野火 (新潮文庫)

野火 (新潮文庫)
あらすじ・内容
テレビや教科書では教わらない、戦争の真実がここにある。

敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。

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野火の感想・レビュー(1844)

数ページで 挫折 多分今後も読めないと思うので 読了ということにしてください 映画化されたと聞いたので興味本位でてに取りましたが ……
★4 - コメント(0) - 3月16日

あの美しい映画予告を観た後のせいもあるだろうけれど、明らかに過酷な状況下であるにも関わらず見えるのはそこにあるのはただ凪いだ感情とちょっとの諦観だけ。それがだんだんと凪いだ水面下でふつふつ荒ぶり狂っていく、そんな感想。
★3 - コメント(0) - 3月15日

これは戦争に突き進めそうな人には読んでもらうと良いのではないか。
★5 - コメント(0) - 3月13日

人肉を食すか否かの瀬戸際に立った時の描写が病的で宗教的で、読みながら自身まで力が入った。動悸する感じ。 単調な部分も多いが、この盛り上がりのためのレールだったと思えば納得。
★5 - コメント(0) - 3月10日

mk
【2017年59冊目】
★4 - コメント(0) - 3月10日

本書を読んでみて私は面食らった。戦争の生々しく悲惨な描写にではない(そんなものははじめから予想していた)。極限状態に置かれながら、妙に明晰で冷めた視点を持っている主人公の心理と、残酷でありながらも神秘的に描かれるフィリピンの戦場の光景にである。戦争ものの作品というと、ことさらその悲惨さを強調したり、お涙頂戴的なストーリーに持っていこうとするものも多いが、この作品はそうした方向性には走らない。その淡々とした筆致がかえって、読者に戦場の地獄を思い知らせる。
★11 - コメント(1) - 3月8日

やはり、読書中から感じたのは、戦争を経験している人の言葉は違うなと・・・。戦地にて極限状態のなかで体験する異常な日常ももちろん恐ろしいとは思ったが、帰還して妻が死んでいてくれたら良かったと思った主人公の精神状態の方が、戦争体験のない私には心に深く刺さった。次は、2006年ピュリツァー賞受賞した<帰還兵はなぜ自殺するのか>を手にとってみようと思う。
★5 - コメント(0) - 3月7日

論理によって論理を内破させる心理小説。読んでいる時は蛇に睨まれたカエルになる。丸谷才一が褒めているのも分かる話で、なにより徹頭徹尾明示化されることの鋭利さというものを感じられる。
★3 - コメント(0) - 3月7日

非常に論理的な文体であり、その重厚さには圧倒させられる。
★5 - コメント(0) - 2月10日

★★★★★(野火の煙のようにゆらりゆらりと意識が彷徨する、戦場での凄まじい内省のもの語り)
★5 - コメント(0) - 2月4日

「薄いのに重いもの」の1つが戦争文学。それらが読者に与える感傷は並大抵のものではないだろう。だがこの小説は、そんな感傷をそそるような物でもない。ましてやプロパガンダでは絶対ないはずだと思う。戦争の描写云々よりも、孤独と対峙し、それでも共同できない主人公の葛藤が人間の本質まで食い込んでいる作品。まさに文学。
★6 - コメント(0) - 1月29日

fpq
ほぼ日本の敗北も決まり、病気で軍隊を追い出され、孤独と飢え、死を必然と意識して、、、敵のアメリカ兵が憎いとか怖いとかじゃない、極限状態とはこういうことなのか。この小説の内容はほぼノンフィクションなんだろうと思う。
★5 - コメント(0) - 1月29日

塚本版の映画を3年前に見てからなんだかんだで読めずにいて、ようやく読む事が出来ました。映画版も大変おぞましいですが、原作も文章の力によるおぞましさが凄まじいです。映画版になかった錯乱した将校の場面が個人的には一番恐ろしかったです。平時で語られる反戦とかどうとか言った善悪の彼岸を描いた名作だと思いました。
★7 - コメント(0) - 1月28日

 キリスト教がよく分からないので、きちんと読み込みきれたのかやや不安が残る。それにしても、戦時中の極限状態の描写が見事。それでいて、反戦小説の枠組みを突き抜け自意識や思想とのかっとうを丹念に描いている。
★9 - コメント(0) - 1月27日

