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2025年6月の読書メーターまとめ

manabukimoto
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3515ページ
感想・レビュー
15
ナイス
161ナイス

2025年6月に読んだ本
15

2025年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

manabukimoto
マスコミとネットで芸能生活を断たれた歌手とお笑い芸人。前者は再起不能、後者は自死。そんな彼らをネタに稼いだ芸能記者と、SNSでさんざんに「正しさ」をかざしてきた匿名の奴ら。 ある日、そんな奴ら83名の詳細な個人情報がネットに載る。自分たちがかざした「正しさ」の代償として、今度は「正しさ」を名目で攻撃を受ける。 匿名性という隠れ蓑で、「思い」を垂れ流すことの害悪を知らしめる前半パートと、当事者三人の繋がりが明かされる後半パート。 重厚な社会派小説。 五時間一気読み。面白かった!
が「ナイス!」と言っています。

2025年6月の感想・レビュー一覧
15

manabukimoto
横浜の老舗宝石商の跡取り息子と、彫金師の娘。宝石で繋がる恋愛成就譚。 宝石を「価値」で捉える男と、好きかどうかで捉える女。古来、装飾品として与えるー与えられる関係が固定化された時、おざなりにされていた女性側の視点。それを、彫金師であるクロエが体現し、男たちを翻弄し、ギャフンと言わせ、その品物としての魅力で圧倒させる。痛快でさえある。 宝石を買わない、貰わない、興味ない私からしたら、宝石を与え合う人たちの閉ざされた世界のお伽話に思えた。 一直線の恋の結末、後味、甘すぎ。
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manabukimoto
恵比寿に生まれ、本を愛し、向田邦子を敬愛し、アメリカの大学で学び、国際機関で働いた経歴を持つ、川内さん。 秀逸な題名の由来は広尾小学校時代の破天荒な先生の振る舞いから。愛すべき人に囲まれた日々を愛おしむように綴ったエッセイ。 今月行った恵比寿や岡本太郎美術館、よく行く京都丸善など、繋がりが多く、読みながら思い出散歩をする。 フラクタル、という概念を知る。ありとあらゆる出来事が人生の縮図である。 エレベーターのボタンを全押ししてしまう人を、愛おしむ包容力と優しさと想像力を持ちたい。 素晴らしい随筆。
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manabukimoto
早稲田大学国際文学館にて、巻頭の村上春樹「夏帆」を読む。 デートの後に男から言われた一言「正直言って、君みたいな醜い相手は初めてだ」。失礼極まる男の一言に、咄嗟の行動が出来ない夏帆。純粋な驚きと好奇心が彼女のそこに居続けさす。 好奇心は男女の引き合いの根源的な理由になるのかどうか。 彼女の傷は物語を書くことで癒されていく。 顔への過意識が自己理解と世界理解につながるのか。 不思議な余韻と余白が心地よい小編。
新潮2024年6月号
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タローマンの全てが分かる全人類必読、全家庭必置の入門百科。 「でたらめをやろう」「孤独をつらぬこう」「自分の中に毒をもとう」「マイナスに飛び込もう」「うまくあるな」「きれいであるな」「ここちよくあるな」。これらタローマンと8つのちかいを心に刻む。 おわりに(おとなのみなさんへ)で、「子どもにこのようにインチキな本を与えてくれた奇特な保護者のみなさま」に感謝の辞が。さりげない奥ゆかしさ、そして全編に溢れるベラボーな太郎イズム。 ページを捲るたびに「何だこれは!」の連続。 川崎市岡本太郎美術館蔵書
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家族や社会や世界から、常に引いた場所で自分を生きる主人公アンノの青春譚。 他者から理解されることの心地よさや、他者を理解しようとする親密さを拒絶する。「愛より、痛いほうへ」という題名が表す生き様がかっこいい。 安易な理解を拒み、怒るでも泣くでもなく「割れる」という感情の発露で、周りを遮断する。 そんなアンノの孤高の姿を表す最後の場面が印象的。他人なんて要らない、内声に従って踊り続ける。 面白かった!
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水彩画で東京のホテルを紹介する美しい画集。 アマン東京や、帝国、オークラ、山の上など名だたるホテルか並ぶ中、巻頭は日本橋のK5。カフェ利用しかしたことないけど、まさに「余白を楽しむ」空間を思い出す。 写真でなく、水彩画で描かれることで、それぞれの宿が持つ唯一無二の空気感が湧き立つ読書体験。 部屋食のアマンの朝ごはん、何と魅力的!いつか食べると心に誓う。 旅気分を掻き立てる一冊。マリオット縛りの己を反省する。
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様々な体験を「したいと思えば自由にできる(させてもらえる)子どもたち」と「したいと思ってもできない(させてもらえない)子どもたち」の二分化。家庭の収入が主な要因。 身も蓋もない着地点をデータで検証した本。金があったらやらせる体験でスイミングと音楽が、運動系と文化系の二大格差体験。水泳も器楽も実は学校でできること。放課後にプールや音楽室を開放する、自治体がチューターを雇って指導すればいい。 思うに、体験できない貧困家庭の子供が何をしてるか?ゲーム三昧の子供が底を深くしている気がするのだが。
