生きるかなしみ (ちくま文庫)

生きるかなしみ (ちくま文庫)
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生きるかなしみの感想・レビュー(89)

脚本家・作家、山田太一の選んだ、人間が生きることのかなしさを描いた作品のアンソロジー。中でも初めて読んだ時実新子の『私のアンドレ』が良かった。私の中の女の部分が共鳴したのか。女のかなしみ、いや夫婦のかなしみか。このタイトルのアンドレとは、もちろん『ベルサイユのばら』のオスカルである。他にも貧困家庭のかなしみ、戦争のかなしみ、差別のかなしみ、母国語を奪われるかなしみ、家族を亡くすかなしみ、同性愛のかなしみ。どれも人間の愚かさ、どうしようもなさ、抗いようのない運命のかなしみの物語。
★49 - コメント(3) - 3月17日

【1995年初版】(挫折~35頁)。「目をそむければ暗いことは消えてなくなるだろうと願っている人を、楽天的とはいえない。本来の意味の楽天性とは、人間の暗部にも目が行き届き、その上で尚、肯定的に生きることをいうのだろう(9頁/山本太一)。」少し前から、善悪二元論を私は信じないことにした。それに対し、実存主義を貫くつもりもない。形而上学的に神や仏を絶対的な視点で視ることもしない。市場原理至上主義者でもない私は、行き場を探してる。でも、本当はそういった枠組みを取り払い、無垢さを取り戻すことが大事だと思うのだ。
★26 - コメント(0) - 2月23日

『絶望読書』に紹介されていたので読んだ。やや年齢層がシニア向けだったかもしれない。こういう短編集の形式は、読む人や年齢によって心惹かれる部分が変わってくるのだろう。映画『母と暮らせば』でのエピソードの原案『ふたつの悲しみ』が収録されており、恥ずかしながら初めて元ネタを知った。個人的には、母国とアイデンティティとに関わる『望郷と海』と『失われた私の朝鮮を求めて』が心に迫ってきた。図書館本だが、手元に置いて読み返したい本である。
★2 - コメント(0) - 1月31日

皇后美智子さまが読み返している、と書店で知って買った本。収録されたどのエッセイも好きだけど、編者の山田太一さんが書いた「断念するということ」という冒頭のエッセイが本当に好きで何度も読み返している。多くの人に読んでほしいと心から思える一冊。
★3 - コメント(0) - 2016年12月19日

家の本棚にあったので読んでみました。生きることは基本悲しみ又は哀しみであって、欲や可能性を無理に求めなくてもいいのではないかと。断念するということを覚悟しておけばいいのかな。この本を手にした主人の思春期っていったい…。
★8 - コメント(0) - 2016年10月11日

Y.T
☆☆☆
- コメント(0) - 2016年3月17日

VOI
人生の暗部から目を逸らした現代の楽天主義は神経症的である。諦念の重要性を指摘した編者のことばは重いですね。
★4 - コメント(0) - 2015年12月12日

多数著者の短編集。水上勉「親子の絆についての断想」に感動。希薄な家族関係が言われる今、たしかに、昔の貧乏は、いかにも大変そうだが、逆にそれだからこそ強い繋がりがあったと言える。
★3 - コメント(0) - 2015年12月11日

戦前世代が多いせいか、戦争関連の話が妙に印象に残った。悲しみを負いつつもそれでも生きるというのは、途上においては嫌なことだろうが、それが思い出になるころには、いささかほろ苦い甘美さを人生に添えてくれるのかもしれないと思う。いろいろと考えさせられるし共感できる話だった。陽気な小説家が死ぬ前に「もう二度と生まれたくない」と述べたというエピソードが印象的だった。
★1 - コメント(0) - 2015年9月23日

山田太一わりと言及もする
★2 - コメント(0) - 2015年8月24日

水上勉の前半生はすごいなあ。
★1 - コメント(0) - 2015年3月22日

叔父の葬儀に行く行き帰りの新幹線の中で読んだ。最近アンソロジーはあまり読んでいなかったけれど、知らなかった作家の文章にも出会えるのがいいと思った。叔父は突然の病で、検査入院から2か月あまりで逝ってしまった。世間は何らかの因果関係を探ろうとする言説で溢れているのでつい忘れそうになるが、生きていると、どうしても原因がわからないのに起こる出来事もある。原因を取り除けばなんでも乗り越えられるというのは(または原因を取り除く努力をしないのは「怠惰」なのだという考え方は)一面的な見方でしかないのだと考えたりした。
★2 - コメント(0) - 2015年2月23日

