ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像 (岩波文庫 赤 437-4)

ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像はこんな本です

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ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像の感想・レビュー(193)

怒涛の勢いで変わりゆく歴史の中で、日和見手のひらを返し権力を追い求め、あるいは頂点へ、あるいはどん底へ、影から全てを握る操り士の如く、また、愚かな道化師の如く生きたジョゼフ・フーシェの評伝。傑作です。
- コメント(0) - 2016年12月31日

国民公会、革命政府、総裁政府、第一帝政と目まぐるしく移り変わる政治勢力に仕え、その怜悧さと変わり身の早さをカメレオンに例えられた政治家フーシェの評伝。治安維持のためとはいえリヨン虐殺に関与する冷酷さ、秘密警察組織を築き上げてナポレオンにも迂闊に手を出させない老獪さを示す一方で、妻や子といった家族には愛情深く接したというフーシェの複雑さを余すことなく綴った熱意溢れる一冊。
★1 - コメント(0) - 2016年12月13日

「リヨンは自由と戦いを交えたり――リヨンはもはやあらず」 シャルリー・エブド的笑いの根源、元凶がこの男である。早すぎた大粛清であり、早すぎた毛沢東主義であり、何より悪いのは思想も信条も理想も、完璧な保身の心得以外まるで持っていないような男が、ジャコバンも震えあがるようなテロルをやってのけたことで、その点で超越的なアイヒマンと言えるかもしれない。そして何よりすごいのは血に溺れなかったことである。エジョフやポルポトは殺人の罪悪感を払拭するため虐殺にすがりつく形で破滅したが…フーシェの保身は人間性を超越してます
★21 - コメント(2) - 2016年9月20日

学校に通うてゐるころ読んだんだけど、こんなに読みづらい本だつたつけか。直訳に近いのかな。当時は倉多江美の「静粛に! 天才只今勉強中」の主人公の元ネタといふので読んだ。今回もフーシェの容貌に関する記述が出てくるたびに倉多江美の絵で思ひ出してしまつた。だつて書いてあるとほりなんだもの。
★1 - コメント(0) - 2016年9月2日

次々と体制が変化するフランス革命を生き抜く…ということは取りも直さず自分の主義主張をコロコロ変えるということで、つまりこれはあまりにもふてぶてしい生き方をした男の評伝である。近代警察機構を発明し、ヨーロッパ中に諜報の目を張り巡らせたフーシェの姿はFBIのフーバー長官とだぶる。何か目的があって権力を求めたのではなく、権力のための権力を追い求め続けたという点であまりにも純粋な政治家だ。ツヴァイクの時代がかった大げさな文章は独特の味わいがあって、一つ一つの文章は長いが波に乗れば一気呵成に読むことができる。
★2 - コメント(0) - 2016年5月26日

変節漢と言ってしまえばそれまでだけど、常に世の趨勢を窺いつつ迅速な決断と行動を起こす、保身の為のある意味一貫してブレない様はここまで徹底しているといっそ清々しい。保身のあとは権力に魅入られて政治を裏で引っ掻き回したくて堪らないという更に厄介な人になる。酒も煙草も女も博打もせず倹約家で、家庭では良き父であり夫だったみたいなので、フーシェの中の欲という欲全てが権力欲に注ぎ込まれたのかな。晩年は自業自得とはいえ可哀想。こんな浮き沈みの激しい人生を送る人がいるのかと驚きだった。フランス革命のいい勉強になりました。
★1 - コメント(0) - 2016年5月15日

フランス革命から王政復古に至る激動の時代を、陰謀と裏切りで乗りきった男の伝記。ロベスピエール、ナポレオン、ルイ18世と、常に時の権力者の側についていながら、一度たりとも心からの忠誠を示さず、裏で権力を握ることに専心する姿は、副題の「政治的人間」の何たるかを考えさせられる。質素な私生活や世間の評判をまるで考えていないような悪辣な裏切り行為の数々からは、多くの人が追い求めるであろう「富」や「名声」とは違う「権力」そのものの魅力に取り憑かれた人間の姿がうかがえる。
- コメント(0) - 2016年4月10日

とにかく革命期のフランスの政治の世界を権謀術数の限りを尽くして泳ぎまわった人物の物語。いや〜人生は悪い冗談の連続ということの見本みたいな人だ。
- コメント(0) - 2016年3月27日

ここまで貪欲に何度も何度も諦めず危機をくぐり抜け、活躍した政治家でありながら、忌み嫌われた人物がいただろうか?彼の信念は状況によって多様に厚顔無恥に変化したが、その底辺には生き残るという人間の本能がある。
★1 - コメント(0) - 2016年3月7日

