読書メーター KADOKAWA Group

2024年9月の読書メーターまとめ

ぜぶら
読んだ本
36
読んだページ
11213ページ
感想・レビュー
36
ナイス
600ナイス

2024年9月に読んだ本
36

2024年9月のお気に入り登録
2

  • か
  • ナミのママ

2024年9月のお気に入られ登録
2

  • ナミのママ
  • か

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ぜぶら
シリーズ5作目から読んでしまっていたが、1作目からあらためて。面白かった。はみ出し熱血刑事が、猟奇殺人サイコパス犯人を独自捜査で追い詰めていく話、と思いきや、全くそんなこともなく、殺された連中は自業自得、ザマミロとしか感想がない。トリックものでもなく、厳密な意味では警察ものですらない、エンタメ作品。作者がティリーを愛しているのがよくわかる。同時に地元愛も無限大(笑)
ぜぶら
2024/09/26 14:08

『優等生は殺人には向かない』シリーズもそうだけれど、イギリスの司法制度はかなり不備があるのかな…イギリスらしさがすごくするのは、どこかでみんなが階級を意識しているところ。低い階級の人が、アッパー階級のフリをするのを俗っぽいと嫌がる。アメリカ、フランスものにはない描写で、興味深い。

ぜぶら
2024/09/27 08:40

作品とは関係ないが、ストーンサークル文学(?)の傑作といえば、『アウトランダー』シリーズがベスト1なのだが、版権を早川書房に奪われてから、続きが出ず…(憎)石の円形建造物というと『ストーンヘンジ』を想像しがちだが、ロンドンから北には無数にあるらしい。日本でいうと、古墳みたいな感じ。巨大なものを見てから地方で作ったのか、だんだん権力が集中して大きくなっていったのかはわからないが。ピラミッドも同じね。ああ、アウトランダーの続きが読みたい……

が「ナイス!」と言っています。

2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

ぜぶら

本を読めば読むほど、読みたい本が増えていく…残りの人生は積読本を消化するだけにしようと思っていたのに…なぜ?

あねさ~act3 『秋の夜長にガッツリ読めれば良いなぁ』
2024/09/23 13:09

多分死ぬまでに積本を読みきれ無いなぁ。と、今更ながらさとりました🤣

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2024年9月の感想・レビュー一覧
36

ぜぶら
うーん、最後で面白くなったと思ったらぶった切られてしまった…どうも、話の背景がよく理解できない…善、悪がはっきりしないように書かれた「政治色」の強い大人ファンタジーってところか。私としては、前半、マシュウの話だけで終わってしまった「どこからオアレ稲はやってきたのか」をファンタジーミステリ風にしたもののほうを読みたかった…前半、折角の盛大な謎をネタばらしされてしまった感じで少し残念…壮大なファンタジーになりそうなのになーえっと、後半にいきなり出てきたミリアって誰…
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ぜぶら
今は恩田さんの連載(?)しか読んでないスピン(全巻発行されたら他のも読んでいこう)。「そして金魚鉢の溢れ出す午後に、」シリーズに出てくる「女」は、「都」の記憶なのかな。私も学生時代は(今みたいに京都は混雑していなかった)名古屋からは近いので、日帰りで寺社巡りをよくしていた。ぼんやり寺の庭を眺めるのも好きだった。枯山水について調べたりしていたけれど、「宇宙の庭」説は知らないなあ…寺の庭と、貴族の屋敷の庭とは全く違っていてまた面白んだよねえ。庭園巡りしたいけど、人が多い京都には行きたくない…
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ぜぶら
どの特集もめちゃくちゃ気合が入っていて好きな雑誌。今回は、「はにわ特集」なのだが、埴輪の最新知識(?)全然知らなかったわ…昔、「古事記」で読んだことを頭から信じていた私って、どれだけ知識が遅れているんだ…?「エライ人が亡くなった時に陵墓に生き埋めにする殉葬の風習の代わりに、土で作った人形を使うようになった」ってヤツ。この特集でも触れられているように、「火の鳥 古代篇」でもあったぞ…単なる伝説で、おそらくは「結界」だったんだろうって…知らなかった…しかも、埴輪ってこんなにもたくさん種類があるのか…
ぜぶら
2024/09/29 17:56

10月に三重県に行く予定で、松阪市文化財センターのはにわ館に寄って「船形埴輪」を観に行こうと思っているのだけれど、これはもう少し埴輪について勉強してから行かねば。それにしても、古墳時代というのは、3~6世紀。中国で言えば、三国時代なのに、なぜ日本ではまったく文献記録が残っていないんだろう??まさかとは思うけれど、江戸時代に全部燃やしたとか?(各地で古墳が「発見された」という記録はある)渡来人もたくさん来ていたから、「文字」がなかったとは思えないのだが。エジプトなんか紀元前から石碑があるんだぞ…?

ぜぶら
2024/09/29 18:02

金井遺跡群の発掘については、うっすらしか覚えていないので、もう少し詳しいことを調べてみる。よく考えるとこれも「火山」がもたらした災害に取り残された人の記録ってことなんだなあ、と。

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ぜぶら
SNSでおススメされていた。とても好きなタイプの古典ミステリ。解説をお書きの法月綸太郎氏の「純粋な推理の冴えで読ませる安楽椅子探偵の魅力は、やはり短編につきる」というのに全面的に賛成。同時に、自分が古典ものが好きな理由を考えてみると「状況(あるいは背景)次第では、犯人の思考(犯行)に共感できる」(結果:殺人には納得できないとしても)。つまりはそれが、現在の流行の、サイコパスの連続殺人事件もの(プロファイリングつき)が嫌いな理由でもある。私にとっては共感できない人間の犯行ものなど気持ちワルイ。
ぜぶら
2024/09/28 22:53

