江戸しぐさの終焉 (星海社新書)

江戸しぐさの終焉 (星海社新書)
あらすじ・内容
日本の教育をむしばんだ「江戸しぐさ」を終わらせるために
「江戸しぐさ」は、芝三光という人物が、一九七〇年代以降に“創作”したマナー集とでもいうべきものである。そのネーミングとは裏腹に、実際の江戸時代の風俗とはまったく関わりがなく、西洋風マナーの焼き直しや、軍国主義教育の残滓まで含んだ紛いものである。その「江戸しぐさ」は今や、芝の系譜を引く普及団体のコントロール下を離れ、文部科学省や学校教育までも汚染してしまった。我々はどうして、この「作られた伝統」の普及を許してしまったのか。果たして、社会の隅々に拡散してしまった「江戸しぐさ」を終わらせることは可能なのか。本書では、「江戸しぐさ」の普及史を辿りつつ、その「終焉」に至る道筋を提示する。

あらすじ・内容をもっと見る
192ページ
153登録

江戸しぐさの終焉 星海社新書巻はこんな本です

江戸しぐさの終焉 星海社新書巻の感想・レビュー(86)

トンデモ偽史「江戸しぐさ」がいかにして生まれ、発展を辿り、社会に浸透したかを解説する一冊。読めば読むほど、江戸しぐさそのものにも提唱者の芝三光にも怪しさしかない…。こんなトンデモの塊が専門家に見咎められることなく社会に「よいもの」として浸透していったことが恐ろしい。江戸しぐさの嘘っぱちは既に自明の事実として広まっているが、「結局『江戸しぐさ』ってどんなもので、何で広まってしまったのだろう」というさらなる答えや知識を知りたい人にはオススメの一冊。
★6 - コメント(1) - 3月4日

江戸しぐさ批判本『江戸しぐさの正体』の続編。前著出版をきっかけに江戸しぐさをめぐる言説の風向きが大きく変わったことはSNSやらブログやらの雰囲気で感じていたことだけれど、本書にまとめられているその後の展開をみると、いよいよ江戸しぐさは厳しい状況なのねというのがはっきりわかる。しかしその吹けば飛ぶような江戸しぐさが学校教育の現場にすら侵入していたという事実はやはり暗澹たる気分にさせられるというか、カルト的なるものと私たちとは意外なほど近くにあって、それに気付けないものなのだなーと。
★6 - コメント(0) - 2016年10月30日

『江戸しぐさの正体』の続編。前作の簡単なまとめと批判本出版後の反響のことをまとめてある。また創作した人物の弟子がNPO団体を設立した経緯など。由来や原典が曖昧なものでも、マスコミに取り上げられることで無批判に信じられてしまう昔からの日本社会の問題の一例であると著者は指摘する。嘘でも道徳として役に立つならいいのではという批判もあるそうだが、嘘は嘘として趣味として楽しむのはいいが、公教育で嘘を本当のように教えるのはどうかとは。いろいろ考えさせられた。前作とこっちのどっちかを一冊を選ぶなら、こっちのほうがいい。
★52 - コメント(2) - 2016年9月8日

「傘かしげ」「こぶし腰 浮かせ」なんだこりゃ? 江戸っ子を自称する私ですら知らない「江戸しぐさ」なるもの。なんと小学校の道徳の時間に、もぐりこんでいたらしい。これを持ち込んだ申し込んだ人々は「親学」「ゲーム脳」「スピリチュアル」「EM菌」「水からの伝言」などもつながっているらしい。1980 年代に登場した芝三光なる人物の作ったものらしい。トンデモ本が巻き起こした騒動。評論家、研究者、落語家まで巻き込まれていたという。きちんとした検証がこのこういった分野でも必要だと痛感する。
★12 - コメント(0) - 2016年9月3日

虚構の創作物だった江戸しぐさ。よくある返しとして、「たとえウソでも道徳的ならよいでないか」というものがあるが、この件に関しては道徳がいついかなる時代、文化のもとでも不変一定のものであると錯覚されてしまうことが問題だ。実際には環境や風土によって様々な道徳の形があるはず。個人が創作したマナーを「江戸時代の習わし」から権威を仮借して正当化するなどもってのほかだ。そして著者は、ウソの歴史認識が形成される様を江戸しぐさは示してしまったと指摘する。それを解消するには忘却ではなく、デタラメとして笑い飛ばすことだ。
★7 - コメント(1) - 2016年8月26日