戦争を題材にした文学作品。残念ながら十分には了解できなかった。
★4 - コメント(0) - 1月26日

戦争のなんて悲惨なむごたらしいものだろう。 これは真実の出来事なのか、狂人の妄想なのか。 これぞ反戦小説だと思う。
★9 - コメント(0) - 1月26日

自然描写が細かく意外にも淡々とした筆致。もちろん悲惨な状況下にあるのだが直接的に感情をほとばしらせるとか激情するといった場面がほとんどない。でも極限にあると実際これが真の姿だろうと思う、特に日本人は。キリスト教の神が出てくるとは知らなくて驚いた。世間には戦中のことは黙しすべてを内に抱えた多くの兵士の痛みはいかばかりか。この痛みを知りながら戦争を望む者はないと書かれていたのが印象に残った。戦争をやりたい政治家たちは読書をしないのだろうか?
★38 - コメント(2) - 1月24日

★★★
★5 - コメント(0) - 1月19日

丸谷才一著「文章読本」にてレトリックの見本市かのような取り上げられ方をしていたので、ならばと読んでみたものである。始めはその修辞技巧を見抜いてやろうと意気込んでいたものだが、胸を抉って引き千切らんばかりの内面描写に惹き込まれてしまい、早々に文章表現どころではなくなってしまった。悽愴かつ鬩寂とした情景と狂気を滾らせれども怜悧な思索とを併せて描ききったこの筆を、叙述する筆を私は持たない。ただ、紙面の活字を脳が認識する間は何の音楽も要らなかった。視界の端に喧騒が映り込もうとも、見えていたのは比島の燎原であった。
★21 - コメント(0) - 1月17日

 新潮文庫の100冊にあったので、読んでみた。敗戦間際の食料、物資の無い極限状態にある1兵士を描いている。極限状態では、友情だとか、愛とか、人間らしい「美しい」ものは意味をなさない。戦争の悲惨さを短いページ数で端的に表現している。
★5 - コメント(0) - 1月3日

極限状態で、人は何を指針として行動するのだろう?真に理性的に考えるなら、人を食べることがいけないのであれば、主人公が思ったように、生きとしいける全ての動物を食べるのもいけないことかもしれない。自分は、人に食われるためだけに生まれた豚や牛、鶏を毎日食べながら、片方で動物を虐待してはいけないとか、人を殺してはいけないとか、人食いなんてもってのほかとか思ったりしてるわけだ。それが正しいとか間違っているとかは別として。
★21 - コメント(0) - 2016年12月26日

狂ってでも、本能は生きようとする。戦争という環境下で正常と言える行動も、環境が変わるとそうではなくなるかもしれない。そうでなくなったとき、心はそう簡単についてこれないだろう。
★20 - コメント(0) - 2016年12月19日

筆力の高さに圧倒されながらふと池澤夏樹の「スティル・ライフ」を思い出した。自然風景の事細かな描写がどちらも素晴らしいのだが、池澤は大岡昇平に影響されたのか。ただ私の天文的地理的教養が足らず野火の方では頭の中で映像化出来たのは7割くらい。出来ていても間違っていた気が。読解力も足らず意味不明な点も多い。これが戦争の悲惨さは勿論だがそれだけを描く話ではないのは明らか。肉体の生と死、精神の生と死、神と信仰、エゴイズムと超自我、エロスなど、もっと哲学的心理学的宗教的な考察が必要そうなのでもうこれは再読必須。
★24 - コメント(1) - 2016年12月12日

「私の肉を私が食べるのは、明らかに私の自由であった」
★8 - コメント(0) - 2016年11月16日

椿
「出生の偶然と死の偶然の間にはさまれた我々の生活の間に、…………生涯とか呼んで自ら慰めている。」この一文にひどく共感した……
★6 - コメント(0) - 2016年11月16日

レイテ島の戦線で結核にかかり、芋六個を持たされて部隊から追い出された平凡な兵士の飢えと(友軍の死体の肉を食べるかどうかという)葛藤の話。意外とキリスト教色が強くて驚いた。次は『レイテ島戦記』に挑戦しようかな。
★4 - コメント(0) - 2016年11月12日

再読。2004年9月初読。敗戦直前のレイテ島で飢える主人公が死んだ僚友の肉を食べるかどうか、というテーマではあるんだけど、食べることの是非や葛藤よりも、意外なほどにキリスト教精神との融合が語られる。今回面白いと思ったのは、死人を食べることができない主人公が手榴弾を受けて削られ落ちた自分の肉を素早く拾って口に入れるところ。それで思い出したのが阿刀田高が『恐怖コレクション』で紹介していたローラン・トポール『スイスにて』。自分の肉なら食べてもいいのかなあ? 面白い命題かも。
★20 - コメント(3) - 2016年11月9日

