小学生の読書感想文で挫折していたものを読み返した。これで感想を書くのは酷だと思った。以下、印象に残った箇所。〈もう雨がやんで雲がすっかりなくなり海の水もまるで硝子のように静まってそらがはっきり見えます。〉〈かま猫はもうかなしくて、かなしくて頬のあたりが酸っぱくなり、そこらがきいんと鳴ったりするのをじっとこらえてうつむいて居りました。〉〈ああほんとうにどこまでもどこまでも僕といっしょに行くひはとないだろうか。〉〈仏教の精神によるならば慈悲である、如来の慈悲である完全なる智慧を具えたる愛である、〉

大学の先輩になぜ法学部を選んだのか聞いたときに、伊坂幸太郎の砂漠を読んだのがきっかけと言っていたのを思い出し。以下、印象に残った箇所。〈スポーツなんかに汗を流す奴は、おそらく時間の使い方が分かっていないんだな〉〈思い出は作るものじゃなくて、勝手に、なるものなんだよ。いつの間にか気づいたら思い出になってる、そういうものだよ〉〈学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時はよかったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ〉

以下、印象に残った場面。〈あたたかくて、親しみ深い匂いだった。竹雄の体は、どこもかしこもすべっこい匂いがした。〉

読んでよかった一冊。以下、印象に残った場面。〈まあわたしがいなくて困るひとはみんな死んだのだしいいか。〉〈あとそれから、わたしはたぶん、シンちゃんの人生も壊したなあと思います、それは関係を持つことよりひどいことです。〉〈子どもから愛情を搾取するなど、一生一生一生やってはいけなかった、そのことはお父さんからされたことを通じてよくわかっていました、でもわたしはシンちゃんに同じことをしまいました、そしてより巧妙で悪質なのはわたしのほうでした、〉

小学生の読書感想文で挫折していたものを読み返した。これで感想を書くのは酷だと思った。以下、印象に残った箇所。〈もう雨がやんで雲がすっかりなくなり海の水もまるで硝子のように静まってそらがはっきり見えます。〉〈かま猫はもうかなしくて、かなしくて頬のあたりが酸っぱくなり、そこらがきいんと鳴ったりするのをじっとこらえてうつむいて居りました。〉〈ああほんとうにどこまでもどこまでも僕といっしょに行くひはとないだろうか。〉〈仏教の精神によるならば慈悲である、如来の慈悲である完全なる智慧を具えたる愛である、〉