第一次世界大戦が勃発する前の世界文化に興味がある。それは喪われた世界だから。オーストリア=ハンガリー二重帝国に住むユダヤ人作家ツヴァイクは、その栄光の帝国の瓦解、ナチスによるヨーロッパ文化の破壊を目にする。自叙伝「昨日の世界」というタイトルが物悲しい。ツヴァイクには、作家としての仕事(「心の焦燥」!)、そして伝記作家としての仕事が高名。で、伝記本を読んだんですが、その素材がよりによって悪名高きフーシェ!転向を繰り返して権力の座に居座ることを目的とした男の一生を描く。
★4 - コメント(0) - 2015年10月12日

誰でもすねに傷を持ち、金にも弱い。フーシェはそれを利用して緻密かつ大掛かりな諜報網を張り巡らせ、政治家として時には非道に辣腕を振るう。諜報部員の中にはある有名人もいて驚いた。変節ぶりを隠しもせず常に敵の上手を行くフーシェには誰にも手がだせない。仕事には徹底した冷徹ぶりを見せるが、プライベートでは良き家庭人。傍目で見ている分にはなんだか痛快で憎めない。晩年は過去の報いで失脚・追放と、哀れな様子の描写がなされているが、wikiの記述では平穏な晩年とも。ベルばら程度の知識でも楽しめました。おすすめ!
★3 - コメント(0) - 2015年8月15日

歴史書ではなく小説である。ということを踏まえて読むべき作品。しかし史料としても読み物としても十分に面白い。
★1 - コメント(0) - 2015年8月13日

裏切者、変節漢と罵られながらも卓越した政治手腕で転換期のフランスを駆け抜けた人物。狡猾さも極めれば技といえるのかもしれません。しかし策の尽きた陰謀家の晩年は哀れなものでした。
- コメント(0) - 2015年8月12日

まさにカメレオン。実在したとは思えないほどの変幻自在ぶり。フランスの激動期に軽やかな身のこなし方。これは唯一無二でしょう。
★2 - コメント(0) - 2015年6月15日

フランス革命前後の、教科書には載っていない政治家のフーシェの生涯を描いた作品。ロベスピエールやナポレオン等、数々の支配者が歴史の表舞台に立っては去っていく中、フーシェは卓越した情報収集能力と洞察力で権力層にとどまり続ける。「常に多数派につく」という単純だが思想や主義に縛られた人間には難しいことを、彼はなんのためらいもなくやってのける。その手のひら返しっぷりは痛快ですらある。
- コメント(0) - 2015年4月16日

フーシェはフランスの人で、革命期、国民公会、総裁政府、統領政府、第一帝政、王政復古、百日天下からの王政とを通して、主に情報を戦力とした秘密警察組織の長として暗躍した政治家だ。政権が変わっても重要職を維持し、権力者達に恐れられる存在って、最近だとJEフーヴァーにも通じるものがある。フーヴァーと同じくフーシェも本質的には孤独で、でもそれは彼が諂い陥れてきた権力者達も同様。政治ってそういうものなのかも。はっとするのは、彼が最後に敗北し、没落したのは「桂冠を戴くのを躊躇ったから」という著者の考察。含蓄あるな。
★5 - コメント(0) - 2015年4月6日

権力の為なら節操がないという1点においてのみは心底正直者だった人の物語でした。昔から古今東西政治家とはこういう生き物、という物語でもありました。恐怖と戦争が金と権力を生むってことに気付いたフーシェは~ってところで、それは今やもうスタンダードになってるし...っていうかこんな昔から同じことの繰り返しをやってんだなとも思った。容姿のことを悪く書き過ぎな気もして、そこはほっといてあげようよとも思いました。妻もぶさいくとかちょっと酷い。
★1 - コメント(0) - 2015年3月29日

「同じ皮膚と同じ頭髪を持ったこの同一の人物が、1790年には僧院の教師を務めていたかと思うと、1792年にはすでに寺院の掠奪者となっており、1793年には共産主義者だった者が、五年後にはすでに数百万長者となっており、さらに十年後にはオトラント公爵となっていた」「ジロンド党員は倒れたがフーシェは残った。ジャコバン党員は追われたがフーシェは残った。総裁政府、統領政府、帝国、王国、そしてふたたび帝国が消え滅びていったが、いつも彼は残った」 英雄の華々しい活躍だけでなく、こういう策略家の妖怪じみた暗躍も大好き。
★2 - コメント(1) - 2015年3月15日

長い時間かかりましたが、やっと読み終わりました。私ごときでも名前は知っているフランス革命時の超大物と、対等に、しかも汚く渡り合って生き抜いた変節漢ぶりに感心しました。晩年は当然、というか、やっぱり、というか。
★1 - コメント(0) - 2015年3月9日