謎を解くママはどことなく犯人たちへ向ける視線に、厳しさだけではないものが混ざっている、と思う。憐み…とも違う、どこか漂う諦観みたいなもの。それがなぜかと考えると、最後の「ママは憶えている」で明かされるように、ママも夫の家族も、亡命ユダヤ人であるからかもしれない。夫はドイツ系、ママはロシア系ユダヤ人でホロコースト/ポグロムからアメリカへ逃れてきた人々。人間の醜さを知っている世代だからなのかのかも。ママの料理がうまそう。

ぜぶら
2024/09/28 23:33

結婚後も母の家で一緒に食事をする、という習慣から、最初はイタリア系か、中華系の人かと思っていたけれど、ユダヤ系の方なら納得。おそらくこの習慣は現在も健在だと思う。フェイ・ケラーマンの『水の戒律』のシリーズを読むとそれがすごくよくわかる。”わたし”は単純な「マザコン」というわけではないのだ…シャーリィ―もそれがわかっているんだろうとは思うけれど、若い人なんだろうね。

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ぜぶら
本棚にあるのに、気が付かずに2冊目を買ってしまうことってありませんか…ということで再読。東海地方に長年住んでいる人には同意してもらえると思うが、「次に大災害がくるなら東海圏である」と40年近くを過ごしてきた(高校時代の友人はだから海外へ移住してしまった)。日本各地である災害に対しては他人事ではなく、いつも「次はここだ」と常に思うのはそのためである。とはいえ、私も小学校の時には、この本のまえがきにあるように、「日本の火山は、活火山、休火山、死火山がある」と習ってきたので、御嶽山の噴火には心底びっくりした。
ぜぶら
2024/09/28 09:17

御嶽山は私の祖父母が大好きな山で、たびたび登山に連れていかれた山であった。いまもまだ見つからない方がいると聞き、胸を痛めている。早くみんながご家族のもとに還ることができますように。小学校の頃に、ダイジェスト版で「ポンペイ最後の日」を読んでから、いつかポンペイに行ってみたいと思っていた。念願かなって行くことができたが、ツアーでいくと滞在時間が2時間しかないので…全然観たいところが見えなかったので、死ぬ前にもう一度行くことできるなら、1泊2日くらいで行きたい。この本の中では、噴火の時期について齟齬があるが、

ぜぶら
2024/09/28 09:21

現在は、噴火は知られているよりも半年ずれていた、というのが定説になっている。「過去」は研究によって新しくなるのである。同時に、この本でもちらりと触れられているように、東日本大震災以来、貞観地震について詳しく調査されてるようになった。日本という国は、自然災害なしでは暮らすことができない国なので、地層や地下に残っている跡を調べることで「防災」ができるのであれば、国はそちらにカネをかけて欲しいものだとつくづく思う。この本の題名は、「歴史を変えた火山噴火」であるが、本質、「歴史を”つくった”火山噴火」であろう。

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ぜぶら
うーん…200Pまで読んでなんの進展もないので途中でやめようと思ったけれど、300Pからはまあ面白かった。最初の場面がなければもう100Pは読まなかったかも…犯人が「サイコパスである」という前提で話が進み、それを疑うことは許されていないのでちょっと戸惑った。話としては面白いけれど、1作目でも感じたように「司法制度」を全く信じていない(少なくともそれによる解決はない)とする描写が考えさせられる。続きは読むかどうか…
ぜぶら
2024/09/27 15:49

よくはわからんが、犯人さん、そうまでして得たかったものってなんだろう?みんなに注目してもらうこと?刑期をおとなしく勤めあげてから、「刑務所の中で考えたレシピ本」とか書いたほうがよっぽど有名になった気もするが…5巻で主役のエステル・ドイルが初出だけれど、天才の書き方が定型的なのが気になるかな…天才さんの95%の人は常識人ですし、すごーく人に気を使う人たちですよ…

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ぜぶら
シリーズ5作目から読んでしまっていたが、1作目からあらためて。面白かった。はみ出し熱血刑事が、猟奇殺人サイコパス犯人を独自捜査で追い詰めていく話、と思いきや、全くそんなこともなく、殺された連中は自業自得、ザマミロとしか感想がない。トリックものでもなく、厳密な意味では警察ものですらない、エンタメ作品。作者がティリーを愛しているのがよくわかる。同時に地元愛も無限大(笑)
ぜぶら
2024/09/26 14:08

『優等生は殺人には向かない』シリーズもそうだけれど、イギリスの司法制度はかなり不備があるのかな…イギリスらしさがすごくするのは、どこかでみんなが階級を意識しているところ。低い階級の人が、アッパー階級のフリをするのを俗っぽいと嫌がる。アメリカ、フランスものにはない描写で、興味深い。

ぜぶら
2024/09/27 08:40

作品とは関係ないが、ストーンサークル文学(?)の傑作といえば、『アウトランダー』シリーズがベスト1なのだが、版権を早川書房に奪われてから、続きが出ず…(憎)石の円形建造物というと『ストーンヘンジ』を想像しがちだが、ロンドンから北には無数にあるらしい。日本でいうと、古墳みたいな感じ。巨大なものを見てから地方で作ったのか、だんだん権力が集中して大きくなっていったのかはわからないが。ピラミッドも同じね。ああ、アウトランダーの続きが読みたい……

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ぜぶら
誰からだったか失念したが、おススメされていてしばらく積読していた本。『近代日本の地下水脈Ⅰ(文春新書』でなるほどと思ったのが、「暴力によって成立した体制は、暴力によってしか守ることができない」ということ。『大政奉還』によって、緩やかに政権移譲がなされたようにいい加減な歴史を教えられているが、会津の人たちにとってはとんでもないことだろう。いつしか朝敵と呼ばれ、薩長土肥が攻めてきたのだから。実のところここの歴史の流れも未だによくわからないのだけれど、少なくとも会津の人の思い、というのがよくわかった。
ぜぶら
2024/09/22 20:44