江戸しぐさとは、芝三光という、経歴のはっきりしない男――本書では明言していないが、経営コンサルタントのような仕事をしていたのでは、と読者に類推させる記述がある――が生み出した架空の教えである。江戸商人のリーダーたちが築き上げたとされているが、その内容は、当時の生活事情からは考えられないものばかりだ。同じ著者による『江戸しぐさの正体』によると、江戸しぐさとは、芝が現代の世相から目をそむけるために、芝自身が幼かった昭和初期の思い出をベースに創作されているものだ。(コメントに続く)
★3 - コメント(8) - 2016年7月12日

嘘を漠然とした感覚で包み込んでしまうのは、人間の特性なのか、この国が持っている「雰囲気」なのか?いろいろと考えさせられた一冊でした。
★1 - コメント(0) - 2016年7月8日

親学、水伝と並ぶ教育汚染、「江戸しぐさ」の成立を明らかにした前作に続き、その後の各界の反応と江戸しぐさ関係者の状況を読み解く。しつけ、作法として是非は兎も角、それを歴史的な事実と偽る事は教育上、史学上、科学上不適切でどんな分野でも許されざる行為である。
★2 - コメント(0) - 2016年6月28日

タイトルそのまま。著者を始めとする指摘で後退していく様が描かれてるが、文科省をはじめとする支持者も余り深い気持ちで支持してた訳じゃないんだろうなぁ。
★1 - コメント(0) - 2016年6月22日

原田氏の本は、と学会関係の本で読んで以来、数冊を読み、前作がよかったので、こちらも購入。かつての「水」の本 と同様、「子供(大人にも)に身につけさせたいマナー」等を教えるために、ありもしないことを根拠にする必要はないと思う。が、私の周囲にも、何故か、その根本を理解してくれない人が多くいる。「いいことを教えているんだから」という理屈。こういう考えの人が一定数いるかぎり、「根拠ないお墨付きの道徳系の本」はなくならないと思う。
★13 - コメント(0) - 2016年6月20日

なにゆえ、単なるマナーや粋の問題に過ぎない江戸っ子の生き方に、明治政府が恐怖を感じて大虐殺なんぞする敢行する必要があろうか? そもそも大虐殺が行われたとなれば証拠も残るのだが、なぜ証拠が無いのか? また、越川女史の無知は”音楽”の言葉の解釈にもある。 ”音学”ではなく音楽という楽しむという文字になった理由は何かと言えば、生き残った江戸っ子が音は楽しむ物だからと助言したからなのだそうである。 そもそも古代中国や江戸時代から、”楽”の一文字で音楽の事を指していた事を越川女史は知らない。
★1 - コメント(0) - 2016年6月5日

「江戸っ子大虐殺」の語呂の良さ
- コメント(0) - 2016年5月23日

KN
「たった一人の人物の空想がマスコミを味方につけて次第に社会的影響力を強め、~公教育まで侵食」 杉浦日向子氏がいないので気になっていたけれど、江戸東京博物館館長の「あまりに学問レベルが違うから、これまで何も言わなかったんです」に納得 「偽史~の七光りを笠に着なければマナー一つ講じられないという状況そのものが、私たちの社会が寂しく、痩せ果てていることの表れ~江戸の町衆の伝統~を後ろ盾にしなくては、道や座席を譲ることや「ありがとう」と言うことが素晴らしいと伝えられないと感じている~教える側の敗北宣言」お見事!
★3 - コメント(0) - 2016年5月23日

ツイッターで原田実氏をフォローしていたので、氏が江戸しぐさの胡散臭さに気づき、そのつっこみをリアルタイムで見ていたのでいろいろと感慨深い。内容は、前作は江戸しぐさの中身をひたすらツッコミ、続編とも言えるこれは外側の反応と経過を紹介している。とにかく江戸しぐさは消えはしないだろうが、広がることはない安堵感がした。そして氏の取材力や構成力にただただ脱帽した。ページ枚数が少ないのに濃密な内容だ。
★8 - コメント(0) - 2016年5月19日

メディアに対して、鵜呑みにせず自分で噛み砕いて昇華せねばならないとおもう。
★2 - コメント(0) - 2016年5月12日

「江戸しぐさの正体」がリリースされた後の、さまざまな反応、動きなど。面白かった。
★2 - コメント(0) - 2016年4月29日

一人の男の空想に過ぎない偽史が、様々な人間によってさも事実のように伝えられ、最終的には文科省が道徳の教科書や教材に取り入れた江戸しぐさ検証本の続編(だけどこっちを最初に読むべき)。中身の確認、江戸しぐさ推進の経緯と学校への浸透に大きな役割を果たした、ある思想、前著発売の後に出てきた江戸しぐさ批判などなど。一方的に相手をけなさない、客観的で冷静に検証・批判のお手本みたいで落ち着いて読める。
★7 - コメント(0) - 2016年4月25日

