ストーナー

ストーナーはこんな本です

ストーナーの感想・レビュー(575)

文章が静かで綺麗だけど、ストーナーの周りの人たち(特に妻や娘や愛人)に対しては物語上の役割のために雑に転がしている印象を受けた。作者がストーナーに自分を重ねて文章の力も加えて美化しているような感じが好きになれない。でもある部分では自分の嫌な部分が見えて嫌悪しているのかもしれない。よくわからない。
- コメント(0) - 3月1日

リアルに描かれた一人の男の人生記。そう聞いていたものだから、ぼくの記録されていない人生のスペースが解析することを拒否するのではないかと。若輩者に充てられた際限ある尺によってストーナーの人生を宛がいながらも、彼の人生の終演は自分の人生の終わりを意味したかのような感覚に囚われてしまったのはなぜだろうか。個人を越えた人間の根底にある汎用性という川の流れに、一匹の稚魚が流さてしまったような物語がきっかけだろうか。
★10 - コメント(0) - 2月22日

TBSラジオ、タマフルで絶賛されていた本です。物語は静かで主人公ストーナーの平凡な日々を淡々と語っていくものですがその中にいつしか自分の人生を重ね合わせてしまいます。 訳者あとがきに代えてで語られる翻訳者東江一紀氏の本書に対する気持ち・姿勢にも感動しました。同氏の翻訳本をとても読みたくなりました。
★8 - コメント(0) - 2月14日

紹介していただいた本。農家ではなく学問の虜になり教鞭をふるう。それだけならば普通の話。ただ、人間関係が恐ろしく複雑、そして怪奇でもあると私は言いたい。なんとなく伝記のようにも思え、伝記が不得手な私はどうなることかと思いきや、まるでストーナーの半径5メートルのところで彼の人生を眺めるかのように、彼を見知っているかのように、応援しながら、周りの人間にイライラしながら読むという、自分らしからぬ読み方をしていた。なんと不思議な読み方をさせてくれる本であったか。
★12 - コメント(0) - 2月9日

古の笑みが亡霊のごとくフィンチの顔によみがえった。「きみはいよいよ、偏屈学者の域に達したようだな」 「そうらしい」ストーナーは言った。
★1 - コメント(0) - 2月5日

読書会で紹介された本。ひとりの男の人生を、ただ淡々と綴られているだけの本。なのに、なんという面白さ。なんという味わい深さ。国内だと夏目漱石 作品に近いかもしれないけれど、本書は読んでいる間は、ずっと静かな興奮状態だった。途中で投げ出してもいいから、20年前に読んでみたかった。そして、できれば20年後にも読みたい。
★3 - コメント(0) - 2月4日

読書会紹介本。農家の跡取りでありながら、文学に目覚め、大学教授となったストーナーの一代記。あらすじからの予想に反し、時代や周囲に翻弄されない積極的な主人公には驚いたが、好感を持てた。不倫までするにも拘らず、我儘で独り善がりの印象を与えてこないのは、冷たさや過度な優しさを挟むことなく、泰然と静かに彼の感情を綴っているからだろう。彼の生涯で起こる様々な題目の中では、学問や大学の面白さ、教師という職に対する考え方が強く印象に残った。文学の道を決定付けた教授の言葉「きみは恋をしているのだよ」がとても好き。
★43 - コメント(0) - 1月30日

農家出身の大学教員ストーナーの一生。地味な人生にも様々なことがあり、その人にとっての数々の選択がある。情熱的に決めたこともあれば、冷静に穏やかに判断したこともある。夢見たような人生ではなく日常の些事に振り回される日々、家庭でも職場でもどちらかといえば苦労や悲しみの方が多いのは、人の世で生きる以上、多かれ少なかれ誰にとっても同じ、普遍性があるような気がした。そういう人生を、自分自身のあまりさえない人生を、日々大切にしたいと思えるような読書体験でした。
★4 - コメント(1) - 1月14日

M
ストーナーの妻の全てを受け入れる姿勢見事!受け入れ過ぎて、若干イライラさえする。訳をした 東江一紀さんがラスト1ページを残して亡くなられたことと、物語が少しシンクロしていて、感慨深いものがある。文体が日本語にはない、幻想的な語り口で超辛い生きづらい現実的な毎日を描く。心地よいまどろみの中で、じわじわ真綿で首を絞められる感じ。
★1 - コメント(0) - 1月7日

