
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ゲオルギオ・ハーン
ナポレオン戦争時代を取り扱った第4巻。個人的に出来はあまり良くなかった印象。これまでの3冊は長い期間で見ていて軍隊ごとの違いもあり、戦闘形式の試行錯誤と進化が分かった。しかし、4巻は代表的な戦闘の記述に力を入れていて、分析がされていないので他のナポレオンの戦術本と比べると見劣りする。着目する元帥のバランスも悪く、騎兵の章はミュラの章と書いても違和感がないくらい紙幅を割いている。一方でダヴーはそれなりだが、マッセナやベルティエ、ウジェーヌは活躍に対して扱いが小さい。
ゲオルギオ・ハーン
2024/03/20 15:02

ただシリーズのコンセプトとして、個々の戦術家の技量に注目するのではなく、どういう技術を開発、現場で運用していったかを解説・考察していくもののはずなのでナポレオンの軍隊がこれまでの西欧軍事技術の集大成という位置づけをもっとはっきり書いてほしかった。大砲の章は部品の改善や開発の歴史も書いているので良かった。海軍のところはトラファルガーやアブキール湾の裏で別の海域ではイギリス海軍も敗戦を経験しているのは知らなかった。

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ゲオルギオ・ハーン
日本の朝鮮統治論争と朝鮮統治に関していくつか本を読んでおいた方が良かったと読んでから気づいた。タイトルが検証する、とあったので統計などを使いながら客観的に検討していくかと思いきや日本の朝鮮統治を恐怖政治だとする人々への反論や彼らの主張の問題点の指摘をしている。海外で熱心に批判する人とその内容を知れたのは良いが、そもそも知りたかった朝鮮統治の客観的な視点がよくわからなかったのが残念。論争の泥沼感は伝わったので根深い問題である事はわかる。朝鮮統治自体を別の本で調べてから再読するといいかもしれない。
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ゲオルギオ・ハーン
ネタバレ江戸時代の人形師、泉 目吉の魂が8歳の女の子 怜に居候し、両親たちと協力しながらさまざまな事件を解決していくという少し大胆な設定の連作短編集。江戸っ子的なセリフにより主導権が切り替わったとハッキリ分かるので読みやすく、解決していく事件もグロ系に走らず、人の二面性に着目するテーマを感じられるため、主人公の特殊設定と関連があり、構造的にも面白い。初見で読むと1話目の紙の蜻蛉が衝撃的で面白い。鬼火も目吉がいるので大丈夫だろうと思いながらもホラー感があって良かった。目吉さん、タバコは控えてください。
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ゲオルギオ・ハーン
2018年発行。コロナ前の取材ということと著者が外国人労働者について割と肯定的、取材相手も日本での仕事や生活に適応した人々なので悪い話はあまり出てこない。コンビニで働く外国人が中心のため、コンビニの奨学金制度(返済不要の給付型)を利用すると優秀な外国人(主に東南アジア)は実務と勉学の両方で実力をつけていく。コンビニの戦略としてはそうして育てた人々を足がかりに海外展開の人材としても活かしていくのだとか。ただ、全員がそうではないし、失敗して失踪してしまうのも珍しくない。
ゲオルギオ・ハーン
2024/03/14 06:56

労働力不足から外国人の受け入れを積極的に行う制度があるのは分かるが、来たあとのサポートがないのがなんだか残酷な印象があった。技能実習生は悪い業者の関連であった場合はパスポートを取られ、酷使されるという。そういった業者が後を絶たないのは外国の現地業者にも技能実習生の斡旋をする業者があり、そこと報酬制度を組んで労働者を確保しているからだという。外国人労働者が日本で独立起業した事例としてTBIホールディングスが挙げられているが本書が出たあとの2023年に倒産し、創業者のネパール人ではなく日本人になっていた。

