読書メーター KADOKAWA Group

2024年4月の読書メーターまとめ

くまたす
読んだ本
4
読んだページ
1010ページ
感想・レビュー
4
ナイス
108ナイス

2024年4月に読んだ本
4

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

くまたす
★★★★☆36歳の私はマニュアル化されたコンビニという世界で、店員という部品として動く。物事がルール通りに動くこの空間はとても居心地が良い。商品は正しい棚へ、新商品にはポップを、異物は店の外へ。しかし外の世界は「普通に」結婚や就職をしないことに理由が必要で、コンビニのようなマニュアルがないことが少し煩わしい…。マニュアル通りであることを正義とすることへの痛烈な皮肉。白羽は分かりやすい憎まれキャラとして描かれているけど、この世界を否定しつつもこの世界の価値観に縛られているという矛盾が最も人間らしいと思った。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
4

くまたす
★★★★☆高校の入学式で、希代子は不思議な魅力を持つ同級生・朱里に声をかけられる。どのグループにも属さず、自由そうな朱里に憧れる希代子だが、一緒にいると彼女のようになれない自分に劣等感を覚える。そしてある出来事をきっかけに、朱里を手酷く傷つけることを決意する。それはいつしかクラス中を巻き込む事態に発展する…。女子校で繰り広げられる希代子らの人間模様連作集。女の微妙な感情の描写に著者の技量が光る。希代子を叱らなかった母親に闇を見た気がした。恭子と森ちゃんのその先を読みたい。一番魅力的なのは杉ちゃんだと思う。
が「ナイス!」と言っています。
くまたす
★★★★☆36歳の私はマニュアル化されたコンビニという世界で、店員という部品として動く。物事がルール通りに動くこの空間はとても居心地が良い。商品は正しい棚へ、新商品にはポップを、異物は店の外へ。しかし外の世界は「普通に」結婚や就職をしないことに理由が必要で、コンビニのようなマニュアルがないことが少し煩わしい…。マニュアル通りであることを正義とすることへの痛烈な皮肉。白羽は分かりやすい憎まれキャラとして描かれているけど、この世界を否定しつつもこの世界の価値観に縛られているという矛盾が最も人間らしいと思った。
が「ナイス!」と言っています。
くまたす
★★★★☆高校3年生の優子には父親が3人、母親が2人いる。実の親やその再婚相手の離婚と再婚により、いくつもの家庭を渡り歩いてきた。今の父親・森宮さんはまだ37歳だけど、父親らしくあろうと頑張ってくれている。でも時々ギクシャクしてしまうのは、血の繋がりがないからだろうか…。家族小説を得意とする著者の真骨頂。家族とは、血の繋がりとは何か、考えさせられた。最初は平気で子供を手放す親を理解できなかったけど、最後に理由が分かると泣けた。バトンとは親から親へ、という意味だけではないようだ。沢山の人に読んでほしい。
くまたす
2024/04/21 11:06

著者の作品はデビュー当初から「血の繋がりはなくても家族になれる」というテーマのものが多かったけど、本作は「血の繋がりがあってもなくても、家族をやっていくには大切なことがある」ことを気付かされた。優子はどの親とも他人同士だから、と気を使うけど、よく考えれば実の親でも他人でも、家族になるなら気遣いは必要だし、相手を傷つけてはいけないもの。

くまたす
2024/04/21 11:11

問題提起もあった。共同親権の法案が国会で審議されるというタイムリーなタイミングで読んだ。親に連れ回される子供は無力だ。離婚したら、親子の縁も切れてしまうのだろうか。

が「ナイス!」と言っています。
くまたす
★★★★☆被災地ツアーを販売する旅行会社・ジャングルで働くコ・ヨナは、出張扱いで自社のツアーを旅行者として査定するよう命じられ、ベトナムにある被災地のツアーに参加する。ひょんなことから帰国しそこねたヨナは、その被災地で画策される常軌を逸したプロジェクトに巻き込まれる。淡々とした文章に背筋が寒くなるのを感じながらページを捲るも、最後まで全く展開が読めなかった。ヒッチコックの映画を見ているよう。被災者を憐れむまでがエンタメになる被災地ツーリズムの狂気と歪み。消費される命。「災害」って何だろうと考えさせられる。
くまたす
2024/04/17 23:54

図書館のおすすめコーナーになかったら、絶対にこの本と出会うことはなかったろう。本との縁は不思議だなぁ。災害の多い国に住む身としては、被災地ツーリズムに考えさせられた。被災者の悲しみや、被災地にあった物語をエンタメとして消費していないか?と。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/10/27(1660日経過)
記録初日
2019/10/27(1660日経過)
読んだ本
597冊(1日平均0.36冊)
読んだページ
205266ページ(1日平均123ページ)
感想・レビュー
232件(投稿率38.9%)
本棚
5棚
性別
年齢
35歳
現住所
東京都
自己紹介

読書ペースはその時々、多ければ年100~120冊、少なければ0冊。近所の図書館のサービスが良く、基本的には図書館本。
貪欲に読書を楽しむ派です。マンガも大好きですが、キリがないのでここでは主に小説だけ記録しています。読んだ作品はできるだけ5段階評価で感想を書きますが、星5はできるだけ出さないようにしています。

★×5…めっちゃお薦め!!好みはあれど、読後に絶対「何か」が残る!図書館で借りて読んだけど、お金出して買う価値がある!
★×4…面白い!読んでよかった!
★×3…面白いけど再読はしない。軽い読み物にちょうど良い
★×2…よく分からない…。1年後にはタイトル忘れそう
★×1…時間無駄にした(>_<)

<好きな作家>
古井由吉
藤沢周平
横溝正史
江戸川乱歩
横山秀夫
大沢在昌
吉田修一
笹本凌平

湯本香樹実
小川洋子
恩田陸
瀬尾まいこ
三浦綾子
辻村深月
角田光代

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう