文字禍(Kindle)

文字禍の感想・レビュー(105)

移動中にkindle ◆なになに? これは古代のトンデモ科学者たちの物語? 文字があるから悪い方向に進んでいくのだ、だから、と物語は進む ◆データを読めない/読み誤った/読みたいようにしか読まないおろかな学者たちが誤った分析を権力に奏上、結果、世論をも誤った方向に導いてゆくのであれば、これは現代社会の問題解決が直面する危うい姿そのものだ。検証のメソッドを持たぬ「市民」たちが、自分に心地よい「解釈」を「知識」として無批判に取り入れることで、客観的観測者たちを追い詰めてゆくのなら、それは市民の罪ではないのか?
★7 - コメント(0) - 2月4日

とりあへず、読んで笑ふ。まづはそこから。
- コメント(0) - 2016年11月20日

古代アッシリアのナブ・アヘ・エリバ博士は文字の霊について研究する。▼ただのゲシュタルト崩壊!いやそれただの近眼!突っ込みをいれつつ読み進めていると、後半はだんだん真理に迫ってきた。ラストはゾクリ。▼「はじめに言葉があった」とは聖書。神は「光あれ」と言って世界を作った。言葉がなければ概念はない。その言葉を目に見える形にするもの、「文字」が特別なのは不思議でもない。自分の考えだと思っているものが、文字の霊によるものではないと言い切れるだろうか?コメントへ→
★17 - コメント(1) - 2016年6月10日

「文字の霊などというものが、一体、あるものか、どうか。」―――古代アッシリア人のゲシュタルト崩壊について。ありとあらゆる現象に対し、”文字が先が事物が先か”といった内容です。「それを愛するの余りに、彼は、ギルガメシュ伝説の最古版の粘土板を噛砕き、水に溶して飲んでしまったことがある」➡愛書狂の老人。英単語を覚える為、受験生が覚えた個所のページを毟って食べる、みたいで極端ですね。若い歴史家の「書き洩らしがあった場合は?」という問いに対し、老博士が「歴史とはな、この粘土板のことじゃ」と答えるところも面白いです。
★50 - コメント(2) - 2016年6月8日

中島敦は「山月記」とか、この「文字禍」みたいな系統の作品の方が好き。
★2 - コメント(0) - 2016年5月30日

中島敦のお誕生日記念読書第2弾。とてもおもしろかった。中身はもちろんだし、ところどころアハハと笑ってしまうところもあって、GWの静かなゆうべに楽しいひとときになった。これは、ゲシュタルト崩壊という言葉で言いきってしまうことで、かえって文字禍に見舞われてしまうのではないだろうか。サラサラと絶え間なく流れる水や砂のように時間と血と苦悩を大量に流しながら考えるに値することだと思う。実際、私も、うまく言えないけれど同じようなことは考えるし。ところで、アッシリアで圧死というダジャレが思い浮かんじゃったんですけど…。
★19 - コメント(0) - 2016年5月5日

この小説について、何を語っても野暮になりそうなので、気にいった箇所の引用のみにとどめたい。「書き漏らしは?と歴史家が聞く。書き漏らし?冗談ではない、書かれなかった事は、無かった事じゃ。芽の出ぬ種子は、結局初めから無かったのじゃわい。歴史とはな、この粘土板の事じゃ。(中略)文字の精共が、一度ある事柄を捉えて、これを己の姿で現すとなると、その事柄はもはや、不滅の生命を得るのじゃ。」
★14 - コメント(0) - 2016年5月3日

中島敦先生が短篇。今回の舞台は中国に非ず、埃及国なり。文字の普及に伴ひ、各地に文字が霊の悪戯あり。心身に数多の病を発したること夥し。病のみならず、浅薄なる合理主義の蔓延こそ中島敦先生の重視したる文字が霊による社会的病理なれ。その源を調べたる博士は文字が霊の所業と突き止めたり。されど、王に文字が霊を告発したる博士は謹慎せしめられ、文字が霊の逆襲により、地震起きし時、圧死せり。恐ろしき哉、文字が霊。なれど魔力凄まじき霊。かの魔力により、読メは成り立つめり。
★29 - コメント(0) - 2016年3月26日

