ネタバレ本格ミステリ。過去の事件と現代とが重なりあいながら展開していき、読む手をとまらなくさせる濃厚な一冊でした。登場人物もそれぞれイメージしやすいキャラクターだったので、読みやすかった。アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』をまだ覚えていたので、重なるイメージや小瓶のくだりに余韻を感じながら読了。怖いけれど、他の館シリーズも気になります。本作品、どうやって映像化したのかも気になるところ。再読でほとんど内容は覚えていなかったのですが、なぜか水断ちのところだけ覚えていました。不思議。

ネタバレすこしこわいタイプのどんでん返し系の短編集。苦い感じの後味。『妖精の学校』はどういうことなのか検索してしまいました。批判的思考力養ったり、外の世界がどうなっているのか知りたい！と思うことってとても大事。自分の常識が正解ではないのだという謙虚な姿勢をもち続けたい。こわいけれど、切なさもあって印象深かったのは『終の童話』。最近は救いのある物語を求めることが個人的にも多くなってきたけれど、かつては、こういう救いようのない理不尽さみたいなものに共感していた時があったなぁとしみじみしてしまいました。

ネタバレ再読。前回は純粋な短編小説だと思い込み、長い時間をかけて読んでしまって、人物関係を覚えられなかったので、今回は一気に読んだ。なんとなく織田家を中心に据えると関係が見えやすいのかなと思う。短編小説としても充分面白いのだけれど、人物関係の繋がりが見えてくると、より一層面白い。本当だったら、長い時間をかけないとわからない偶然(奇跡)が一気に見えてきて、本っていいなとしみじみ。「どうして彼のことが好きなの？」という質問に「わたしと彼と娘の組み合わせが好き」っていうことば、素敵。組み合わせが好きっていいよね。

ネタバレ再読。前回は、芥川龍之介「藪の中」みたいな構成がとにかく面白くて、夢中になって読んだことを思い出す。形式などは覚えていたのだけれど、内容は忘れてしまっていたところもあったので、今回、こんなに怖かった本だったっけと震えながら読了。どの章からも自分は正常だと語る言葉の内側から、狂いが漏れ出ているような印象。最後の最後まで救いを排除することに徹底している。それぞれの語り手の信用できなさと内容がうまくマッチしているのだなと思う。言葉ってこわいとつくづく思わせられる。

ネタバレ本格ミステリ。過去の事件と現代とが重なりあいながら展開していき、読む手をとまらなくさせる濃厚な一冊でした。登場人物もそれぞれイメージしやすいキャラクターだったので、読みやすかった。アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』をまだ覚えていたので、重なるイメージや小瓶のくだりに余韻を感じながら読了。怖いけれど、他の館シリーズも気になります。本作品、どうやって映像化したのかも気になるところ。再読でほとんど内容は覚えていなかったのですが、なぜか水断ちのところだけ覚えていました。不思議。

ネタバレ近藤さんミステリ。自分に嘘をつき続けること、自分にとって大切なものを偽り続けることはやはりしんどいのだと思う。最後は、それぞれが落ち着くべきところに落ち着いてよかった。マイナスが出たときに、取り返そうとして深みにはまってしまう気持ちは、なんとなく理解できる。コンコルド効果という名称なのだと他の本で知って、損をしていたとしてもしかるべきタイミングでうまく断ち切るということがどんなにたいへんでいかに大事なことかを知りました。それにしても、ナナちゃんの飼い主はかわいそうだったなぁ。

ネタバレドラえもん敬愛の本書。ドラえもん好きなのでおもしろく読んでいた一方で、若尾さんのインパクトが強くて苦しかった。早く縁を切ってほしいと思いつつ、閉塞感のある関係の中で弱さが弱さを呼び込んでしまうことがあるのかもしれないとも思う。後半で別所さんの正体がわかったところで、もう一度読み直したくなる。父である別所くんが告白する同級生のことを美人だといっているところが好き。sukoshi fukouと娘から名付けられるが、母は幸せだったに違いない。テキオー灯の使い方がなんともおしゃれ。どこにいても呼吸できますように。