同じように、たくさんの女性たちが自刃したし、白虎隊というのは16~17歳からなる隊である(ほかの三神の隊もあった)。柴五郎氏のお兄さんもここに編入されていたが、病気のために仰臥していて生き延びたらしい。柴五郎氏は一人、血脈を繋ぐためよそにやられていたという。この戦いで「生き延びて」しまった男たちは皆、魂が抜けてしまったようになってしまったというのは分かる気もするが、亡くなった女性たちも、男たちを支えて行かなければならない女性たちも気の毒すぎる。会津藩のものたちは斗南や北海道でさらに苦しむことになる。

ぜぶら
2024/09/22 20:53

柴五郎氏が、軍人になったのは、別に「武士の血脈のために」というわけではく、「生きるためであった」というのがまた…西南戦争にたくさんの会津人たちが兵の志願をしたと書かれていて、そりゃそうだようなあ、とも思う。柴五郎氏にしてみれば「西郷隆盛も、大久保利通も退治できた」と溜飲が下がったことだろう。ここにやはり、「暴力を受けたもの」が抱く本心があると思う。どう考えても…日本という国は「明治維新」から間違ってしまったんじゃないか、という気がすごくする。

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ぜぶら
近代に起こったことはわかっても、「なぜ」起こったのかが未だにわからない…学校の歴史の授業でも、もっとも入試にでやすい、近代~現代の授業をすることを先生たちは嫌がって、結局暗記で乗り切った。要するに、評価の定まらない「近現代史」というのは歴史ではないのだろう。なぜなら、「現代」の政治に大きくかかわるからである。隣の国を見ていてもよくわかることだが。だから現代史を扱う本を読む時は「それだけ」にならないように注意している。この本で非常に面白いと思ったのは、『戦争が「営利事業」であった日本型資本主義』という項目。
ぜぶら
2024/09/22 11:36

対外戦争に勝ことによって賠償金で儲けようと、兵隊はタダで使える駒で、国民は戦争のために協力をするのが当然と信じられるのは、やはりそれまで戦争したことがないからか…?トップがどこかの藩のお貴族様だったから?アホとしか言いようがない。ちなみに今の自民党はまったく同じことを考えている気がする。

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ぜぶら
戦前の写真のカラフルさに驚く。対して、同じようにカラーのはずの戦中、戦後の写真の色彩のなさ。これは記憶で「これは確か緑だった、黄色だった」という記憶をもとにAIでカラーリングをしたものだからだろう。戦前の記憶はよりカラフルに、戦争、戦後のものはどれだけ記憶を探っても「色」なぞ出てこないのだと思う。それがAI写真の限界であり、また人の記憶の「確かさ」を示すものだと思う。いまはフィルムの光を分析して「本物の」色を付ける技術もあるらしいので、それで「修正」するとまた違うのかも。
ぜぶら
2024/09/22 09:43

それにしても戦前の人々の顔の明るさ、そして「記憶」のカラフルさ。これは、『窓ぎわのトットちゃん』のアニメ版がとても上手に再現していると思う。トットちゃんの記憶の中の美しい戦前の東京、だんだんモノクロかかってくる戦中。そして、疎開に赴いた中で目の中に入ってくる「光の色」。色の記憶というのが、人の感情にとても関係にしているというのが改めてわかる貴重な書。

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ぜぶら
長屋王の屋敷跡から大量に発見された木簡の写真を見ると、つい最近に書かれたようなつやつやの墨蹟にびっくりする。木という腐敗しやすい材料なのになぜなのだろう…と思っていたのだけれど、同時代の木簡は膨大に出土しているのだという。水の中や土の中に埋没して空気や細菌に触れることがなかったら、木というのは千年単位で保存されるのだ。しかし、研究所の先生たちにとってはおそらくここからが「地獄」に違いない。発掘されるということは空気に触れるということでその瞬間から腐敗が始まる。洗浄して、選別して、防腐処理をするまで。
ぜぶら
2024/09/21 09:34

発掘した木簡は、(防腐剤入りの)水につけて保管するのだという。放っておけば水分は蒸発するので、適宜加えながら…木簡は、荷札のようにはっきりと書かれているのよりも、むしろ削りカス(一度使用した木簡は表面を削って新しい字を書きこんだ)がはるかに多く、それを様々な方法でつないでいくというのがすごい。おそらくこれからも新しいことがわかるんだろう。それにしても律令時代における租、調、庸は、かなり厳しいものであったのではないか、という気がする。都に自力で運んでいかなければならない、ところかすでに。

ぜぶら
2024/09/21 09:43

律令時代には都に集まったものを地位によって再分配していたが、都に運ぶのではなく賄賂的なものとして貴族にもたらされるようになり、ものを提供された貴族たちが自分たちの息のかかったものたちに再分配する、というのが、道長あたりの時代だったのではないか。だから、木簡というものは平安時代にはほとんど出土しなくなるのではないか、と。もっとも平安京はあまりにも火事が多いからそのせいかもしれないけれど…いろいろ興味深くて面白い。

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ぜぶら
立てつづけに同僚の祖父母に当たる方たちが亡くなられて、ふと「死ぬとは」と考える。同僚たちは「まあ、いい歳でしたからねえ…悲しいといえば悲しいですけれど良かったねって感じが強いです」と。確かに「寿命で」亡くなるのは理想だろう。医学の発達で、長寿を手に入れたのは確かだろうが、一定条件を満たせば割と長生きできるのではないか、と最近思う。大河ドラマのお陰で摂関時代の貴族や天皇たちの寿命を見る機会があったのだが、道長の妻、倫子は87歳、娘彰子も87歳、寛子は92歳。道長もなんだかんだいって62まで生きている。
ぜぶら
2024/09/20 18:35