複数の面倒な上司に仕えきったこの人の人生が、何か参考になるかなと思い再読。スケールが大きすぎて目論見は外れ、純粋に楽しまざるを得なかった。何というか、ツヴァイクが主役であるフーシェをすごく嫌いなので、どのくらいフェアな伝記なのか気になる。長谷川哲也作品でのフーシェはもっとジャコバンで面白い。
★4 - コメント(0) - 2015年3月9日

支持する政党は常に「多数派」で、政治的生存のために議会の平原と山岳を平然と行き来する。諜報網を掌握して情報を支配。相手が皇帝であろうと利用価値のみで値踏みして誰の下にも平伏しない。晩年失脚して他国に亡命してもなお最後まで権力を渇望し続けた。『氷と炎の歌』のヴァリスみたいだなホント
★11 - コメント(0) - 2015年2月19日

フランス革命、ナポレオン時代を生き抜いた悪徳政治家の伝記。なんだか、抵抗感あったんだけど、私には普通のおじさんに感じられましたね。生き抜くためには、やった事のスケールはともかく、悪い事は、私もやっているような気がします。政治的な天才とは、こういう人かと、感動しましたが。面白かった。久しぶりにワクワクして、夢中で読みました。
★3 - コメント(0) - 2015年1月24日

政治的人間であるということは、機を見るに敏、そして誇りをもたないことなのだなあとしみじみ。学生時代は熱心に学んだとはいえなかったフランス史の再勉強にもなりました。
★1 - コメント(0) - 2014年10月5日

あなたは悪党が好きですか?私は大好きです。と言ってもどうしようもない畜生や、虐殺者としての独裁者なんて魅力がありませんな。やはり魅力的なのはどこか憎めない、日陰の存在でありながら煮ても焼いても食えぬようなとんでもない奴だと思います。恐るべき歴史の暴雨風の時期に、政治のスリルとりつかれたフーシェはまさに最高の好材料で、書くは悪党を取り上げる時のほうが筆が冴えてるツヴァイクとくりゃあとんでもない事請け合いです。歴史、悪党、ナポレオンに興味ない方は避けるべきですが、逆の方にはおススメです。
★6 - コメント(1) - 2014年10月4日

フランス革命後からブルボン第二復古王政までの時代、革命の熱狂やあらゆる政治イデオロギーと距離を置き、英雄の影で権力を振るった男の話。人はここまで政治的権力だけを欲して行動し続けられるものなのだろうかと思う。その冷静さはマキャヴェリストというよりサイコパスじゃないかという気がした。歴史的背景が勉強不足で登場人物などを逐一ネットで調べながら読むことになったので時間はかかったが面白かった。フーシェ以上にフランスの革命史にも興味が湧いた。
★2 - コメント(0) - 2014年9月2日

奸計に長け、勝者を嗅ぎ分け、信じるものを持たずに激動の時代を乗りこなすジョゼフ・フーシェ。死を前にしてそれまで否定し破壊してきたものと和解するが、それで心の平安を得たのかあるいは相変わらず手に入らないものを追いかけていただけなのか。フーシェの感情に分け入るというよりその行動を分析するようなアプローチで、これならこの腹黒い男が悲惨な最期を迎えても感情移入せずに済むな、と油断していたら、すべてを失っていく記述が淡々と続くエンディングは結構きつかった。ツヴァイクは人生の醜さを描くとき容赦しない。
★3 - コメント(0) - 2014年8月7日

政治的信念に乏しく、ただ権力に恋々としているジョゼフ・フーシェ。その政治屋って感じの姿勢は、とても尊敬などできそうにない。しかしその節操のなさゆえ、物語としておもしろい。時に保身のため、ロベスピエールやナポレオンに対峙し、裏工作し、政治の世界をひたすら生き延びていく姿は、大層興味深かった。
★4 - コメント(0) - 2014年6月25日

史上最強クラスの権謀術数使いその名はフーシェ。恐ろしく気が小さく決して自分の信念を持たない手のひら返しの鬼がフランス革命という荒波を巧みにそして力強くサーフする。ロベスピエール、ナポレオンと言った歴史に名立たる独裁者を一見冴えないこの男が独自に組織した情報機関を使って失脚に追い込むのだから驚きである。血塗れた小物の王者という感のぬぐえないフーシェ。そんな彼の人生がツヴァイクの筆熱でダイナミックに再現されたピカレスクロマンである
★3 - コメント(0) - 2014年5月25日

