腕自慢の父がお客さんに愛されていることを知って家業の床屋を継ぐ決心をする『閉じない鋏』と、あわやホームの接触事故で命の危機からとっさに救ってくれた恩人にやっと会うことが叶ったキヨスクで働く女性の話『ホームドア』が良かった。

たくさんの失礼な偏見に立ち向かった氷室冴子女史。しかし、処女ですかの質問は無いだろうよ！良くも悪くもずっと少女を持ち続ける冴子女史、あの頃の仲間とあの頃のままの温度で会話をしたい。でも友は今の生活をしゃべり、上書きしてきちゃう。。。難しい。

40代以上の女性が暮らす若葉荘。自室はあるけどご飯も一緒に食べることが出来たりとか、いいな。40歳独身アルバイトのミチル、コロナで出勤が減っていくのは不安だったろうな。あの時誰かとしゃべれるってすごく大事だったと思う。

そうなのよ。変なの送ってくるのよ。そして荷物を受け取るのも届いたよの電話するのも面倒だったという私。。。育ちの良い彼氏に母からの小包だと嘘をついてしまってるお話が気になった。正直になってとアドバイスをする農家さんが良かった。どうか幸せに。中身がダサかろうと、送られてくるってコトは気にして貰ってるってことだよね。小包が送られてくること自体が幸せなんだと今思う

それぞれのお話は悪くないのですが、いやいやいや離婚率がすごいんだけど。短編10のうち離婚7、ちょっと多いよー。ロックの一発屋の話が良かった。ちゃんと彼女捕まえてね！

あのイラストから勝手に無味無臭なイメージを持ってしまうのだけど、そうそう、かなり行動的で性に対しても率直なとこある。あの平安顔なイラストに図々しくも親近感を抱いていると突然突き放されちゃうの。若い子に負けたくない、異性に私の存在をを認識させたい、こういう欲をオブラートに包まず言うのってすごいなと思う。

『てっぺん信号』の自意識過剰なカンジが笑えた。『モーガン』、同性である安全の中でうっすら芽生えた憧れみたいな感情が、恋愛なのか親愛なのかわからないまま永遠に途絶えてしまう。少女の時代と一緒に永遠のサヨナラが辛い。『きよしこの夜』、好きって言ってくれた子がなんか勝手にずっとキープ枠にいて、それで大分経ってからこっちから付き合ってもいいよと言ったらフラれちゃうのがあるよねーと思った。

ヤクザとの対峙もものともしないのカッコよすぎ！上流の方はおおらかでかつ気遣いの出来る人だな、当たり前だけどお金使っても嫌らしくないし、お金の余裕は心の余裕よねー。登場人物たちが更に生き生きと動き回り読み応えがありました。鮫島の溢れるアイデアが楽しかった。

御自宅にまでブランド品を詰め込んだバッグを持って行商とか、すごい世界！売り上げ高も桁違いよね！聞いたことないハイブランドをググり、ほおーと感心しながら読みました。周りにチラチライイ男が揃っていてドラマになりそうと思ったらなってたあ！

つらかったのね。些細なことも積み重なって母の影響強く人間形成されちゃって、こんな私に誰がしたって恨んじゃうよね。老いたって向こうは親の態度崩さないしね。許せた方がラクなんだよね、わかるな。ただ、反抗期やってんのは親への甘えとも思う。ビジネスライクに親孝行出来ればいいのだけどね。青木さんはとても賢いのだけどホントのホントは心開かないのだなー。

真面目に生きてる人々のふとした出会い。心にすすっと風を起こして前に向かっていく物語が詰まってました。 奥さんのために女だらけのなか着付け教室に通う『結い言』、 とても好きになれない母の結婚相手から聞いた、母との浅草寺の想い出『鬼灯』が特に好き。心にしんみり染み渡りました。

腕自慢の父がお客さんに愛されていることを知って家業の床屋を継ぐ決心をする『閉じない鋏』と、あわやホームの接触事故で命の危機からとっさに救ってくれた恩人にやっと会うことが叶ったキヨスクで働く女性の話『ホームドア』が良かった。

キン肉マン消しゴムとか、多分同年代！こどもの冒険を後押しする父がよかった。びんぼうでもちっともいじけたところの無いタケちゃん。ヤッちゃんとタケちゃんが変わらず友達だったこと、すごく嬉しい！

一生のうちに受け取るプレゼント。名前、ランドセル、たくさんあったしこの先の人生でも貰うんだろうな。最後に感謝して一生を終えれたのは理想的だなと思う。モノもだけど送ってくれた相手の気持ちも一緒にプレゼントだよね。自分はランドセルは覚えてないけど包装紙に包まれたキティちゃんの文具セット貰ったのすごく覚えてる。松尾たいこさんの絵が素敵でした。

あんまり活躍できなかった阪神の仁藤全と過去のある理容師の仁恵を中心にした、架空の物語。誰もが温かい(仁恵の元旦那以外) 全の魂のホームランゲームは泣けて泣けてしょうがなかった。仁恵と一緒にバックネット裏からハラハラしたけど、全、あんたカッコいいよ！全のまっすぐさに惹かれる。元チームメイトやスカウトマン、さらに敵のピッチャー。すべてが温かく誰もが全の力を信じて幸せを願っている。チャー・シュー・メンで打っちゃうの笑った！みんなどうかお幸せに！(元旦那以外ね)

初めて作家さん。エッセイなのか創作なのか長いつぶやきなのか、、どこまでが妄想なのかその境がわからず最初ちんぷんかんぷんでしたがじわじわ面白くなってきました。

50歳を迎えパートの聖子の悩みは生理がスッキリあがるのかと女性経験のなさそうな大学生の一人息子のこと。ん、地味な話？と思ったら、、、インテリ会話の出来る夫マモさんいいじゃん！初恋の相手の息子である若いイケメンも聖子にちょっかいだしてくるし、新しい勤め先で出会った男は手先が器用でしかも物知り、なんだよモテモテじゃんーそうならないだけでなんだか賑やかだわ！そんで息子がいきなりウルトラC決めてびっくり！やるじゃん！ドラマ化して欲しい

高校時代のごちゃごちゃと楽しい日々が伝わった。渦中に楽しいと思っていたかは謎だけど、バラバラと言われたサンノナナが同窓会ではいちばんの盛況ぶりということからも、あの時代を楽しく思っている仲間がたくさんいるって言うことでうらやましいな。満開の花の下、これからいっぱいいいことがあるんだなあーに涙ぐむヘルパーさん、わかるよ。私たちにはもう残された時間に“いっぱい”がない。あのキラキラの時間、満開の花、まぶしいよね

仕事を覚えていくこと、働いてくこと、先に社会に出ている人たちに敬意を払いたいと思った(今更感）。障害を持った人と働く『わが社のマニュアル』、サラリーマンの父と仕事に悩む娘の野球観戦を通じた交流を描いた『サラリーマンの父と娘』が良かった。