前著『江戸しぐさの正体』を読まなくてもわかるように問題点がコンパクトにまとめられているうえに、前著発刊後の動向を踏まえて記されているので“いま”読まなきゃ、と手にしたもの。タイミングよく教科書検定問題も報道が盛んなので、公教育における教科書のあり方についてかなり考えさせられた。著者が引用している松尾貴文氏の指摘(P120)にある「しかし役立つなら嘘や疑わしいルーツを持たせる必要はない」につきると思う。
★4 - コメント(0) - 2016年4月17日

これを学んだ世代が誤りを認めない大人たちのせいでこの先も信じ続けてしまうという事態は避けたい。この誤りを認めない姿勢は教育にとってマイナスでしかない。この大人たちはこの先どんな子どもたちを育ててしまうのだろう。ほかにも親学やTOSSなど興味深い。日本はトンデモだらけなのだろうか。ぜひこれらのトンデモも詳しく知りたい。
★30 - コメント(0) - 2016年4月14日

前著の出版後は左右両方から江戸しぐさ批判が起きたというが面白い。ここまで内実がお粗末だと流石にそうなると著者は書くけれど、親学の関わりからいうと、右/保守側のほうが江戸しぐさ批判をするにあたって差し障りが多そう
★3 - コメント(0) - 2016年4月5日

どうやら道徳の副読本にもしぶとく残ったらしいしなあ。
★1 - コメント(0) - 2016年4月5日

間違いを指摘して終わりではなく、そこからがむしろ始まりなのだなぁ(溜息)。「終焉」というタイトルから、早くも勝利宣言かと思いきや、一度広まったことを終わらせる難しさについて考えさせられる内容でもあった。前著『江戸しぐさの正体』と併せ読んで欲しい本(特に、教育関係者に)。
★1 - コメント(0) - 2016年4月1日

前著『江戸しぐさの正体』が刊行された後の動向などを中心に、江戸しぐさがなぜ広まってしまったのか? などを考察した書。私自身は、(本書の中でも出てくる)「ゲーム脳」論批判をかなりやってきたつもりなのだが、その広がる過程などと共通する部分が多いと感じる。前著の後、江戸しぐさに対する疑念が相当に広まったことは朗報なのだが、ゲーム脳批判者としてはこの後が厄介だと感じる。意外と、こういうのってしぶとく生き残るので、ゴキブリを見たら潰すように、この後も細かくチェックしていくっていうのは必須だろう……
★16 - コメント(3) - 2016年3月29日

戦中の日本及び日本軍の諸行動が厳しく糾弾されることに現代人は耐えられない。「大日本帝国」の時代を抜きにすれば、もっと尊敬される日本であったはずだと現実逃避したくなる。美しい日本を見出したいという理想に重ねて創出した姿であったのか。「江戸しぐさ」の解説書は1冊読んだのみであるが、それに違和感を感じて放棄していた。前作同様、自分の直感が正しい方向を向いていたことを裏付ける内容で、再び世に問うてくれたことに感謝している。
★3 - コメント(0) - 2016年3月24日

一時期はやっただけですぐなくなるだろうと思われていた「江戸しぐさ」がしぶとく生き残り続けている件について。道徳心を涵養するのなら他にも筋の良さそうな実話なんて沢山ありそうなのに、なんでこれなんだろう感があります。
- コメント(0) - 2016年3月21日

教育現場に受け入れられた理由に、伝統を持たず、過去のしがらみがないためとあり、戦前戦中を避けて道徳を語れる便利なものだったんだなあ。前作読んでから江戸しぐさ自体失笑ものだったけど、ゲーム脳みたいに消えてくのかな。小学校のころにゲーム脳の壁新聞みたいのあったし、科学も歴史も学問である限り一方から見てるだけじゃ駄目だ。人に教えるならなおさら。あと中心が空虚だからこそ、尾ひれが付きやすいってとこが印象に残った。
★6 - コメント(0) - 2016年3月16日

前作「江戸しぐさの正体」の続編.教科書からは追い出されて目出度いのだが,採用されたこと自体が最大の問題だった.その前に,なぜ止められなかったのか.人文・社会系の疑似科学も,ぶちのめして回らないといかんのです.そして,ニンジャスレイヤーの登場!アイエエエエ! エド=シグサ!? エド=シグサナンデ!?
★14 - コメント(0) - 2016年3月12日

「江戸しぐさ」が全くでたらめの捏造だと痛快に暴いた前著の、その後について記す。前著出版後、普及団体から反論らしい反論はなく、「江戸しぐさ」を扱う教科書も一気に減ったという。たった1冊の新書がそこまで潮目を変えるのはすごいけれど、裏を返せば、たった1冊の新書にあっけなく根拠を崩されてしまうような適当なものを、僕らは無批判に教育に取り込んでいたということだよね。ほんと僕らは、伝統と道徳に弱いんだよなあ。ちょっと良さげな昔話に、ころっと騙されちゃう。これからも第二第三の「江戸しぐさ」が間違いなく現れ続けるよね。
★7 - コメント(0) - 2016年3月8日