読書っていいもんだなーと。時間を忘れてあっという間に読めた。不器用でどうにもならないことが多い哀れなストーナー。ゆくゆくは農家を継ぐことが当然のように期待されていた子供時代、両親への葛藤はありながら、学問への思いには正直だった。本の中で、ストーナーに代わって色んな後悔ややるせなさを感じたが、彼はそれに文句を言うこともなく、「うまくやる」こともせず(できず)、自分のできることを行った。死の間際、誰と会話するわけでもなく、本を手に取るラストも素晴らしかった。
★6 - コメント(0) - 1月6日

繊細・緻密な書きぶり。主人公と妻との関係性、言外での確執、同僚との人間関係に思わず共感を覚える。心を通わせた人との別れの書き方に、こういう愛もあるのだなと思う。
★1 - コメント(0) - 1月3日

紹介していただいた本。ストーナーの死の直前までを描く人生録のような小説。苦労が多い一人の男の一生に、いつの間にか導かれ魅了されていく、不思議な読書体験。静かに淡々と人生が描かれていくだけの文章に、一度も退屈や苦行と思う事はなく、最後まで同じペースで物語を味わえた事に、正直驚いた。物語を通じて、この独特の感覚を味わう事が、この本を読む素敵な魅力に思えた。紹介感謝!
★34 - コメント(2) - 2016年12月19日

なんか深刻すぎるというか。「リアルな人生」を書くにしても、ささやかな幸せに目を向ける小説の方が俺は好きです。
★7 - コメント(0) - 2016年11月23日

ゆっくりゆっくり、深く味わうように読み通しました。人生の幸福について考える時、これから先も幾度となく本作のことを思い出すでしょう。素晴らしかった。
★1 - コメント(0) - 2016年11月20日

読んでいると、自分の事を肯定できるような、安心感のようなものを感じた。イーディアスという存在からも勇気をもらえたような気がする。ウォーカーとのやり取りの所は読んでいて気力を使い、老いを感じる所からは少し悲しみを感じたけど、ストーナーの人生は悲しいものとは思わなくて、むしろ立派でとても素敵だと思った。最後ストーナーが「わたしはわたしだ」と覚った所、最後の最後に本の山積みに手を伸ばす所、そして自分の著書を手に取る所は、とても感動して涙が出た。今読後から一夜明けて、じわじわと温かさや切なさが心に染み渡っている。
★8 - コメント(0) - 2016年11月6日

u
これから先、何度も思い返しては温め直すであろう大切なシーンの数々。ローマックスとの三者会談の直前、ストーナーがフィンチの腕を掴んで語りかける場面、それからの無気力な日々、キャサリンと過ごした最後の十日間……。『STONER』は決して悲運な男の物語ではなく、僕たちの人生そのものを開示してみせている。ここでは多くの悲しみや挫折、わずかな喜びが描かれ、それを包括する人生が描かれる。ストーナーの生涯を静かに見つめる第三者の視線。その淡々とした語りにそこはかとなく漂う暖かさ。いい。
★6 - コメント(0) - 2016年10月30日

ミズーリ州の農場で生まれミズーリ大学で生涯を終えた男の一生を、静かなタッチで描いている。風景は違うがアンドリューワイエスの絵を見たときのような静謐感があった。しんみりして秋の夜長の読書に良いかも。
★3 - コメント(0) - 2016年10月22日

中世の英文学を教える大学教師の実直な人生を丁寧な描写で読ませる。翻訳者の東江一紀の実直な仕事は第一回日本翻訳大賞(それが最後の翻訳だったにしても、いや最期だったからこそ全力だったのかもしれぬ)だったのも頷ける丁寧で明晰な文章。ストーナーの人生は失敗だったか幸福だったかよりも、選択しなければならない時にきっちり彼が選択した文法に則った一人の男の人生だった。英文学への進路変更、イーディスとの結婚、教授同志の闘争、キャサリンとの不倫。最初は凡庸に思っていた男の激動とはいえぬけど起伏に富む豊かな物語だった。
★10 - コメント(0) - 2016年10月18日

日常を描いた地味な話が好き、みたいなことを言ったら、紹介してもらった本。たしかに、そういう本で、とても楽しく読みました。図書館に返してしまって、いま手元にないので正確ではないけど、はっとした瞬間に、衣服が自身の肌にすれるのを意識したりするとか、そういうこまかい描写がとてもよかった。著者が、ストーナーのことを幸福だと言っていて、それは確かにそうやなあと思ったけど、彼の家族は果たして幸福だったのか。それは、ストーナーだけのせい、とかではなくて、たぶん、お互いの相性とか理由は色々あるのだろうけど。
★1 - コメント(1) - 2016年10月12日

This is a story of a professor’s life. He is not special. His career is not special, and he didn’t write a paper that changed the world. He hasn’t climbed up to be the president of the university. Ordinary professor’s ordinary life.
★1 - コメント(0) - 2016年10月7日