息子の頼通も83歳、教通も80歳。そうそう、藤原実資なんて90歳ですな。片や、天皇たちの寿命の短さよ。円融天皇は33歳、一条天皇は32歳、花山天皇41歳、三条天皇も42歳…明らかにストレスだよね…あとは、疫病の流行がなかったこと。いいもの食べて、ストレスが少なくて、疫病がなかったら、長生きできるんじゃないかと思ったり。それにしても、この時代の人達は「死」をどうやって考えていたんだろう、とふと不思議になる。この後もさらにあの世でも生きたいって思うんだろうか…?

ぜぶら
2024/09/20 18:41

この本の中では短歌や俳句、詩がたくさん取り上げられているのだけれど、ほとんどが現代のものなので、古代で長生きの連中の歌なんかも検討してくれると面白かったかも。著者は「死後の世界を信じない」とのこと。私は「死後の世界」は生きている人間の脳の中に存在しているんじゃないかな、と思う。信じたい人まで否定はしないし、そう「感じる」人がいてもいいんじゃないか、と。生物学的、細胞学的には、生命は不滅であると最近証明されつつあるので。なので、生命は循環する、というのは確かだと思います。はい。

が「ナイス!」と言っています。
ぜぶら
すんません、六つの難事件のうち三つを読んだ時点でギブアップ…民族、宗教的な偏見も強く、事件もよくわからんので、読んでいるのが苦痛だった…ボルヘスは嫌いじゃなんだけれど…あ、でも「ゴリアドキンの夜」はまあまあ面白かった。しかし、もう少し丁寧に書いてくれればロマンティックミステリになるんだが…
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ぜぶら
ネタバレクリスティものをゆっくり読んでいきたいのだが、順番に読むと挫折するので、『アガサ・クリスティー完全攻略』(早川書房)を元に、星の多いものから読むことにする。これは星五つ(未読は許さん。走って買ってこい)なので、走って買ってきた(笑)で、読んだんだが…え~傑作か…?犯人は確かに意外だったけれど、心理学ってこんな単純なものじゃない気がしますが…最後のとってつけた家族団欒に、なんなのそれ…って思ってしまったので、私には合わなかったようですな。ペトラには行きたいが。
が「ナイス!」と言っています。
ぜぶら
恩田さんお得意の舞台風の群像劇を見ているようで面白かった。クローズドSFミステリ(笑)かな。聖書の中でも取りわけ寓話度の高いのが、「バベルの塔」の物語だと思う(それ以外は他の神話や民話、考古学的に裏付けがあることが多い)。かつて人は「共通言語」を話していたが、天へ近づくための塔を作るという行いが神の怒り触れ、人々はバラバラの言語を話すようになり、意思疎通ができなくなったために世界へと散っていた…そこでいつも思うのは、人とのコミュニケーションとは果たして、「言語」に限るものなんだろうか、ということ。
ぜぶら
2024/09/18 21:22

対して、「人間以外」であったキャスリンは、完全に言語が通じていても本当の意味でコミュニケーションできているかは不明である。「人間」に似せているが故に、「違い」を意識してしまうのではないか。人間と動物、人間と「人間以外」のコミュニケーションは実のところ、「人間」が相手に自分たちと同じような「人間性」を見出すことでしか成り立たないのではないか、という気もする。となれば、人間が相手とコミュニケーションできていると「感じられる」のは、相手が、人間らしい感情を持つ、”「人間」に”限りなく近いもの”である必要がある。

ぜぶら
2024/09/18 21:32

この作品の中で私にとってもっとも興味深いのは、三隅渓だが、彼女が考えるようにもし、キャスリンを同僚として医療現場で働かせるとしたら、かなり怖いかな…人間相手の医療従事者は、相手が「自分と同じ人間だ」と強烈に感じながら働いている。力が及ばないことがあったりすると、とても悔しいし、哀しい。そして、同僚も同じように感じている、と思えるので、お互いに「次はなんとかしよう」と思うわけで…そんな中にキャスリンがいたら…と想像するとちょっと怖いな、と思うのは私だけかな…

が「ナイス!」と言っています。
ぜぶら
確かに読んだはずだが、全然結末を覚えていない…久しぶりの恩田さん。恩田さんのジャンルは、SFミステリだと思っているのだが、まさにそのもの。テイストは恩田さんがお好きな、フィニイだよねえ。私は、SFは、70年代から80年代の今や古典ものが好きで、90年代以降のナノテクSF、00年以降のサイバーパンクSFは読んでない。「ロボット」というものに郷愁を感じてしまうので、改めて古きSFが好きなんだなあ、と実感してしまった。AIが発達した現在、「ロボット」にAI知能を乗せるのではなく、バーチャルに進んでしまった。
ぜぶら
2024/09/17 22:40

故人や、歴史人物の肖像をバーチャル映像で動かしてAIに喋らせるというのが出てきているようだが、とても醜悪だと思う。それよりも、「ロボット」という別ものを作って、そこに個性やら、魂やら、思考やらを「感じ」させるSFの方が好きだな。高性能キャサリンとその仲間たち(笑)はどうなるか。下巻へGO!