歴史学と考古学を専攻している者としてとても興味深い作品だった。中でも注目したのは主人公の博士が若い歴史学者に対して「粘土板に文字として書いてあるもの以外は歴史ではないと」言い放っている場面。自分には考古学や民俗学が歴史研究の方法として認められる以前の状況を的確に示しているように思われたし、同時に史料批判そのものを認めていない、歴史学成立以前の歴史研究を目の当たりにした気持ちにもなった。博士の話を聞いて複雑な表情で立ち去って行く歴史学者には思わず自己投影してしまう。
★3 - コメント(0) - 2016年2月1日

古代アッシリアでゲシュタルト崩壊。文字というものの不気味さが描かれている。
★7 - コメント(0) - 2015年10月10日

文字を見ているうちに、ただの線がなぜ音と意味を持つのか、それを疑問に思った博士はこう思う。 「これは文字の精がいて、我々の気付かないうちに影響を与えているからだ」 至る所に文字がある以上、目が悪いのも、髪が抜けるのも、女といて楽しくないのも文字のせいに思われる。結局博士は文字の精の復讐?によって最期を迎える。 人間は言葉を持つことでものを区別し、区別できないものは識別できない=存在しない。そういう意味で言葉・文字は世界を構成する根幹ともいえる。ただ最近は言葉にしない・できない部分が大事だとも思っている
★8 - コメント(1) - 2015年10月9日

意外や意外?アッシュールバニパル王が治める古代アッシリアが舞台の話。短いながら非常に興味深かった。新アッシリア帝国のアッシュールバニパルと言えば、まず浮かぶのがニネヴェの図書館だが、この作品では奇怪な現象の起こる図書館として登場する。その現象の原因らしい「文字の霊」の正体を突き止めよと老博士のナブ・アへ・エリバが召しだされるのだが…この博士は恐らくニネヴェに遷都した王シン・アへ・エリバ(センナケリブ)がモデルだろう。研究の結果、ゲシュタルト崩壊を体験した老博士の出した結論がなかなか痛快、というか耳が痛い。
★99 - コメント(6) - 2015年10月8日

気落ち期に読んだうちのひとつ。ある文字をじっと眺めていると、やがて線と線との交わりが纏まりを失ってほんとうにその文字なのか分からなくなってくる、あの感覚。言葉そのものと言葉が示すものの繋がりが分解されて、影と実体とが途切れてしまうような奇妙さ。多くのパーツでできているひとつのものが、統合して捉えられなくなったときの不安。なにこれ面白ーい。認識と現実との解離、平行世界と手触りのある世界。わたしは対でひとつだと思うけど。ま、書かれたことと事実だって異なるのならと立ち寄った書店で『結婚失格』を探すも見当たらず。
★28 - コメント(2) - 2015年10月7日

文字からスリリングな考えに至る物語。最初は正気で書いたとは思わなかった。ただあえてそう思わせているように考えてしまう。文字禍という話は現代にも通じるような気がした。ツイッター、ラインも文字で実際の会話でもないからそんな連想をしてしまう。中島敦はそんな未来を意識したわけではないと思う。
★3 - コメント(0) - 2015年10月4日

★★★
★1 - コメント(0) - 2015年8月15日

中島作品の中でも大好きなものの一つで時々よみたくなる。今回は電子書籍で読んだ。言霊とおなじように文字霊。政治家のみなさんも言葉を弄して、現実をごまかし生きている人間をないがしろにしていると文字の霊や言葉の霊に殺されますよ。ご用心。
★12 - コメント(0) - 2015年8月11日