静かな物語
★1 - コメント(0) - 2016年9月27日

3.5/5。 文学好きの青年が大学の講師となり、結婚し、子供が出来て。 一生を大学で過ごし、死ぬまでの話。 世間知らずで受け身の主人公、妙に頑固なことがあり融通が利かない。 特に具体的に何かを目指した人生じゃない、状況に応じて流されてきた人生。 特に学者として、教師として優れているわけでもない。 奥さんは始終ヒステリー気味で対立、娘との仲もよかったり悪かったり。 うん。まさに平凡な大学教授。 学校で生徒から嫌われる先生をイメージすればいいでしょう。
★53 - コメント(5) - 2016年9月27日

あとで。あとがきにある訳者の最期が壮絶だった。
★2 - コメント(0) - 2016年9月3日

物語をすごく近くに感じた。最初から最後までずっと。
★3 - コメント(0) - 2016年8月23日

人生の美しさ、寂しさ、楽しみ、哀しみ。全てが詰まった幸福な読書体験。訳者の人生とリンクしていて、あとがきまで含めて素晴らしい。
★1 - コメント(0) - 2016年8月13日

2015年の第1回日本翻訳大賞読者賞受賞。訳者はドン・ウィンズロウの翻訳小説で知られる東江一紀氏。これが最後の仕事になった。本書の主人公ウィリアム・ストーナーはミズーリ大学の教員で、中世の文学研究と論文指導に明け暮れ、准教授より上の地位に昇ることはなかった。「成り上がれる才覚はあっても、それで押し通すには図々しさが足りない」と、同僚や学生からは偏屈学者扱い。結婚生活に恵まれず、新婚早々別居生活のような状態で、夫婦の心を通わせることもなくなっていく。大学では学科主任と対立し、その矢面に立ちながらも淡々と仕事
★97 - コメント(1) - 2016年8月11日

簡潔で端正な訳文は、孤独が似合うストーナーそのもののよう。彼が黙々と仕事や勉強に向かったり、窓から外の景色をぼんやり眺めたり、冬の日の終わりに家路をたどったりといった、寂しいけれど誰の記憶にも残らないような場面が印象的だった。全体的にモノトーンのイメージだが、妻イーディスの存在が女性の一つの典型例として、彼の生涯に不穏な色彩を与えている。彼女の中に、私の母や複数の知り合いの女性を見ることがしばしばあったが、それは社会が女性に押し付けた女性らしさと彼女らのそうでない部分との軋轢から生じたもののように思えた。
★25 - コメント(4) - 2016年7月28日

なんとも感想を書き難いが「よい小説」を読んでみたい人に薦めたい。1〜2年ほど前にかなり話題になっていたので読みたいと思っていたが、読んでいる途中、読み終えてからもいろいろな感情が沸き起こってくる本はあまりない。元の文章も優れているのだろうが、精緻きわまる翻訳が素晴らしい読後感に大きく貢献しているとも思う。一時期忘れ去られており、近年再発見された本だということだが(最初にアメリカで出版されたのは1965年、作品社の翻訳の初版は2014年)、そういう本の中にこれほど秀れた一冊があることは驚きである。
★4 - コメント(0) - 2016年7月27日

美しい装丁、美しい文章、そして何より美しい生き方を全うしたストーナーが心を震わせます。大切に思える本がまた一冊増えました。
★8 - コメント(0) - 2016年7月25日

ある主人公の人生。 ふとダニロ・キシュの『死者の百科事典』を思い出した。
★1 - コメント(0) - 2016年7月19日

東江翻訳の本を読みたくて手に取った本。ままならない人生を淡々と生きるしかないストーナーの生き様が我がことのようで、読むのがつらくなった。とても良い書物だと思うのだが、やはり穏やかさよりも寂しさばかりが残る読後感だった。誰の人生もこうしたものなのかもしれないが、人生と小説は違う、というか違ってほしい。個人的にはどこかひとつでも魔法が欲しかった。キャサリンが自分の書物にストーナーのイニシャルを記していたことだけが救いのように瞬く。
★3 - コメント(0) - 2016年7月18日

ものすごく寂しいと感じた小説でした。常に暗い未来が予想されるように書かれてるのが本当に辛くて、最後の章は読んでる途中で一回本を閉じました。この本はすばらしいとしか言えませんね、妻におすすめして良いのかなとは少し悩まされますが。
★2 - コメント(0) - 2016年7月10日