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ぜぶら
通読ではなく、歴史講義の時や、歴史物や伝統芸能の元ネタを確認するときに使っている本。今週の土曜日に、地元のお城で薪能が上演される。開催が数年ぶりなのでぜひとも行きたいと思っている。演目は「紅葉狩」。以前、「紅葉狩」を観た時は、知識が足りな過ぎて鬼の側、紅葉伝説(「鬼無里伝説」)からの背景しかわからなかった。が、今年は倉本一宏先生の『平氏』(中公新書)のお陰で(笑)、余五将軍惟茂についても調べることができた。惟茂は平貞盛(平将門の乱関係者)の弟、繁盛の子、兼忠の子。十五男(余五)として貞盛の養子となった。
ぜぶら
2024/09/16 18:06

史実では維茂の名はなく、惟良と同一人物とされるらしい。かなり無茶苦茶な、いかにも「坂東もの」。勝手に兵乱をおこし、公の館を焼き討ちしたにも関わらず、許され、最後には鎮守将軍にまでなって、「畳の上で往生」することができたのは、道長との太いパイプ(多額の貢物)があったため。「今昔物語」では巻第25巻の第四、第五話にかなり長いエピソードがある。ところで、この第五話、藤原諸任に屋敷を襲われた時に逃げ出したエピソード、既視感があるな、と思ったら『炎立つ』で秀衡が逃げたエピソードそのものだった。ここが元ネタなのかな…

ぜぶら
2024/09/16 18:14

『今昔物語』の惟茂は見事に親の仇討ちをした男に理解を示さず、自分のメンツのことばかりを考えているし、相手を侮る猪突猛進的な男に書かれていて、『紅葉狩』で神の加護を受けて鬼を退治するって話になっているのはなんでなんだろう…?まあ、やっぱりこれも、政権寄りの人間は何をやっても許されるってことなんだろうな。この謡曲はやはりなんとなく、中央政府に殺されていった声なき人達を代弁しているような気もする。どうか、薪能は晴れてくれますように!

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ぜぶら
ネタバレ今日はクリスティの誕生日。何か作品を読みたいと思ってこれを選ぶ。通好みの作品と千街昌之氏がおっしゃるのも納得。ううむ、絶対に、アンジェラが犯人だと思っていたが、そ、そうか…鮮やかな伏線に脱帽。ただし、犯人だとわかっても、何人かの登場人物たちが言っていることに共感する。「若いとはかわいそうだ」と。私は自分の若い時はあまり好きではなかった。今が最高というわけではないが、若い時より「マシ」だと思う。SNSの若い人の発言を見ても同じことを思う。無防備で、冷酷で、自分たちもまた年を取ることに思い至ることがない。
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ぜぶら
今月は五味文彦先生のご本の刊行が多く、その1冊。最近、朝日文化センターで聴講した西山克氏による『安義橋の鬼:橋の物語』がとても面白く、「日本人とっての橋とはなんぞや」を知りたくて手にとったが…すこし系統が違っていた。文化精神面的なことが知りたかったが、この本はあくまでも古来から有名な「橋」の時代的な変遷が書かれている。「安義橋の鬼」は当然のことながら『今昔物語』のお話であるが、よく考えるとこの時代から橋が同じところに架かっているっていうのもちょっとすごいね…
ぜぶら
2024/09/15 12:13

中世ヨーロッパにおいては、橋の管理はその国の領主が行うものだったし、城壁に 囲まれていたので、戦争はもっぱら城壁戦。橋は城内で渡るものであったので、外部から来た商人は通行税を取られた。日本ではあまり通行税を取られた…って話は聞かない(川を渡るために舟に払う通行税はあっても)が、実際どうだったんだろう。政府が橋を管理=何かあったらすぐに通行禁止、つまりは関所と同じだったんだろうな、と思うが…

ぜぶら
2024/09/15 12:16

「橋」があの世とこの世を繋ぐ、という思想、とても日本的だと思うが(ヨーロッパはあの世:天国と地上を繋ぐのは”梯子”)、なんでこうなったんだろう、ということが知りたかったが、それについては書かれていなかった。ので、別の本を読むことにする。

が「ナイス!」と言っています。
ぜぶら
「中国の歴史」の陳舜臣さんがミステリを書いているなんて初めて知った…正直「くたびれた縄」「ひきずった縄」「縄の繃帯」(「縄」シリーズ(笑))は、使い古したネタだな…と思ったけれど、「崩れた直線」はなかなか良かったし、「軌跡の消えず」「王直の財宝」は真骨頂であると思う。そして、最後の特別収録である「幻の百花双瞳」は素晴らしかった。史実を元にしたミステリというのが大好きで、日中戦争前後の日本を知る陳さんならではものだと思う。恥ずかしながら、王直については初めて知った。倭寇が「中国沿岸を荒らしていた」理由も。
ぜぶら
2024/09/14 23:07

他の推理小説も読んでみます…

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ぜぶら
吉村昭氏の淡々とした文章がとてつもなく恐ろしい。『ゴールデン・カムイ』を全巻読んだが、あの漫画の「主役」の一人(?)は間違いなく熊だろう。アイヌの人たちが熊をいかに神聖視し、対峙しているのかをうまく描いてあった。「自然と共存」というのは生半可なことではない。アイヌの人たちが「北海道」へ入植してきた内地人たちに対して、自然に対峙する覚悟がないなら来るなと思っていたとしても驚かない。自然の前での人間の命のあっけなさ。一人の「人間」として技術や知識を使うことができるもののみ生きることができる。銀四郎のように。
ぜぶら
2024/09/14 16:46

近年、本州でも、熊による被害が増えている。「被害」といったが、熊にしてみちゃ、餌がないのは「人間による被害」だろうな、とも思いつつ。でもやっぱり、街なかで熊に遭遇したくはない…