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ゲオルギオ・ハーン
大英博物館のマネーギャラリー開設記念に執筆された一冊。大英博物館所蔵のコインの画像をたくさん使いながら古代から近代までほぼ全世界をカバーしながらマネーの歴史をたどっている素晴らしい一冊。全体を概観することで地域ごとの発展の違いが分かるのも面白い。コインやインゴットの形が多様なアジア。早い段階から手形を整備する欧州とイスラーム。含有率は気にせず金属以外も採用した多様なマネーで共同体外との取引に柔軟に対応するアフリカ。近代に向かうにつれてマネーが統合されていき取引がよりスムースになっていく。
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ゲオルギオ・ハーン
ネタバレ最初から奇妙な話ではじまり、嫌な予感しかない関口君の調査がはじまる。案の定、とんでもないことになってしまう。すると、聡明快活な敦子さんまで危険な目にあってしまう。なにかがおかしい。バラバラな事件だが河童の話から考えるになにか見方が違うだけで全ては繋がっているはずだ。途中で出てきた京極堂も木場刑事にアドバイスをする。しかし、スッキリとはまらない。なにかが仕組まれているのは分かる。しかし、どんな仕掛けなのかもどかしく、読んでいるこちらまで焦ってしまう。一連の詐欺や殺人事件の正体はいったいなんなのか。
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ゲオルギオ・ハーン
中国国民党軍と駐留日本軍上層部の密約により終戦後も4年間、中国共産党軍と戦った悲劇の兵隊たちのことをまとめた一冊。共産党との内戦を見越し日本軍を手駒として使えないか画策する国民党軍の閻錫山将軍、保身のために閻錫山の提案に乗った澄田将軍。そもそもGHQどころか旧陸軍も認めていない計画なので杜撰に展開し、屁理屈をこねながら強行していく様子はとても見苦しかった。脅されたり、直属の上官への義理などで残留を強いられた兵たちは帰国しても4年間の戦いを認めてもらえず苦しい思いをしたのが気の毒でならない。
ゲオルギオ・ハーン
2024/03/06 23:03

終始胸糞悪い出来事が続く事件であり、祖国復興を掲げて2600人もの人々を惑わし、人生を滅茶苦茶にしたというのに陰謀の当事者たちは軍人恩給をもらうなど穏やかな晩年だったというのも腹が立つが、自己弁護の本をせっせと執筆していたのには怒りと同時に呆れた。どうかこの事件が忘れ去られないことを祈るし、本書を読んで知れて良かったと心から思います。

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ゲオルギオ・ハーン
移民研究の概論。移民といっても背景、目的、行き先の基準がさまざま。本書は移民についての基本的な考え方を歴史的な動きも視野に入れて整理してくれる。また、移民に関するさまざまな切り口の研究も紹介しており、どの角度から切り込むと自分の問題関心に近いのかもわかる。個人的には3−6の労働市場との関連が一番気になる。移民労働者といってもさまざまなタイプがいるわけで単純労働もあれば高度な技能で労働する人もいる。現代では政策に移民労働者の質をコントロールしようとしているのでもっと深堀りした本を読んでいきたい。
が「ナイス!」と言っています。
ゲオルギオ・ハーン
気候に注目して奈良時代から江戸時代までの日本史を読み解き、当時の朝廷や幕府の気候変動による危機への対応をまとめている。現代的な感覚からすると奈良時代はエコなイメージがあるが、まったくそんなことはなく大型木造建築ラッシュにより森林伐採を積極的に行い、森林の水源涵養機能を奪い、灌漑も発達していなかったこともあり干ばつによる不作に悩んでいた。無いところからはとれないので免税措置をしますがこれが税制崩壊、荘園の拡大へと繋がっていく。さらに大陸から疫病も来て聖武天皇が平城京に嫌気が差すほどにまで混迷している。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/10/16(2014日経過)
記録初日
2018/07/10(2112日経過)
読んだ本
1161冊(1日平均0.55冊)
読んだページ
377957ページ(1日平均178ページ)
感想・レビュー
1161件(投稿率100.0%)
本棚
20棚
性別
血液型
B型
自己紹介

興味のあった本を読んでいく。ジャンルはいろいろ。社会科学、自然科学、小説、経営関連をベースにバランスよく読むように『読んでる本リスト』を編成しています。上記以外のジャンルでも面白そうだと思った本は読むようにしています。

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