なかなか良かった。キャラ造形は過不足なく、ややこしめな設定も開示のテンポが適切で興味を切らさずに読めた。だがやめろ、心の清い動物はワイに効く……

著者のネタとしてはオカルト成分軽めだが面白かった。Ⅱ世の本筋が楽しめた人ならいけるはず。レーベルからコージーミステリ的なアレを期待してしまうとつらいかもしれん…。 一見ふてぶてしげなヒロインに影のようについて回る薄幸さ、著者の味が出ててすこ。

なかなか良かった。キャラ造形は過不足なく、ややこしめな設定も開示のテンポが適切で興味を切らさずに読めた。だがやめろ、心の清い動物はワイに効く……

著者本人が２１１５年に書いた、という設定がミソで、これがある意味もっとも活きたのが『天幻地在バトルマリオネット』。著者は年齢を公表してないっぽいが、１９９３年発売のメガドライブ『ああ播磨灘』をプレイしたのが５〜１０歳として、バトマリ発売時の２０７０年には８２〜８７歳（播磨灘エピソードはリアル情報ですが、作中の記述と符合するので援用しました）。つまり八十代の老人が「ボクらが大人からバトマリを守る！」と息巻いてるわけで。その“大人”、下手すりゃ孫の歳だぞ！！ この回だけ一人称変わってるのもズルい。

視点と場面がヌルリヌルリとモーフィングしていく中、一時高精細な状況が像を結んではまたヌルリと流れていく。カメラの手ブレ補正を切るように、時空間認識をエピソード化する脳機能をオフにしたかのようで、端的に言うと「おクスリ効いてますね」ｗ 小説とは脳の認知統合機能を使わずにロゴスを楽しめる娯楽だったのだ、と逆説的に感得してしまった(^q^)