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ぜぶら
https://artexhibition.jp/topics/news/20240814-AEJ2242879/  この展覧会に行きたかったのだけれど、なんだかんだで行けず、9月28日からの後期日程の再開でなんとかいければなあ、と思っているところ。しかし、「ムレイハ」って聞いたことがない。現在のUAEシャル―ジャ首長国で、古代オマーン王国のことかもしれない?…どうやら、かつて豊かな文明国がひしめいていた古代オリエントの中の一つらしいが、サウジアラビアあたりの文明って何にも知らないのであった…
ぜぶら
2024/09/13 16:47

『古代アメリカ文明』(講談社現代新書)によれば、「世界四大文明」という言葉は学説でもなんでもなくて、山川出版社の高校教科書で勝手に使われた呼称に過ぎないという。文明は別に大河のほとりだけに生まれるわけでないのだ。ペルシア湾、つまりオマーン半島には「マガン」という地が栄えたのだという。ここは銅の産地で、鉄器時代前にメソポタミア、インダス文明を繋ぐ要衝地としてハフィート期、ウンム・アン=ナール期、ワーディー・スーク期と栄えた。ムレイハはワーディ―・スーク期後の前300年から後300年に繁栄し、突然消えたのだ。

ぜぶら
2024/09/13 16:47

実はイランにもエラム以外の文明が栄えていたことも初めて知った。ジーロフト文明と呼ばれ、ここもムレイハとつながりがあるのでは、と言われているようだ。残念なことに、中東は西欧によって蹂躙されて以来、戦闘が落ち着くことがない。もしかすると、現代文明よりも進歩的だったんではないか、と常々思っている古代文明の発掘調査が自由にできるようになってほしいものである。

が「ナイス!」と言っています。
ぜぶら
4月からずっと聴講していた関幸彦先生の『奥州の中世』が、ようやく奥州合戦へ。この頼朝の奥州合戦について詳しく記すのは『吾妻鏡』しかない。長らくこれが「史実」であると思われていたけれど、今年7月に中公新書から出版された、藪本勝治氏の『吾妻鏡』は、中世研究者の諸先生方から大きな驚きをもって迎えられた。鎌倉幕府の正史と考えられていた『吾妻鏡』の虚実を詳細に記述しているからだ。昨年平泉を訪れたとき、もはや礎石しか残っていない毛越寺跡の説明版には『吾妻鏡』からの抜粋がたくさんあった。
ぜぶら
2024/09/13 12:36

歴史にifはないとわかっていても、もし義経と奥州軍が一致団結して戦っていたら、どうなっていたかな(もっとも義経が生きていたら頼朝は攻めてこなかったかも)と考えてしまう。阿津賀志山がターニングポイントなのでここをがっちり守るべきか。いやそうすると北陸軍に回り込まれるし。そうやって考えると、鎌倉軍、かなり戦略を考えてきている…やはり泰衡の対応ミスって気がしてしまう…高橋克彦氏の『炎立つ』の泰衡も好きなんだけれどね。

ぜぶら
2024/09/13 18:08

ちなみに今、鎌倉幕府成立は「1192年でなくて1185年」って話になっているらしいけれど、これも怪しいと思う。1189年でようやく奥州合戦後の戦後処理が完了して、1190年から建久元年が始まるので、おそらく世間的にここで平安末期からの動乱が一段落、という気持ちだったと思う。「幕府」というのをどのように定義するかは専門的でよくわからないけれど、1185年かどうかはこれから十分に変わりうると思う。

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ぜぶら
ネタバレ「勝訴した場合にのみ高額報酬を受け取り、敗訴した時には何もいただかない。医者もこのようにするべき」というエイレングラフ弁護士。しかし、先生、実はこういう医者はいるんですよ、ブラックジャックっていうんですけれどね。で、エイレングラフ先生はさしあたり、キリコってところですかね…有罪にみえて実は無罪な依頼者を証明する安楽椅子弁護士かと思ったら、ほぼ全員有罪だった(笑)男の依頼人は割と素直だけど、女はみんな筋金入りなところがなんとも…最後はカネよりも女になっているエイレングラフ先生でした。後半は仕事がちょっと雑?
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ぜぶら
大河ドラマブームにあやかってか、今年は「平安時代」をクローズアップした本や、市民講座が多い。私が愛用している朝日カルチャーセンターでもたくさんの講座があるが、その中でも平安時代を俯瞰的に講義して下さるのが、繁田信一先生である。この本は残念ながら絶版になっていたのだが、古本屋でなんとか手に入れることができた。読み終えての一番の感想は「天皇もまた人の子であるなあ」ということ。他の講座でもそうだが、いわゆる「源氏物語」年代を知るのに先生方が資料にされるのは、藤原実資の『小右記』である。
ぜぶら
2024/09/12 09:28

仮に歴史書を作っていたとしても、藤原の息がかかった人間が編集するのであろうからつくっても仕方がなかっただろう。こつこつと書かれた『小右記』が残っているお陰で、当時に自分の日記を残している貴族たちや道長本人の「嘘」があぶりだされて皮肉な気がする。繁田氏は道長のことを「希代の奸臣」と書き、「王朝時代は、天皇の時代ではなく、奸臣たちの時代であった」と言う。この時代の本は、どうしても藤原氏中心で書かれていることが多いが、この本は、「人間」天皇を書いてくれていてなかなか興味深かった。

ぜぶら
2024/09/12 09:28

円融天皇(一条天皇の父)の葛藤がかわいそうに思える…が、一条天皇もかなりイヤなヤツではある。『枕草紙』が醜いところはすべてカットして、「をかし」ことのみを追求したのはなんだかわかる気がする…清少納言ほど聡い人なら、宮中の色々なこと嫌なこともわかっていただろうし…今年の大河ドラマは史実からどれくらい改変されているかわからないけれど(まあ、フィクションなので仕方ない)、「当時の人たちは本当はどう思っていたんだろう?」と興味を持ってくれる人が一人でも多くなることを望む。

