沈黙のかつみすさんの感想

キリスト教が禁じられた江戸時代の日本。ポルトガル人司祭のロドリゴはマカオから九州に潜入し、日本人の隠れ信徒を鼓舞しようとするが、捕縛され長崎へ。信仰を棄てるよう次第に追いつめられていくロドリゴの心理が、じっくりと書き込まれていく。日本人通辞や奉行、そしてかつての師と繰り広げる、信仰をめぐる深いやりとりも読みどころ。ロドリゴと、その行く手に現れては消えるキチジローのペアは、イエスとユダの関係に重なる。信仰をめぐる人の弱さをじっと見つめる物語。50年前の作品だけど、いつになっても古びそうにない歴史小説の名作。
★34 - コメント(0) - 3月14日

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