窓の魚 (新潮文庫)

窓の魚 (新潮文庫)
あらすじ・内容
私たちは堕ちていった。裸の体で、秘密の心を抱えたまま。男女4人が過ごす、温泉宿での一夜。それぞれの深刻な孤独と、ひとりの死。〈恋愛小説〉の新たな臨界点。

温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。裸の体で、秘密の心を抱える彼らはそれぞれに深刻な欠落を隠し合っていた。決して交わることなく、お互いを求め合う4人。そして翌朝、宿には一体の死体が残される──恋という得体の知れない感情を、これまでにないほど奥深く、冷静な筆致でとらえた、新たな恋愛小説の臨界点。

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窓の魚はこんな本です

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窓の魚の感想・レビュー(2273)

西作品初読み。人が人に惹かれるきっかけって何かしら?少女時代に問うた事がある。今となっては苦笑する思い出だが、あの頃この小説に出逢っていたら、何かが変わっていただろうか。本書の主人公である四人の男女。彼らの恋は刹那的で、けれど静謐な深刻さを秘めている。シンとした冷気と、じっとりとした結露を隔てるそれは、まるで表題の窓硝子そのものだ。人を恋うという事は甘い。甘さは痺れを生み、鈍い痛みから麻痺へと変わる。恋しい筈の想いが不安と焦燥を呼ぶ。綱渡りめいた恋模様とひとつの謎に絡め取られ、魅入られた作品だった。
★74 - コメント(7) - 2月23日

男女4人のオムニバス形式。「温泉」「煙草」日本文学史で言えば古典の定番ジャンルで味わい深く進行し、このまま牡丹の花の残像と共に良い意味で心地良く、悪く言えば無難に終わるかと思いきや、残り僅かとなった白い粉のシーンから物語の全容を読者は衝撃的に理解することになる。相変わらず「猫」と「犬」が登場し、重要な伏線となっているところに西加奈子節を感じた。日本文学史に残る猫の使い手として後世に名を残すだろう。
★2 - コメント(0) - 2月21日

最後に何かとてつもない大きな展開があるのかと期待しながら終わった。どうして死んだのかも全くわからずなんとなくモヤモヤしたまま今これを書いてる。だけど昔は少し苦手だと思っていた作風が今はすごくハマることに気づいた。変わったのは私なんだ。
★23 - コメント(0) - 2月18日

静かな温泉宿で一晩過ごす四人の若者が語る物語。話すトーンは静かに、間に部外者の語りも入れられて構成される。スッキリ終わらす苦手な話。
★21 - コメント(0) - 2月13日

特に展開もオチもなく退屈になりがちな話だが独特の感性と表現がそれを補って余りある。ビールの味についての詳細な描写は変な見せ方で面白い。文芸は文字通り文の芸術なのだな、と改めて思った。病んだ人、影のある人が出てくるのは純文学のお約束だが現実でもそういう人は多いかもしれないしいつでもそうなり得るのである
★11 - コメント(0) - 2月7日

ある温泉宿での一夜を男女4人の視点で。内容紹介からもう少し殺人事件の比率があるのかと思ったけど、ほとんどが純文×恋愛だった。同じ場面でも違うことを考えていたり、あとからそういうことだったのか・とわかったり。この不安定でぐらぐらしてる空気を文章だけで滲ませてるのがすごい。
★38 - コメント(0) - 2月7日

西加奈子さんの書く恋はつらい。いままで読んだ本がたまたまそうなだけかしら…。誰にも誰かに惚れられる魅力があると思うのだけど、それがもれなく切ない魅力なんだよ…。
- コメント(0) - 2月6日

温泉宿で一夜を過ごす2組の恋人達は密かに心に深刻な欠落を隠し合う。翌朝、宿には一体の死体が残されるのだが…。4人の視点から語られる物語はどれも一方通行で交わることがない。吸い続けるタバコから吐き出される紫煙、朱色の紅の女将、鮮やかにゆらりと泳ぐ錦鯉、太腿に咲かせた牡丹の花、暗闇の中に響く猫の鳴き声…静寂な空気の中に濃く怪しく色を落とし、どこか惹きつけられる。脆く危うい闇を抱えた心は打ち明けることで救われるのか?読者に委ねるラストが余韻を残し、なんとも奥深く雰囲気漂う1冊でした。
★33 - コメント(0) - 2月6日