山田太一さんの選によるアンソロジー。どれも人間の業というか、しがらみというか、嫌なところというか、運命というか・・。なるほど、此れが「生きるかなしみ」なんですね。年を取ってから読んだほうが味のある本です。
★18 - コメント(0) - 2015年2月14日

これは良かった。編者山田太一さんの前書き"断念するということ"を、わたしの愛読書の一冊でもある"人生の親戚"(大江健三郎著)を思い出しながら読んだ。収められている短い文章すべてに、ひとそれぞれの人生におけるかなしみというか深みが、それぞれの筆者独特の形で綴られていて、なんとも言えない読了感。こういう、こころにじかに触れるような感じの文章、大好き。こないだ岩宮恵子さんの"思春期をめぐる冒険"を読んだ時にも思ったことだが、久しぶりに村上春樹の長編(特にねじまき鳥クロニクル)を読み返したくなった。
★2 - コメント(0) - 2014年9月12日

悲しみをテーマにしたアンソロジー。深刻な話が多い中、自分のチャームポイントは目だったのにメガネでそれを失ってしまったとか、好きな男性の顔にニキビを見つけてしまうからよく見えない方が良いって、内容の『めがねの悲しみ』が印象的でした。近年、娯楽性の高いエンタメにふれることで忘れがちになりますが、人が生きるという事から悲しみを無くすことは出来ないと言うことを思い直しました。でもその悲しみこそが、生きていることの証なのでしょう。
★6 - コメント(0) - 2014年1月17日

タイトル買いが多い今日この頃。時に悲しみとは何だろうと考えさせられるが、ここに編まれているものより悲しい体験もないだろう。高史明の『失われた私の朝鮮を求めて』、水上勉の『親子の絆についての断想』がよかった。
★4 - コメント(0) - 2014年1月13日

水上勉の小説を読んでみたくなった。
★3 - コメント(0) - 2013年3月3日

かなしみも含めて肯定することが、本当の意味での楽天的か。分かっちゃいるけど、難しいことですねー。
★1 - コメント(0) - 2012年6月10日

悲しい存在としての人間についてのアンソロジー。有名な柳田國男「山の人生」や永井荷風「断腸亭日乗」は元より、五味康祐の「太宰治」には衝撃を受けました。ほかの小編にも戦争や貧困、人種差別、性差や性的なマイノリティなど、 人間の暗部の中にある悲しみを見ました。何度も読み返す本になると思いました。
★5 - コメント(0) - 2012年5月16日

死ぬほどの運がめぐってこない。
★2 - コメント(0) - 2012年2月25日

15名の作家の作品が収録されてますが山田太一氏の「断念するということ」が印象に残りました。災害の前には人間は無力で不孝のどん底に落ちたりしてしまう。今こそ人間のはかなさ、無力をしることである。1995年1月初版ですが、16年後に東日本大震災に遭遇してるだけに本書に共感するところがあります。
★7 - コメント(0) - 2012年2月25日

高史明さん、水上勉さんの場合、父、自分、息子の3代での大きな悲しみがある。杉山龍丸さんの「ふたつの悲しみ」のせつなさ、石原吉郎さんのラーゲリ体験(シベリア抑留)「望郷と海」のやるせなさ…。その悲しみを見つめる山田太一さん。いつまでも手元に置いて自分への戒めとしたい本。
★6 - コメント(0) - 2011年8月15日

前回は別の出版社の方で登録しちゃったけど、再読 この本を読むと自分がいかに都合よく前向きに生きているのかがよくわかる。ただ、それで自己嫌悪に落ちたりするわけでなくむしろスッキリする。不思議な力を持った本だと思います。
★3 - コメント(0) - 2010年8月4日

人生にはたくさんの可能性がある,と目を輝かせる人々に生理的に嫌悪をいだく。人生の多くは可能性の断念から出来ている。それを理解するべき読んだ。各文章にまとまりをかく印象はあるが,いずれも深く悲しい。
★3 - コメント(0) - 2009年10月20日

「私のアンドレ」時実新子と「兄のトランク」宮澤清六と「親子の絆についての断想」水上勉が佳かった。
★3 - コメント(0) - 2009年2月2日

生きるかなしみを知ることは、真の強さを持つことであり、ロスのライフレッスン、松岡のフラジャイルに通じる。
★3 - コメント(0) - 2003年11月7日

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