これを昔書いた人がいたのか。切れ味鋭い
- コメント(0) - 2015年6月18日

これは面白い!マンガスキーが思うに、中島敦は非常に絵になる話を書く人だ。(太宰治なんかは絵にしにくいと思う)書き割りがキッチリしていて、それがまた魅力的な舞台で、登場人物の高潔さや勇猛さや真摯さなどのキャラクター性もクッキリしている。話の府に落ち感が、ニクイくらいカッコ良く決まっていく。(そう、ナカアツはカッコイイ!)この話は、クトゥルー神話みたいな怖さがある。災厄神はすぐ目の前にいるのに、誰にも見えないのだ。
★12 - コメント(0) - 2015年6月13日

分かりあうために言葉があり、知れば知るほど分かりあえないって気付くもの。
★2 - コメント(0) - 2015年4月14日

ユニークと感じた。面白い。文字についての教訓としよう。歴史についてのやりとりも腑に落ちる。ただ、古代史がわからないとちょっとついていけないかな。
★4 - コメント(0) - 2015年2月22日

どうしたらこれほどまでの考を概念や理論の成立前に気づき組み立てられるのか、畏敬に近い驚きを抱く。同時に枠組みの中でしか読めず語れない自分がもどかしい。
★2 - コメント(0) - 2014年12月11日

今日は中島敦の命日だと聞いたので。「文字の精霊」か~。うーん。これ面白い。そしてなんだか奥が深い。この人の作品はいままでほとんど読んだことがなかったのだけれど,俄然と興味がわいてきた。
★15 - コメント(0) - 2014年12月4日

記号の恣意性と言語論的転回を扱った寓話ですね。古代アッシリヤの王に「文字の霊」の正体を研究するよう命じられた老博士は、図書館で「文字禍」(=ゲシュタルト崩壊)に遭遇する。文字を文字と認識できない老博士は「一つの霊がこれを統べるのでなくて、どうして単なる線の集合が、音と意味とを有つことが出来ようか」と疑念を抱く。「文字の霊」は記号の恣意性の、文字の普及で人々の世界認識が狂ったとされる描写は言語論的転回の比喩である。老博士はこの事実を王に報告した後、もはや「書物」でなくなった「粘土板」に押し潰され息絶える。
★5 - コメント(0) - 2014年10月28日

喜劇。さう思つて読んでゐる。腹を抱へて笑ふやうな話ではないが、同病相憐れむ的な笑ひが、気がつくと唇の端に浮かんでゐる。
★2 - コメント(0) - 2014年8月28日

「文字ノ害タル、人間ノ頭脳ヲ犯シ、精神ヲ麻痺セシムルニ至ッテ、スナワチ極マル」ほんとこれ
★2 - コメント(0) - 2014年8月4日

シニフィアンとシニフィエの乖離という感じだけど、やっぱり文字の向こうに実体的なものが想定されているように見えるあたり時代かなぁと思ってしまうが、でも歴史や人間存在も文字によって書かれるとするあたり今日的な問題意識に通じるものもあったりなかったり。
★14 - コメント(0) - 2014年7月26日

文章のリズムが良くて読み心地がいい。短歌や俳句を読むような文章がずっと続いていくような感じというか…デジタルで本が読める便利さを有難く思いながらも、こういう本はページを指で摘まんで開きながら味わいたくなった。
- コメント(0) - 2014年6月14日

文字には霊が宿っている。なぜなら単なる線の組み合わせが意味を持つはずがないから。乗り物によって足が弱くなったように、文字によって頭が働かなくなる。と、妙に納得してしまう奇想。文字で書かれた歴史だけが真実となるという歴史批判や、文書を管理する人間が権力を持つという歴史分析(與那覇潤「日本の起源」)を読み取ることができる印象的な小品。ところで、Kindleによって、こういう古典を気になったらすぐ読めるようになった便利な時代を享受してるが、デジタルになると文字に霊が宿っているという発想は出てこないよなあ■86
★20 - コメント(0) - 2014年2月8日