初読。姉に薦められた西加奈子氏。冒頭から女性が不安定で、意識がぼんやりしすぎていてオカシイぞと思っていたら最後で納得しました。途中に出てくる関係者の証言が作品をサスペンス調にしていて、登場人物の不可解さと相まって不穏な緊張感を醸し出していました。いくつかの点で謎を残す小説。何かのメッセージ性があるというよりコンプレックスや孤独の闇を描いた作品でした。しかし、よくまぁこんな後ろ暗い家庭環境の4人が集まったなぁとマトモな人がいないので不自然な気も致しました。
★10 - コメント(0) - 2月4日

ena
温泉旅行に出かけた4人の若者。そこには若い溌剌とした会話はない。輪郭が曖昧で生命力を感じさせない人物たち。幸せを装うこともない。そこで死んだのは誰であってもおかしくない。猫の鳴き声、温泉の鯉、怪しくて不穏。西加奈子さんはこういう小説も書かれるのだなぁと意外な気がした。少し怪異で現実と虚構の合間でたゆたう雰囲気が、たとえては失礼かもしれないけれど川上弘美さんのようだった。静かで底しれないなにかを感じる小説。
★56 - コメント(0) - 2月3日

今まで読んだ西さんの作品とはテイストのちがう作品。情景に人の心を映し出す丁寧で独創的な言葉選びに圧倒された。人の心の描き方も秀逸。深く痛々しくあけっぴろげに奥の奥まで入念に描かれていた。容貌や体質、家庭環境などからそれぞれ心に凝りや歪みをもった男女4人が、その心の凝りや歪みをもってして、各々に執着したり、愛しさや憎しみを感じる姿が壮絶。殺意を抱いたり、羨望の目で見つめたり、狂おしいほど愛おしく思ったりという一見激変しているような感情がそれぞれの心の核から生まれていることが自然にかかれている。
★13 - コメント(2) - 2月1日

鯉と一緒に入っているような錯覚をする温泉。気味悪いけど、行ってみたい。読んでいくうちに話に酔っていく。読後は爽やかではなく、湯あたりした感じ。
★8 - コメント(0) - 1月31日

登場人物も雰囲気も儚げ。西さんてこういう作品も書くんだって感じだった。
★20 - コメント(0) - 1月29日

a_
これは恋愛小説なのかな…お互いの想いが噛み合わなくて結局一瞬も重ならないのが絶望的.なんだかもやもやしたもどかしさと寂しさとが残る不思議な小説.人の感情だけで話が進んでいくから、すごく不安定な印象だった.なのにまたすぐ読み返したくなるのはなんでかな.
★10 - コメント(0) - 1月28日

無関心でつながる四人。
★2 - コメント(0) - 1月26日

oa
まさにゆらゆらという感じ お互いの思いも発言も重なり合わずゆらめいて儚い お互い求め合ってるのに一瞬もつながりあわないのは絶望的すぎる。現実の暮らしで似たようなことは自分が思ってるより多いのかもしれないと思うとこわい
★12 - コメント(0) - 1月24日

独白にちょっぴりドキドキしたけれど、後にはトロリとした物しか残らなかった。「そうね」って思う私もまた、コンプレックスを抱える弱い人間だから。
★7 - コメント(0) - 1月23日

西さんの作品は不器用だけどどこか愛されるキャラが多かった印象だけど、今回は陰でぎりぎり生きている感じの4人のキャラ。共感できそうでできない心情をじっとりと覗き見しているだけなのに続きが気になって仕方なくて、スキマ時間に手離すことなく、読み終えました。とにかく不気味。それぞれ嘘や建前で相手との現状距離を保つことに必死で、側にいて居心地いいはずの存在が、実際は遠くてもろい。ありのままを誰かに受け止めてもらえるだけで楽なのに、もどかしくて寂しい。んーーなんだか分からないけど、すぐにでも読み直したくなる作品。
★11 - コメント(0) - 1月22日

前から気になってた作家さん、読めば読むほど迷路に入っていくような気分。みんなが他の人には見せてない顔が奥深い。そして歪んでいる。最後のアキオでさらに奈落に落とされた気がした。ちょっと疲れたかな
★8 - コメント(0) - 1月19日

うぅん、男も女も病んどるな。西さんの感性は好き。この空気感は苦手。
★273 - コメント(0) - 1月19日

ちょっと気になっていた作者だったので、家にあった本を読んでみた。不気味な雰囲気で、個人的には少し苦手なかんじだったが、文章表現はなかなか凝っていて力量を感じた。この小説だけ読むと、直木賞というより芥川賞?と思った。
★11 - コメント(0) - 1月18日

男女二組のカップルが温泉旅行へ一晩の出来事を、4人それぞれの視点で、1人1人の微妙な温度差や秘密が、西さんらしい着眼点とユーモアで描かれた作品でした。
★8 - コメント(0) - 1月18日

☆☆:男女4人の鄙びた温泉旅行の一夜 不吉な、そして陰鬱な雰囲気で話は進んで行く。その中に僅かな希望が覗くが、自分には合わなかった。
★7 - コメント(0) - 1月17日