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ぜぶら
「懐石料理」ってなんであんなにちょっぴりしか出ないだろう…?って思っていたんだけれど、「本膳料理」(武士の祝い膳。食べきれないほどの料理を形式通りに並べる)とは逆の食べきれるだけの料理って意味なのか!知らなかった…この時代の食事はうちの毎日の食事よりも栄養価が高そうだわ…興味があるのは、宿ごとの名物料理なのね。ときどき東海道や中山道の宿場に行くことがあるのだけれど、観光用に当時の食事を再現して出してくれるところが最近多いのだ。この本だと、袋井宿の「たまごふわふわ」がめちゃくちゃ美味しそう!
ぜぶら
2024/09/10 22:33

中山道は別名「姫街道」とも呼ばれていて、大名の姫様の輿入れ道中がよく通った道。姫様が止まった宿場では当時の献立も残されていて、それを再現してくれるところもある。江戸時代というのは、「とにかく栄養を取ること」が目的の食事から、「楽しむため」の食事を庶民も取れるようになった時代ともいえる。日本は他の国くらべて食事に対するこだわりが強いほうだと思うのだけれど、江戸の習慣からきているのだろうな、とは思う。戦争さえなければもっと豊かだっただろうね。

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ぜぶら
今年の大河ドラマは観ていないのだが、歴史監修が素晴らしいとは聞く。衣服や調度などにすごくカネをかけていると来ているが、食事の風景とかもしっかり映像化されているんだろうか…なんとなく、平安時代の貴族の食事はあまりうまそうじゃないけれど、鎌倉時代のご飯はザ・健康食って感じで週1回はこんな感じでもいいかも。20代、30代は西洋食が好きで、バターぎらぎらの肉食を食べても胃もたれすることなく、翌日も平気だったけれど、年を取ると油たっぷりの肉食よりも魚食がいいんであるよ…
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ぜぶら
『悲劇の宰相・長屋王邸を掘る』(山川出版社)で長屋王の超グルメご飯を再現していらっしゃった永山久夫氏が監修されているということで現代までの全3巻を通読。再現食の写真がレシピ付きで載っていて素晴らしい。日本はもともと海で囲まれているし、気候を四季があって温暖。自然も豊かであり、縄文時代でも十分に生活できるのにかかわらず、大陸からの稲作を受け入れたというのはどういう理由があったのかとふと思う。そんなことを思ったのは、今日読んだ上橋菜穂子さんのファンタジー小説『香君』を読んだから。
ぜぶら
2024/09/10 22:09

この話、稲をモデルにした「超スーパー食材(オアレ稲)」を提供することによって周囲の国を支配した帝国と、それを受け入れを拒否したために国民を飢餓に陥れたと、王位を追われることになった王族の末裔の少女が主人公。そのオアレ稲の製法も、肥料も帝国が握っている…というストーリーだが、よく考えるとこれ、日本の初期でも起こったことなのかも。そして、「米」作によって村から国へ、そして身分制度の差ができ、歴史を作っていったと考えると…

ぜぶら
2024/09/10 22:13

現在では律令時代につくられた租庸調はかなり初期の段階から守れなくなってしまっていたと考えられているようだけれど、少なくとも9世紀前後までは、近畿の人が秋田くんだりまでいって、蝦夷との闘いに駆り出されていたという記録があるのだから、その粋を集めた長屋王のごちそうもうまそうだけれど、ちょっと複雑な気持ちもする。私の先祖は間違いなく、グルメ食は食えなかっただろうからな…

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ぜぶら
うーん…どちらかというと大人向けのファンタジーかな…実は著者の本は初読(「狐笛のかなたに」は読んだかもしれんが、覚えていない)。著者の守リ人シリーズはトライしたけれど結局読めなかった。私が大好きなファンタジー作家さんは、荻原規子さんと小野不由美さん。両者とも異世界構築が上手で、詩的な描写が素晴らしい。この著者はファンタジーとはいえ、文章が説明調で、読んでいるとファンタジー気分がやや減じるところが田中芳樹氏のアルスラーンに近いかも。とはいえ、世界観は面白い。しかし、長いな(笑)
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ぜぶら
ネタバレいや~面白かった。一気読み。いままで読んだコージ―ミステリの中で一番かも。コージーミステリってより、コージーサスペンスやね。コージーを愛してはいるのだけれど、ぶっちゃけ未婚でカネがない女性が、頭や勘がよいお陰で「誰か」が救ってくるという話なわけで。相手はハンサムな公爵とか、伯爵とか、…ミステリ的には面白くても、「女」であるが故に話の中心は恋愛ってことになる。ところが、この話、自分の境遇を救うためには「男になってしまえばいいんだわ」…ドキドキしながらも話は進む。ちゃんと恋愛があってびっくり(笑)
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ぜぶら
ネタバレクリスティファンによるクリスティファンのためのミステリ。雪に閉ざされた書店で『シタフォードの秘密』で読書会を開こうとしていた読書仲間のところへある男がやってくる。その男は『春にして君を離れ』の初版本を持っていた。その男が不可解な状況で殺されて…という粗筋であるが、クリスティファンだと犯人が登場した段階でわかってしまうという(笑)トリックには関係ないけれど、あまりにもあからさまに人物を造形しているのはわざとなんのかな?どちらかというと、クリスティ作品の紹介に気合が入っていましたね。
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ぜぶら
わー面白かった。犯人はまさかね…?って思っていたけれど、最後までhowもwhyもわからんかった…エミリーがすごい魅力的に書かれているし、最後の選択も示唆に富む(笑)これよく考えると『春にして君をはなれ』のジョーンの成功バージョンなんですね。「自立した女」は相手を”選択”することができるし、自分の人生に相手をつき合わせることができるからね。ご老人女性陣がすごく魅力的とはいえ、こういう田舎には暮らしたくはない(笑)
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ぜぶら
ネタバレ実は初読。エラリー・クイーンは、かつて悲劇シリーズを読もうとして挫折したので避けていたんですが…ミステリ好きの友人から、「え、読んでないの?いいなあ、私も記憶を失ってからもう一度読みたい」と言われたのは中学生の時だったから、そこからずいぶん経ったな(笑)それにしても、この話、わりと早めに犯人は推測がつきますよね?でも、そこからどんどん話が広がるのでWHYとHOWを楽しむ話なんだな、と思いました。ただ、いかにもザ・アメリカっていう「理由」がちょっと気分が悪かった…父ちゃんと息子が仲がいいのが可愛いね。
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ぜぶら
大変に興味深かった。長屋王邸から木簡がたくさん出土した、ということはよく知られているが、邸宅敷地内の館の配置などがこれほど詳しく書かれているのはなかなかないのではないか。これを読んでふと思ったのは、もしかすると「長屋王の変」のターゲットは実は長屋王自身ではなく、その妃である吉備内親王であったのではないか、ということ。もっとも講演で豊田有桓氏が述べておられるような元正天皇の妹への嫉妬、とかそんなものではなく、草薙、文武と早死にした家系での聖武天皇もまた早死にしたら、次の中継ぎ女帝として立つ可能性があるから。
ぜぶら
2024/09/05 10:26

