『帰去来』太宰が10年ぶりに生家に帰る話、そのときにお世話になった北さん・中畑さんの話。実家・家族とほぼ決別状態になり、中々合わせる顔がない太宰の感情や、それでも太宰に会うとやはり嬉しそうな家族の描写などが面白かった。太宰にしては気持ちよく終わると思ったら、少しイヤな終わり方。そこが太宰。「私は家の内外をもっともっと見て廻りたかった。ひと目見て置きたいところがたくさんたくさんあったのだ。けれどもそれはいかにも図々しい事のようだから、そこの小さい窓から庭を、むさぼるように眺めるだけで我慢する事にした。」
『故郷』『帰去来』の続編。母が危篤になったため再度生家に帰ったときの話。速達の行き違いは何を意味しているのだろう。家族とのかかわり方や家族愛が描かれ、ハートフルな場面があったが、そこにもちょっとした隙間に自意識が忍び込んでるのが太宰らしい。
社会人一年目です
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『帰去来』太宰が10年ぶりに生家に帰る話、そのときにお世話になった北さん・中畑さんの話。実家・家族とほぼ決別状態になり、中々合わせる顔がない太宰の感情や、それでも太宰に会うとやはり嬉しそうな家族の描写などが面白かった。太宰にしては気持ちよく終わると思ったら、少しイヤな終わり方。そこが太宰。「私は家の内外をもっともっと見て廻りたかった。ひと目見て置きたいところがたくさんたくさんあったのだ。けれどもそれはいかにも図々しい事のようだから、そこの小さい窓から庭を、むさぼるように眺めるだけで我慢する事にした。」
『故郷』『帰去来』の続編。母が危篤になったため再度生家に帰ったときの話。速達の行き違いは何を意味しているのだろう。家族とのかかわり方や家族愛が描かれ、ハートフルな場面があったが、そこにもちょっとした隙間に自意識が忍び込んでるのが太宰らしい。