ちょっとよくわからなかった。。。やっぱりストーリーに納得できないと、心情表現にも寄り添えないかな。
★4 - コメント(0) - 1月16日

初めて西加奈子を読んだけど、うーん、、、他のも読んでみるか。
★1 - コメント(0) - 1月15日

恋愛の難しさを鮮やかに描いて胸に迫る作品。温泉に宿泊する四人の男女は、誰もが心の中に空虚な部分を抱えていて、恋人を愛することができない。誰が悪いと言うのではなく、人間の間にはここに描かれているような隔たりがあるのだと思う。「窓の魚」という題が象徴的。4人が見る鯉は窓の外の池にいる。本当は4人とも窓に外に出たいのだ。それでも彼らは傷つけ合って窓の内側にいるしかない。窓から出られたら、伸び伸びと世間を生きられるのかもしれない。外に出ないと救いはないのだろうか。それともこれが人間の生き方なのだろうか。
★123 - コメント(0) - 1月15日

初めて読んだ作者の作品。情景の描写が良く、すべてが謎解きに回収されるわけでない余裕が気に入った。ほかの作品も読んでみたい
★11 - コメント(0) - 1月14日

二組のカップルの温泉での一晩を4人の視点で描いてる。静謐感漂う精緻な情景描写。各々が過去の欠落を持ちながらお互いを求め合う。その交わりの濃淡が繊細でとてもとても儚い。
★89 - コメント(0) - 1月13日

凄く華奢な文体だった。脆くて不思議な関係の人達の一夜のお話。この作家さんの中で、この作品は好きかも。
★7 - コメント(0) - 1月12日

すごく歪で湿った薄暗さがあるのに、情景描写はひたすら緻密で美しかった(特に死体)。読者に結末を委ねる感じなので、ただしくストーリーのアウトラインをなぞれている自信がない。ただ、それでも心に染み入る何かがあるということは、「恋」という感情であったり、人間がお互いに依存するということは複雑怪奇な心の闇が大きく寄与しているということなのかもしれない。人間の心になるべく近づけると、一見難解な作品になるのも当然かも。「理解できた」など恐れ多くて言えないけど、好き嫌いでいえば相当好きなやつ。
★10 - コメント(0) - 1月11日

西さんの本を数冊読んできて、でもこれは今までのとは違った感じがして新鮮というかなんというか。一度読んだだけではすべて理解出来なかったかも。物語の文章が綺麗で風景が想像出来て、それがとても良かったけれど読んでいる最中ずっと頭の中がハテナと寂しさで埋まるような感じ?かな。みんな色々なことを抱えながら普通なふりをして生きているんだなと思いました。
★12 - コメント(0) - 1月11日

文がとても繊細だと思った。私たちが昼間生活している場面の描写は普段通りに感じるのに、夜の世界や登場人物の心の描写になると一気に繊細で美しいような描写だと感じた。 話の流れは分かりやすかったけど、不思議なところがいくつもあってスッキリした感じが余り無い。その分ずっしりと、奥深い湿った感情が残るかも。
★9 - コメント(0) - 1月7日

自分には合わなかった。
★2 - コメント(0) - 1月7日

読み終わった後にふわふわと言葉に表せないような感覚に陥った。なにが起こっていたんだろう?と、数回読み返してすこしくっきりしたけど完全にはわからない不思議な小説だった。同じ出来事を通じて、すべての人が異なる思い、捉え方をしている。色々と抱えるもの違っているからこその違いなのだが、特にそれらが解決していく事もなく、ただそこにあるだけ。人が亡くなったのに、ただそれだけ。読んだ自分もそんな物語をただ通り過ぎただけ。とにかく不思議だった。
★11 - コメント(0) - 1月6日

65
★2 - コメント(0) - 1月3日

不思議な恋愛小説。近づき、でも、すれ違い。人って結局そうなのかな…とおもってしまう。特に恋愛は。
★10 - コメント(0) - 1月3日

☆ 2016年
★1 - コメント(0) - 1月2日

A Y
共にする空間で登場人物それぞれの視点で語られるのが興味深い。ある人からは重要な点でも相手は触れてもなかったり。サスペンス要素があったりして西さん読了本の中で一番暗くて苦しかったな。みんな闇を抱えてて。当たり前かもしれんけど。ホンマに鯉のように口パクパクさせて空気を取り込む為に喘いでる感じが印象に残った。西さんは物の見え方も表現も独特。文学的というより絵画的で色彩に溢れていて、西さんの絵を文章にした感じ。文章を絵にしたのとはまた違ってスゴイと素直に思う。★★★☆☆☆
★13 - コメント(0) - 2016年12月25日

Boo
情景はすごくキレイ。 だけど、自分には合わなかった…
★2 - コメント(0) - 2016年12月24日

sat
コレは賛否両論あると思う。他の西さんの作品とは、イメージが違う。古風で奥深く美しく思った。お勧めではなく、秘密にしたい一冊だ。
★54 - コメント(0) - 2016年12月23日

窓の魚の 評価:74 感想・レビュー:744
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