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マスコミとネットで芸能生活を断たれた歌手とお笑い芸人。前者は再起不能、後者は自死。そんな彼らをネタに稼いだ芸能記者と、SNSでさんざんに「正しさ」をかざしてきた匿名の奴ら。 ある日、そんな奴ら83名の詳細な個人情報がネットに載る。自分たちがかざした「正しさ」の代償として、今度は「正しさ」を名目で攻撃を受ける。 匿名性という隠れ蓑で、「思い」を垂れ流すことの害悪を知らしめる前半パートと、当事者三人の繋がりが明かされる後半パート。 重厚な社会派小説。 五時間一気読み。面白かった!
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旅先、長野で読む。 谷川俊太郎、19歳の時の言葉たち。 『飛行機雲』 荒井由美のひらがなの味わいとは一変、「それは芸術/無限のキャンパスに描く/はかない讃美歌の一節」 『世代』 漢字はだまってて、カタカナはだまっていなくて、ひらがなもだまっていない。カタカナは「幼く明るく叫びをあげ」ひらがなは「しとやかに囁きかける」 巻末には英訳詩、そして直筆のノートが収録されている。その時の端正さ、読みやすさに驚かされる。 彼の言葉が持つ、優しさや親しみが文字に表れているかのよう。 長野 Oddo coffee蔵書
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人生初のJames Joyce。 フランス、ボージェンシーを流れるロワール川。最初に渡る人の命と引き換えに、悪魔に橋を架けてもらおうとする市長。橋は完成したが誰も渡ろうとしない。そこで市長は猫を渡らせる。怒った悪魔は「お前らはネコだ」と罵りながら猫を抱いて去っていく話。 市長、ネコ、橋、川…。何のメタファーなのかあれこれ考えながらページを捲る愉しさ。 松本 栞日蔵書
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恋愛史上主義で人生を送ってきたユミコとタマヨが規範(とされてきた)から外れた新しい関係性を模索する半同棲生活譚。 特に女性にとって「(異性)恋愛」と「結婚」は、無知で無節操で暴力的な社会からの盾になってしまっていることを知る。 「性愛に頼らなくても 結婚に頼らなくても 人を信頼できる」p52 最後にジェンダー理解のある議員に選挙で投票するのを夢想して、話は閉じられる。 個人的な生きづらさを、単なる内省ではなく、政治的な行動に繋げる、深くて力強いフェミニストコミック。 松本 栞日蔵書
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manabukimoto
短編集。 表題作『スノードームの捨て方』。婚約破棄になった女友だちを慰めるための集まり。酔いに任せて公園に出かけ、穴を掘る。彼との想い出がつまったスノードームを捨てて化石にしちゃえと盛り上がる。良き瞬間を閉じ込めたものとしてのスノードームが、悪しきものとなった時の戸惑いとげんなり。 もう一つ、指輪を捨てられずに躊躇している主人公。捨てることを「物語」にしたくないと頑なになっている時に現れる救世主。『川は覚えている』。 不思議な余韻に包まれる。
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manabukimoto
映画鑑賞後に読む。 京を奥平大兼くん、三木を出口夏希さん。思い出しながら読むと、オーサーカット版の映画を体験するような特別な読書ができた。 他者の感情を知ることができる能力を持った五人の高校生たちの学園譚。 映画後に読むと、可視化された他者感情のイメージがすんなり受け入れられる。 そして、終章での宮里さんの、思いやりと達観と寂しさが無いまぜになった独白が心に染みる。「好き」の矢印のない自分を卑下するでもなく、かといってアロマンスにもなれない自分への手紙。 最後の一文字にびっくり。小説はいつも新しい。
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manabukimoto
交番捕物帳。 異色なのは、解決人は警察OGである交番相談員。そして犯人は…。 連作ではなく、6話6交番が事件の舞台。 交番相談員という舐めてた相手が、キレキレの名探偵ばりの推察で、真実に辿り着く。 相談員は同じ警察署管内で、派遣されるとしたら、百目鬼さん界隈、不穏すぎるだろうというツッコミが入らなくはないが、鮮やかな謎解きと、断罪手前の玉虫色解決が、いい話に着地させている。 短編何本かのちに、超難解事件を解く長編を読んでみたくなる。 面白かった!
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manabukimoto
原題は「Uncharted: Big Data as a Lens on Human Culture」。 ビッグデータ(これまでの営みの膨大な蓄積)が、人間の文化のレンズになりうるのでは、という考察。 概念芸術家カレン・ライマーの「伝説に残るような語彙のにぎやかな愛」のエピソードが面白い。ある恋愛小説に出てくる全単語をバラバラにしてアルファベット順に並べる。beautiful は25回、でもintelligentは一回。 不規則動詞の滅び方(残り方)など、興味深く読めた。 立命館大学図書館蔵書
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/03/02(5251日経過)
記録初日
2010/11/09(5364日経過)
読んだ本
1658冊(1日平均0.31冊)
読んだページ
429710ページ(1日平均80ページ)
感想・レビュー
1619件(投稿率97.6%)
本棚
4棚
性別
現住所
大阪府
外部サイト
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