フィリピンで日本兵が離散状態の敗戦確実の状況下で、人間の本能によりどうにか生き延びようとする田村一等兵が彷徨する様子を描いた小説。読んでいて辛くて、どっと疲れた。戦争は殺す殺されるだけでなく、飢餓の苦しみがあるのだと強く印象付けられた。平和で飽食の時代に生まれたことに感謝し、精一杯生きようと思った。安全保障の転換期を迎えているように思える現在、政治家には戦争をしないで済む世の中を築き続けて欲しい。
★26 - コメント(0) - 2016年10月26日

私にはまだ読むには早すぎたかもしれないと感じました。 重くて暗い描写がただ読むだけで精一杯という気持ちにさせました。
★7 - コメント(0) - 2016年10月21日

フィリピンのレイテ島を舞台に敗兵となった田村の死を覚悟した上での極限の彷徨が描かれ戦争の残虐さを目のあたりにした。太平洋戦争末期レイテ島で病気のため追い出された田村が飢えに苦しみながら熱帯の山野を彷徨う。そこで彼が体験するのは人が人を喰うという凄惨なもの。だが田村は最後まで人としての尊厳を守るが食うものに困り果てた挙句にとうとう食人というタブーを犯してしまう。戦争を知らない私は軽軽に語ることは出来ない。とても難しい作品だと思う。
★102 - コメント(0) - 2016年10月20日

ここで書かれてるのはとてもじゃないが一般化できないようなものだ。俺もそれをなんと表現すればいいか解らない。これに近い衝撃はバラードの作品、虐殺器官、それと地獄の黙示録だ。教会で民間人殺し、仏に見立てていた兵隊の腐乱死体、それを経て過去と現在、此岸と彼岸、肉体と内面の区別が曖昧になり向こう側にに行ってしまう語り手。これを読んで戦争はいけないね、なんていう一般論にはどうしてもたどり着けない、なんていうか作中を支配してる論理が異形な気さえするのだ
★1 - コメント(0) - 2016年10月14日

戦争文学の代表作と言われ読売文学賞受賞作でもある。戦時中でありフィリピンであり食糧不足であり孤独である極限状態。飢えによる幻想か、カニバリズムに対する葛藤が描かれている。このような状況でまともな行動は滑稽にさえ感じる。まともに考える事も難しいであろう。作品は一人の兵士の生き様であるが、戦争の意義を考えさす格好なる材料。
★38 - コメント(0) - 2016年10月13日

一気に読みました。映画のような臨場感でした。
★19 - コメント(0) - 2016年10月10日

極限状態に、おかれた者がどんな行動に走るか、というところに視点を当てた戦争体験手記。凄惨、劣悪、想像を絶するところは、他の作品にも描かれているが、宗教的思想が強いところが新鮮だった。
★9 - コメント(0) - 2016年10月9日

戦争に身を投じている状況が淡々と書かれていているのが、余計に恐ろしさを煽る。壮絶な体験が彼を壊してしまったのか、ラストに向けて狂気じみてくるのも恐い。長くはないお話なのに、どっと疲れてしまった。不自由なく食べられる今に感謝する。
★22 - コメント(0) - 2016年10月9日

淡々と書かれている。けれども当時の戦争の現状や心情などが感じられる。人間のエゴも読んでて気分が悪くなったが実際には自分にとって、より都合良く考えたくもなるよなぁと思う。
★22 - コメント(3) - 2016年10月6日

戦争の狂気を感じる作品だった。生きるということ、正義とはなんなんだろう。こういう悲劇が世界からなくなってほしい。
★31 - コメント(0) - 2016年10月1日

正直、読後感が良いとは言いがたい作品。どこか虚無的で自嘲的な視線が色濃い狂気に彩られていく。部隊から追放された気の毒な兵隊の話と思って読み始めるが、様相は変わっていく。主人公が後年書いた手記という形を取っているが、後半になるにつれて狂の度合いは著しく高まっていく。あまりに異常な状況下でどう壊れ、壊されていくのか。特異な怖さを感じさせる作品である。
★8 - コメント(0) - 2016年9月30日

映画原作として、大体書いてある内容は知っているつもりで読んだが、文章だと自己弁護がやはり書かれるものだなと。自身の死をもって償うべし、とか言いつつも意外と生きるために行動したり、自分は手を汚していないからセーフ的な言い訳や紙のせいにするところなんかは自己矛盾ではないのか?と思いながらも、まあ、戦争ってこういうものだよなあと。やっぱ日本は二度と戦争しちゃいけないですよ。
★3 - コメント(0) - 2016年9月30日

生きるために食うことが罪ならば、永村も田村も変わりないはずなのに、奇怪な儀式と読みかじりの旧約聖書とで自己擁護をして、周りの人々を馬鹿にするインテリゲンチアさんマジかっけーッス
★7 - コメント(0) - 2016年9月29日

野火の 評価:72 感想・レビュー:606
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