第12章：結論。第一の自由は自由に移動できる、今いる場所から離れて他の場所へ移動できる自由。第二の自由は誰かに命令されない自由。第三の自由は…長いので略。 訳者あとがき。各章の要約が載っているのでここから読んでもいい。ウェングロウについて。グローバーは亡くなったが、研究者としてはこれからという年齢だった。なお彼の『ブルシット・ジョブ』は著者名共々よく見かけたが「よくあるビジネス書」と思っていたので完全に興味の対象外だった。所で彼が参加した運動について。出典が出典なのでどこまで本当かとは思うが、一応。→

2011年の記事。 「ウオール街占拠運動と"アメリカの秋":これは"カラー革命だろうか"？第一部」 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-6952.html

将軍としての実権は母・政子にあったから余計にそうだったのかもしれない。 第十章：宮廷陰陽道の没落と民間陰陽道の発展。土御門家（安倍氏）は室町幕府に仕えていたものの幕府が緊縮財政を始めると窮迫し、お家も断絶した。江戸時代に復興はなったものの形骸化。その間に散逸した資料は数知れず。代わって民間に流布した陰陽師が発展した。本書では言及がないものの、明治時代には陰陽寮自体が廃止されてしまい、神道へと看板を付け替えた家もあったそうだ。→

ともかく陰陽師と言うと現代ではマジカルな面ばかりが強調されてというかほぼ全てで、式紙とか皇昴とかどーまんせーまんとかそんなのばっか。

九州論者も博多や神湊では不適。結論は福岡県田川郡赤村で、本書刊行時ではこの地は唯一。赤村という指定は、田川郡から三段階で所在地を狭めていった結果。2018年の記事では福永晋三という在野の研究家が田川郡説を提唱し、記事内に坂田隆のコメントも載っている。「本誌がドローンを飛ばしたら「卑弥呼の墓」を見つけたよ」https://friday.kodansha.co.jp/article/6514 陸行は一日11-16km、水行は一日47-57km。これらは中国の史書から求められている。→

最後に参考文献一覧が載っているが、『詭弁論理学』とは…www

ただディアスポラ（離散）は史実ではないとの説もある。それにしてもエルサレムの意味が「平和の都市」とは…。 イランの国名由来は、自らがアーリア人の一派であるとして Ariana が Iran へと転訛したもので、1935年に変更した。なおイラン国営ラジオのWEB版が「ParsToday」でParsがペルシャの語源。日本語版もある→ https://parstoday.ir/ja/ 巻末には普通の横書き索引と辞書ライクな大索引があり、マイナーな国も同程度の扱いになっている。→

それはいいけど肝心の日本の項目が間違っている。本書は一次資料に拠らないので仕方ないが、「日本」は自称ではなく他称で、中国の隋に「日出処天子」と国書で表記したのは聖徳太子ではない。これは『隋書』を読めば分かる。どこに「聖徳太子」とも「厩戸王（うまやどのみこ）」とも書いていない。日本の自称は「やまと」で、これに「倭」「大和」「日本」等を宛てていた。

時代で言えば人類の歴史は先史時代が軽んじられている。とはいえ、歴史教育が古代から始まっているために近現代史が駆け足になっているという不満もあり、要するにコマ数の問題。日本史で言えばアイヌと琉球がほとんど言及されていない。これも尤もなものの、何かと言うと政治が絡むので…彼等について知るのは当然ながら面倒な事態が。 織田信長や聖徳太子の肖像画もデタラメではないか。前者はいくらなんでも誇張がすぎ、後者は等身が人間離れしている。骨が残っている人物に関してはそこからの復元のほうが実物に近い。→

これ以外にも歴史学に人間やダイナミックな流れが感じられない。 各学問の分野で食い違う結論が出ているので、これらを統合した論が出ないだろうか。

『万物の黎明』にはこれに対する反証が多々載っている。王がいなくても、官僚制がなくても、文字がなくても大規模な年を数百年維持できた。残念ながら過渡期的な内容。 前方後円墳について。「首長霊継承儀式説」に対する批判と自説の「前方後円墳国家説」が展開されているが、根拠の薄弱さは大同小異。遺物からイデオロギーをどこまで読み取るかは当人の恣意性に委ねられているといったら言い過ぎだろうか。ただ国家論では、国家とは権力と支配、あるいは利益誘導の二つ以外に共同体の利益を保証する団体と言う提言はむしろ当然と思う。→

この辺りは如何に日本の歴史学にマルクス主義史観が根深いかと言う。 また、弥生時代の風習を推測するために後世のそれを遡及させる是非についても他人のそれを批判しつつ本人も行っており「他人（の説）に厳しく、自分（の説）に甘く」となってしまっている。やりがちだけどね。

地方の豪族武士の命名方法。彼らは実力はあっても官位は大変低い。右（左）衛門尉、右（左）兵衛尉といった所が極官（ごくかん、キャリアハイ）で、これが名前の後に付く。しかし時代が下ると「尉」の字は特別な時以外には外れ「太郎左衛門」という感じになる。それっぽくなってきた。 この方法でも名前がバッティングする様になると、「源氏」の「太郎」で「源太郎」、「平家」の「三郎」で「平三」といった風。ここでも中国風に姓から「源平藤橘」と一文字とって「太次三」にくっつけて名前にする。→

王朝時代、開墾奨励法から免税特権という特例が付いた荘園が増加し、名主が発生する。この辺りが後の戦国大名と荘園の関係につながる訳だ。 更に源平合戦後の事情から代官制度が起こった。 帆か、地侍・国侍・郷士が新領主を苦しめた例も面白い。 床波（とこなみ）や石黒、十時（ととき）の由来。これらは漢字ではなくカナを読まないと意味が分からない。

参考→http://www.jojikanehira.com/archives/15377873.html 第七章：比較の実例。ここではオーストロネシア語を起源とする語が多数挙げられている。まさかこれまでという位たくさん。 第八章：日本語動詞ステムおよび古代日本語の活用に関する覚え書き。ここではアルタイ語起源の方が多い。→

むすび。結論「原始日本語はアルタイ・ツングース的精神を持つ南島語である」。縄文時代に南島語が話されており、縄文後期から弥生時代頃にアルタイ・ツングース語が入ってきて日本語が形成されたと見ている。これまで日本語の起源が不明だったのは南島語と日本語の関係が研究されなかったからではないかとして、本研究を行った理由としている。このオーストロネシア語説は後継者もいるのでいずれ読んでみる。また最新の日本語起源説についても知りたい。

第12章：結論。第一の自由は自由に移動できる、今いる場所から離れて他の場所へ移動できる自由。第二の自由は誰かに命令されない自由。第三の自由は…長いので略。 訳者あとがき。各章の要約が載っているのでここから読んでもいい。ウェングロウについて。グローバーは亡くなったが、研究者としてはこれからという年齢だった。なお彼の『ブルシット・ジョブ』は著者名共々よく見かけたが「よくあるビジネス書」と思っていたので完全に興味の対象外だった。所で彼が参加した運動について。出典が出典なのでどこまで本当かとは思うが、一応。→

2011年の記事。 「ウオール街占拠運動と"アメリカの秋":これは"カラー革命だろうか"？第一部」 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-6952.html