中島敦って中国物しか書いてないような印象持ってたけどそんなことはなかった。昭和17年にゲシュタルト崩壊をネタにしていたとは……
★1 - コメント(0) - 2013年12月18日

nic
狐憑きと合わせて読了。虚構は現実の影だがそれは正に私たちを現実以上の世界に導く。また歴史の本質について記載されていたが、やはりこれも作家がどこまでの「私」を語るのか、小説においてどこまで自身の現実を売るのか、例えばそれは、私小説家において何をもって私というのか。いわば作家が作品を作り上げる過程を読者に晒したかのような短編だ。太宰治がその裏舞台を読者にともに経験させることで秘密を共有させるが如きと評されたように、また中島敦も真摯に自分の仕事に向き合う悩める作家、という様を呈して、読者の我々に見せつけたのだ。
★8 - コメント(0) - 2013年12月1日

Yu
短編だが濃密である。 文字による災いを一身に負ってしまった男の話。 山月記を読んだときにも感じたことだが、 普通のひとが言葉に言い表そうとすると「なんかね、こんなんでわーってなってね……」などとずらずら説明しなきゃならないことを、簡潔明瞭に表現する中島敦の凄さといったらない。 同じ文字をずっと見たり何度も書いたりしていると、だんだん奇妙な図形に見えてきて、頭がおかしくなったかな?と不安になるあの感じ。 中島敦は「文字禍」と表した。 ほら、「ゲシュタルト崩壊」より簡潔明瞭でしょ。
★3 - コメント(0) - 2013年10月28日

青空文庫で読みました。 文字は便利なもののはずなのに、世間の悪いことを文字の精霊のせいに した内容がとても面白かったです。
★3 - コメント(0) - 2013年10月16日

文字によって認識するから、文字に対して疑念を抱く…。知識は全て文字だし、言葉である。なんか難しい。
★12 - コメント(0) - 2013年9月27日

文字の精霊というのがいて、人に禍をなすんだそうですよ。文字のなかった時代や文字を知らない人には起こらない、いろんな悪いことが起こってきます。そう言われれば、その通りだよなぁなんて思いながら読みました。もし、これから文字を読むのを止めたらそうした禍がなくなるとしても、やっぱり読み続けることになるだろうとは思いましたけどね。
★11 - コメント(0) - 2013年9月4日

西夏文字をテーマにした漫画「シュトヘル」を読んで、何か文字についての話って他にあったかな?と探して出てきたのがこの短編でした。 アッシリアのアッシュールバニパル王が、老博士ナブ・アヘ・エリバに図書館に潜む「文字の霊」について研究するよう命じます。 「書かれなかった事は、無かった事じゃ。(中略)歴史とはな、この粘土板のことじゃ。」と博士が若い歴史家に語る一節が印象的でした。
★3 - コメント(0) - 2013年9月2日

Kindleで青空文庫が読めることを知った。これは便利。たった9ページだが、色々考えさせられる。
★12 - コメント(4) - 2013年9月1日

こんなに短い話なのに、いろいろ考えさせられる。文字は禍?、歴史とは?
★3 - コメント(0) - 2013年6月19日

山月記を書いた中島敦の短編!京大の赤本に載ってあったものを読んで、全体を読んで見たくなったために読んだ。この本を読んで以降、自分の汚い文字が時々ただの線にみえるときがある。よく考えてみると、ただの線に過ぎない文字が意味をもつというのも不思議なものである。「文字を用いて、思考することで人間の思考力はおちた」という表現が非常に気になる。私は今、文字を用いずに思考することはできない。このことが思考力の低下の現れなのか?
★2 - コメント(0) - 2013年6月7日

★★★☆☆
★2 - コメント(0) - 2013年6月3日

文字禍の 評価:100 感想・レビュー:50
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