×NAKAMURA アメリカの少し昔の普通の大学教授の人生が淡々と書かれた本。読後感が、「帰ってきた男」(小熊英二)や、「家、ついて行っていいですか」(テレビ東京)に近い。市井の人々の普通の暮らしを知るのは楽しいけど、人生を揺さぶられるような性質のものでもない。でも世界各地、各時代版でこういう文学があったら面白いなと思った。
★2 - コメント(0) - 2016年6月26日

同僚に勧められて。読んでいる間心に浮かんでいたのは哀しみというよりも、共感と静かな幸福感だったように思う。いつの間にか強く惹きこまれていて、後書きを読んで、この物語が再評価され翻訳されるまでの経緯にも物語を感じた。冒頭、文学に出会ったストーナーが、自分自身と自身の周囲に対して目が開かれていくシーンが好き。大学というある意味閉ざされた世界に生きていたストーナーには、学問に生きていたからこそ見える世界があったのだろうな。
★4 - コメント(0) - 2016年6月25日

心の奥底に深く届く素晴らしい作品だった。そのような体験、物語との邂逅はいくら本を手にしてもそうあるものではない。寧ろ歳を重ねる程、本を積み上げるほどに困難になるのではないか。本書の帯に"美しく完璧な小説"とこれ以上ない賛美で銘打たれても頷けてしまう。とはいえ物語は劇的でも、華があるわけでもなく、作品全体には物憂げな影とうら寂しさが漂い、主人公ストーナーの局面に我々読者は息を呑み見守る他はない。ストーナーが生きるために、世の中、社会に耐え得るために硬直させた心のある部分がほどける時、我々は強く心を打たれる。
★9 - コメント(0) - 2016年6月25日

紙の見本を見ていると、「あぁ美しいな」と、ある一枚に手が止まることがあります。青磁の茶器を見ている時にも同じような感覚に陥ることがあります。それは、自分の手にしているこのスムースな物は、いま目には見えないけれど、ものすごく沢山の要素が複雑に絡み合って生み出されている、そんな静かな感動から生じる気持ちです。ストーナーという一人の男性の生涯を綴ったこの物語もまた、私をその気持ちにしました。自分の読みたいものはこういうものだと、わからせてくれた一冊でもあります。
★33 - コメント(0) - 2016年6月19日

イーディスがああだのローマックスがこうだのと書きたいところですが、このような本にそんな感想をもらすのは野暮ですね。美しい風景を見たようなしみじみとした感動を味わいました。どことなくわびさびも感じました。「訳者あとがきに代えて」もすばらしい。そのあとがきからの引用「人は誰しも、思うにまかせぬ人生を懸命に生きている。人がひとり生きるのは、それ自体がすごいことなのだ。非凡も平凡も関係ない。がんばれよ」みんながきっとストーナー。
★5 - コメント(0) - 2016年6月15日

英文学者ストーナーの人生は凡庸で一見するに取るに足りないものだ。学者として優れているわけでもなければ、周囲の人間から特別の感情を寄せられるわけでもない。彼は世に放った一冊の著作をモノクロームな人生に彩りを添える一輪の薔薇のように誇りながらその生涯を終える。例え学界や世間から黙殺されてしまうだけの代物だとしても。しかしそれは『老人と海』のサンチャゴの巨大なカジキマグロの残骸と同じく、彼にとっては誇るべき勲章なのだ。人生の荒波と戦い不恰好な航行を強いられながらも、一人の人間が懸命に生きた紛れもない証左なのだ。
★35 - コメント(2) - 2016年6月14日

週末、購入して一気読みです。 でも、じっくりと、いつもよりも、丁寧に読むように心がけました。 この翻訳の背景を知ってから読んだので、特に最終章は、なかなか読み進めなかったです。 もし、そういった事情を知らずに読んだら、また違った感想だったかもしれませんが、とりあえず、いま言えるのは、「おすすめです」ということです☆ 特に、私のような初老の方には。
★13 - コメント(1) - 2016年6月13日

素晴らしかった。これぞ小説を読む醍醐味。力強い描写に引き込まれた。主人公ストーナーの一生を描いた作品である。大学に進学し、卒業後は就職、結婚して子をなし、老いて病に臥す...その中にいくつものドラマがあって、彼の性質を浮かび上がらせている。彼の胸に宿る情熱が、ときに人を惹き付け、ときに敵対させる。ウォーカーやローマックスとの口頭試問のシーンが忘れがたい。あの激しさと、その後の確執。うまく立ち回ろうなんてしないその潔さと不器用さが、はがゆくもいとおしい。
★27 - コメント(0) - 2016年5月23日

ストーナーの 評価:98 感想・レビュー:277
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