婚約者が失踪するという緊急事態の中でも、ふと式場のキャンセル料がいつからかかるのかを確認したり、婚活が振り出しに戻ることに落胆してしまったりという、普通のフィクションでは描かれることのない、人間の残酷なまでにリアルな心の動きが描かれていて面白かった。現実以上に、現実を感じる小説だった。また、恋愛がどんどん資本主義化しているという、私の実感ともリンクする内容だった。架が、婚活は就活に似ていると述べているが、私も全くその通りだと思った。

三島由紀夫初読み！多分、『金閣寺』とか『仮面の告白』から入るのが普通なんだろうなと思いつつ、読了。こんな軽い感じの話も書くんだと、意外に思った。何よりも、タイトルが秀逸。

婚約者が失踪するという緊急事態の中でも、ふと式場のキャンセル料がいつからかかるのかを確認したり、婚活が振り出しに戻ることに落胆してしまったりという、普通のフィクションでは描かれることのない、人間の残酷なまでにリアルな心の動きが描かれていて面白かった。現実以上に、現実を感じる小説だった。また、恋愛がどんどん資本主義化しているという、私の実感ともリンクする内容だった。架が、婚活は就活に似ていると述べているが、私も全くその通りだと思った。