ノーベル文学賞選考委員会は著者のことを「肉体と精神、生ける者と死者の繋がりに対する独特な認識を持っており、詩的かつ実験的な文体で現代散文における革新家となった」と説明したそうだが本当にその通りだ。緻密な情景描写は鮮やかな情景を伝えてくる。吹雪、雪の結晶、鳥、ろうそくの光と影、亡骸を埋めたはずの鳥が室内を美しく飛び周り、済州島四・三事件を語りあうキョンハとインソンは果たして生者か死者か？愛情と追悼をテーマにした芸術作品の展示会場で作品を眺めて歩き、最後は圧倒されて会場を後にした気分。

ノーベル文学賞選考委員会は著者のことを「肉体と精神、生ける者と死者の繋がりに対する独特な認識を持っており、詩的かつ実験的な文体で現代散文における革新家となった」と説明したそうだが本当にその通りだ。緻密な情景描写は鮮やかな情景を伝えてくる。吹雪、雪の結晶、鳥、ろうそくの光と影、亡骸を埋めたはずの鳥が室内を美しく飛び周り、済州島四・三事件を語りあうキョンハとインソンは果たして生者か死者か？愛情と追悼をテーマにした芸術作品の展示会場で作品を眺めて歩き、最後は圧倒されて会場を後にした気分。

この本は、紙質、厚み、大きさ、イラストと文章の割合のセンスの良さが何よりも気に入っていて、文章そのものを咀嚼して真面目に読んで心に染みるというよりは、（多分今私がまだ30歳くらいだったらそれも有ったかも）ただ、ただ、めくって、ぼんやりと文章を読んで、意味より言葉のリズムに身を委ねて、最後まで進むスタイルで、何度も読んでいる。なんとなく淋しい気持ちになったり、温かい気持ちになりたい時開くのが心地良い。だからなのかな？汚したくなくて、扉付きの棚に入れているんだ。開く度いつも新品の美しい本を楽しめるから。