前著の内容を踏まえつつ、江戸しぐさの普及過程や過去・現在のメディアでの取り上げられ方について書いている。今回は親学も取り上げており、ぜひ別の機会にEM菌など現代の学校教育にはびこる他の嘘についても詳しく書いて欲しい。普及に加担した文科省の関係者は猛省して頂きたい。江戸しぐさが嘘であることを知っている人達にとっては既に「エンターテインメントとして消費されるような状況」になっているのではないか。私も今では「よくこんなことを思いついたなあ」と思ってこの問題を見ている。このような認識をもっと広めていく必要がある。
★5 - コメント(0) - 2016年3月5日

170-172「ルールを求めること自体は望ましいことである。しかし、「江戸しぐさ」が藤崎論文に示唆された通り、村落や町内程度の規模の社会でしか通用しないローカルルールにすぎないなら、それをいかに現実の社会にあてはめて広めたところで、結局は文化や習慣の異なる他者を受け入れるためのものではなく、むしろ排除するものとして機能してしまうだろう。(略)「江戸しぐさ」が教育現場で重宝された最大の理由、それはまさに偽りの伝統だったこと自体だろう。本当に明治以前まで遡れるような伝統文化ならば、そこにはさまざまなしがらみが
★9 - コメント(3) - 2016年3月4日

文章が軽妙でテンポ良く読みすすめられるが、語られる内容はかなり深刻。「江戸しぐさ」が昭和期に芝三光という個人によって創作されたものであるという一つの事実に対し、既に芝ルーツとは途切れたカタチでの「江戸しぐさ」が流布しているという現実は二重に混乱しており、アタマを抱える。
★8 - コメント(0) - 2016年3月4日

唐突なニンジャスレイヤー=サンへの言及。
★1 - コメント(0) - 2016年3月2日

江戸の良さを見直す会の派生とか知らんかった
★1 - コメント(0) - 2016年3月1日

江戸しぐさの普及史から、前著の出版後の動きをまとめた第二弾。普及の過程で親学と結びつくとかいう地獄。ただ前著に対して反応できていないあたり、衰退していっているのは間違いない。それと最後にもあるが笑われる対象にするのが良い方法かもしれない。これを江戸しぐさで「半畳をいれる」といいます。
★7 - コメント(0) - 2016年3月1日

前著が「江戸しぐさ」自体の話なら、本書はそれの社会的な影響について。特に教育現場に堂々と偽史を導入してしまった教育関係者と文科省への批判が多い。TOSSとかもね。親学にもふれているが、この辺は日本会議の話にまでいく話なのでサラリと降れているくらい。この日本会議は江戸しぐさを100倍くらいグロテスクにしたような話になるからね。
★3 - コメント(0) - 2016年3月1日

江戸しぐさ批判本の第2弾。前著出版後の動向がメインの見せ場。教育現場への浸透が、書名通りにこのまま終焉に向かうといいけど…文部科学省が責任を持ってはっきりとした対応を打ち出さないと。期待するだけ無駄だろうけど。だからこそ批判の声を上げ続ける必要があるのか。
★4 - コメント(0) - 2016年2月29日

前著『江戸しぐさの正体』刊行以後の状況解説というか追加報告。「江戸しぐさ」の教育現場への普及については、「江戸しぐさ」が「親学」と結びつけられた形で普及が進められたことを踏まえると、イデオロギーの左右を問わず、学校教育に道徳性とか感動を過剰に求める態度が問題の根としてあるのではないか。この点は昨今問題となっている組み体操の「高層化」とも通じるものがあるだろう。
★12 - コメント(0) - 2016年2月29日

江戸しぐさ批判本第2弾。今回はついに本丸ともいうべき「親学」批判にまで踏み込む!でもちょっと踏み込みが浅いので、できれば「親学」でもう一冊書いて下さいよ。
★5 - コメント(0) - 2016年2月28日

今読んでいるみんな最新5件(10)

09/27:チャト
09/08:harass
06/04:radish
05/17:つゆ

積読中のみんな最新5件(12)

09/07:harass
05/17:つゆ
04/20:kazu
03/24:そーだ

読みたいと思ったみんな最新5件(45)

03/03:suicdio
09/19:minigoma
09/08:尖兵
09/04:Iheiji
江戸しぐさの終焉 星海社新書巻の 評価:91 感想・レビュー:39
ログイン新規登録(無料)