そこで思い出すのが、聖武天皇の母、宮子を「治療した」という善珠の話。これは倉本一宏先生の『平安貴族列伝』(ワニブックス)にも取り上げられているが、長らく気鬱であった宮子を善珠が「見た」ら、気鬱が治って聖武天皇は37歳にして初めて母と面会した、という記事。それに対して宮中では善珠と宮子が密通していたという噂が流れたらしい。これにしても、「治療」が左道=邪道である、という認識が当時の人の心にはあったんだろう、と思われる。それにしても、子孫の道長が陰陽道で政治をするようになるっていうのもシュールねえ…

ぜぶら
2024/09/05 10:36

永山久夫氏による、再現食膳写真が気合が入っていて素晴らしい。そして美しい。レシピも本文中に書かれているので作ってみたい気もするが、牛乳1Lを半日かけて煮詰める気力はないな…再現食をどこかで食べさせてくれんかな。江刺の「藤原の郷」ならできそうな気がする。うまいアワビ食べたい…『懐風藻』を読んだことがなかったんで読みたい。漢文だとは知らなかったが、よく考えたら、万葉集も和歌以外の地文は漢文だよね…考古学でわかることがあるのと、律令国家の時代は資料がしっかり残っているので、楽しいですねえ。

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ぜぶら
厳密な意味では違うのだが、本を再読するというのはデジャヴュの体験そのものある、と私は思う。確かに読んだはずなのに、その結末も、登場人物のセリフも、物語の背景も覚えていない時は特に。この本は再読である。でも全く覚えていなかった。読んでいる途中で、しきりと「この物語を確かに経験した」という感覚を”思い出した”のだが、第五章の終わりまで読んで「あれ?こんなあっさりした話だっけ?」と少し不満に思いながら、エピローグを読んだら…「ああ、そうだ、これ、この”感覚”だったんだ」と満足した。やはり恩田陸さんであった。
ぜぶら
2024/09/03 19:22

そうそう、あの「ペン回し」。私はどうやってもできなかったなあ…でもクラスのほとんどの子ができてた。今の子たちはタブレットを使うのが主体だからできないだろうなあ。「ペン回し」文化で年齢がばれる(笑)生まれ変わり…っていうのは怖い罰としか思えないですねえ…人間界にもう一回戻ってこないといけないってことは成仏できないんですよ…死んだら世界消滅までどっかで眠らせて欲しいです、はい。

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ぜぶら
先日、中津川宿の中山道歴史資料館に行ったときに、天狗党についての陳列が多く、鎧の片袖や、揮毫などもあり、また島崎藤村の「夜明け前」を読むと、中津川宿の人達が彼等天狗党を暖かくもてなした理由がわかる…云々と書いてあったのだが、はっきりいってちんぷんかんぷんだったのだ。以前に鵜沼宿の資料館でも天狗党についての記載があり、そのままにしていたことを思い出し、「天狗党」って…?と読んだのであった。読みにくいかと思いきや、さすがの吉村氏の文章。一気読みでした。意識的かわからないが、『平家物語』を読むようだった。
ぜぶら
2024/09/01 09:32

3歳児や8,9歳児の首を斬って、晒す所業を考えると、やはり幕府体制も末期だったんだろうな、と思う。様々に出てくる思想を力で抑圧しようとした国っていうのは滅びるのだ。無念で殺された人たちがちっとも礎にならない国っていうのが日本だな。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/03/02(2100日経過)
記録初日
2017/04/20(2781日経過)
読んだ本
1265冊(1日平均0.45冊)
読んだページ
353124ページ(1日平均126ページ)
感想・レビュー
739件(投稿率58.4%)
本棚
13棚
自己紹介

積読本を解消するためにせっせと本を読んでいるつもりですが、どんどん積み上がり中。紙の本が好きです。ミステリ、SF、歴史ノンフィクションが好きですが、なんでも読みます。最近は能楽にはまっています。書いている感想は、歴史的な考察、関連する他の本、趣味である映画や能などの伝統芸能の感想と絡めた雑文、長文です。
旅行記、能楽鑑賞録はnoteに投稿しています。https://note.com/shinonome55asahi

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