1930年初出。 フーシェは人民を、フランス市民全体、 祖国国境を守り、労働によって社会を養って いる、無数の貧民階級のことだと思っている。 不義にして富める者は正しい革命家たりえない(43頁)。 「失敗してはじめて芸術家は作品に対する自分の真の 関係を学び、敗北してはじめて将軍はみずからの誤りを 悟り、失脚してはじめて為政家は真の政治的達観を 得る」(124頁)。いいこと言うねぇ。
★16 - コメント(0) - 2014年4月16日

政治的カメレオン、変節と転身の軽業師、裏切りをこととする黒幕的人物。日和見でありながら臆病ではない、と本文中で評されるジョゼフ・フーシェは、フランス革命後の政治世界を生き抜いた。権謀術数を用いて権力闘争を生き延び、賭博のように楽しんでいたという人物像にも興味は尽きないし、警察組織を操って、あらゆる情報を集めていた、というのは最早フィクション世界のキャラクターのようである。また、原文が充分に魅力的なこともあるが、翻訳が実に上手で、するすると読み進めて楽しむことができた。人物評、素顔については描写は少ないが、
★3 - コメント(1) - 2014年3月3日

常に争い事の最中は態度を明確にせず、勝敗がつくと勝者の側に付くことを繰り返し、ナポレオンに「余は一人だけ本当の完全無欠な裏切り者を知っていた、フーシェだ!」と言わしめた男。先日読んだ二重スパイの元祖みたいだ。ツヴァイクの名調子がゲームをやめられないフーシェを見事に描き出していて最後まで楽しめた。
★2 - コメント(0) - 2014年1月9日

自分とは違う生き方をした人間だと心に強く思いながら読み進めるも、後半にはフーシェと一体化している自分がいた。ナポレオンに興味を持ったきっかけ。
★2 - コメント(0) - 2013年11月4日

来年の大河ドラマの主役が黒田官兵衛であることから「No.2でいこう!」というポップを本屋で見かけることがある。フーシェだと「黒幕でいこう(!)」というところか。僧院の数学教師から革命家へ転向し、穏健派と思えば過激派に走り、ぼろ小屋でその日暮らしをしていたかと思えばいつのまにか大臣の椅子に座っている。情報を糧にその時その時で立場を変える「サン=クルーの風見」。彼の生涯は当時のフランスの混迷ぶりをよく表しているといえる。ツヴァイクの文章はやや古めかしくはあるけれど流麗かつ情熱的であり、主題とよくあっている。
★6 - コメント(0) - 2013年10月7日

人物にとても興味がわく だが、 読みにくい
★2 - コメント(0) - 2013年9月30日

人はこんな生き方もできるのか。革命の時代はかくもドラマチック。
★1 - コメント(0) - 2013年9月18日

フランス革命からナポレオン帝政、王政復古と、大革命の嵐の中で権力の側に居続け、権謀術数に長けていることから“政治的カメレオン”と称される政治家ジョゼフ・フーシェの評伝。革命/戦争/争奪/裏切り/失脚/終焉があり、意思決定のモデルとして大きな示唆が含まれている。再読した時は〈「どうも、いかん。酔いすぎた。フランス革命で泣いちゃった。すこし寝るよ。」(太宰治)〉という感想が書きたい。迫力のある世界に強く惹かれ、憧れのまなざしで文字を追い、あらゆることが自分の人生に関わりがあると思いながら読みます。
★14 - コメント(5) - 2013年7月10日

特にナポレオンとの心理戦の部分はたっぷり語られ、スリリングだった。互いの能力を認め、必要とし、能力を尊敬しつつも憎しみと敵意もつのる。そのような関係だ。フーシェ、裏切りの天才、マキャベリスト、卓越した風見っぷりーー最後の最後まで本心を隠し、最後に旗幟鮮明な勝ち馬に乗る生き方。ロベスピエールやナポレオンなど「偉大な人物」たちと対決し、勝ち残ってきた男。
★6 - コメント(2) - 2013年5月6日

こういう生き方も良いかな、と、ちょっと思いました。陰謀を巡らす能力をただひたすら己のために使い続ける人です。ただ、常に自分に正直で、引退後?はなにを思いながら日を過ごしたのだろうと思うとちょっと切なくなります。
★2 - コメント(0) - 2013年3月27日

hzm
「ジョゼフ・フーシェ」(漫画:福本伸行)が読みたい。「僥倖っ…!なんという僥倖…!」とか言ってほしい。
★5 - コメント(0) - 2012年12月6日

高校時代に読んで、非常に面白かったという記憶があったのですが、突然、茶ばんだ岩波文庫を本棚に見つけて読む。 こんな人間があの嵐のような時代に生き長らえたことに睥睨する。 学生時代の感受性の強い時にもっともっと本を読んでおけばと感じてしまう。
★2 - コメント(0) - 2012年9月25日

ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像の 評価:74 感想・レビュー:57
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