ネタバレ搾取子だった子がデリヘルまで転落したのち囲い（ホームレスに生保貰わせ巻き上げる商売）してる半ヤとつるんで保険金殺人を繰り返してからその親玉を殺し自分の身代わりの孤独死死体を用意した上で母親殺し&整形もして素敵な喫茶店を始める話。バイオレットは絶対怪しいと思ってた！すみれちゃんかわいそう。「あなた」て語りがやけに詳しすぎるのはそういうことだったんだね。上手い話で一気に読んだ。最後に蒸発した父親の末路がわかるのもよくできてる。ただ女性刑事の過去の複雑な事情は別にいらんくない？母親としては色々身につまされた。

ネタバレ再読。これが専業作家でいくと決めて初の長編だったのかーとかこれで軽井沢には住んでなかった時なのかとかまだカーに出会ってなかった頃かとか知って読むとまた面白い。再読おいといても犯人はわかりやすいし（そもそも表紙が割とあれ）この会話が後に重要な意味をもつとは…的な伏線は大体放置だし過去の事件と犯人の繋がりも唐突だけど、あとやっぱり目撃者の真ん前でナイフ投げてましたは無理があるけど、色んな登場人物に人間模様、事件も場面も様々あり飽きさせない。カー後なら塔や怪人の表現はもっとおどろおどろしい感じになってたのかも。

ネタバレ短編6つ。佳作揃い。作者の嗜好や経験が興味深い。「鬼火」敵愾心もりもりな二人の従兄弟が女を取り合ったり罠にかけたり事故でスケキヨったりそれはそれとして唐突なホモ告白があったりする。構成も描写もいい。これが1日30分ずつ書いてたやつか…濃厚…と感動した。「蔵の中」遠眼鏡で雑誌編集の私生活を覗く結核少年の話。作中作がどこまでなのか、読んでて混乱しつつもおもろくなってくる。最後コミカルに落ちるのかと思いきやお耽美に振り戻して幕。「かいやぐら」闘病。「貝殻館」小粒。「蝋人」去勢すな！旦那心狭い。「面影双紙」良い。

ネタバレ中編2つ。どっちも面白かった。「塙侯爵〜」ハナワとは読まない。侯爵家の七男をそっくりさんと入れ替えて操って跡継ぎにさせたつもりが利用されてたのは自分の方だった大佐の話。結局怪しい女は誰やったん？本物安道は実は阿片はやってなくて須藤はぐる？女性陣が軒並み可哀想。などあるけど捻りが利いてて楽しめた。「孔雀〜」夫の弟子に横恋慕して振られたので腹いせに殺人容疑で破滅させようとする人妻の話。ジュリアンまで死ぬのつらい。人妻最後に姿を現さなければそのうち夫婦は破綻しただろうに。圭子さんクリスティの女主人公ぽい。好き。

ネタバレ表題作が処女作だというので読んでみた。シンプルな筋だけど導入の不気味な描写や嘘を見破った論拠、1人変わった行動をしてた人物の伏線など既に整っている感。19歳かー。他の短編も今となってはわかりやすいものも多いがファンとして感慨深く楽しめた。「深紅」色盲。「画室」アトリエ情婦と一捻り。「丘」手鞠唄を思い出す。「酒場」いまいち。「広告」設定おもろ。「時計」悪魔の降誕祭思い出す。悲劇。「災難」災難。「郵便」ストーカー可哀想。「飾り窓」手の込んだ広告。「犯罪を」長編にできそう。「執念」札を蝋燭の芯に。「断髪」酷い。

ネタバレ10分程度で流し読める。そうはならんやろとそうはならんやろの連続の後に作中第二位のそうはならんやろ（犯人の日記）がきてその後第一位のそうはならんやろ（黒幕の暴露と暗黒微笑）がきて終わり。ネタ的にはもっと構成や表現やキャラクターや背景描写を練った上でじっくり書いて体裁も整えれば少しは読めるものにならなくもなかったような気はする。タイトルも私は旧版の方が僅差でましだと思った。表紙は腐の人に副業サイトとかで依頼したのかな。これも合ってない。サムネだけだとどう見てもBL。プロっていいなと感じたい時におすすめ。

ネタバレ搾取子だった子がデリヘルまで転落したのち囲い（ホームレスに生保貰わせ巻き上げる商売）してる半ヤとつるんで保険金殺人を繰り返してからその親玉を殺し自分の身代わりの孤独死死体を用意した上で母親殺し&整形もして素敵な喫茶店を始める話。バイオレットは絶対怪しいと思ってた！すみれちゃんかわいそう。「あなた」て語りがやけに詳しすぎるのはそういうことだったんだね。上手い話で一気に読んだ。最後に蒸発した父親の末路がわかるのもよくできてる。ただ女性刑事の過去の複雑な事情は別にいらんくない？母親としては色々身につまされた。

ネタバレ昔五人組で義賊的な泥棒をしてた爺ちゃんが最後の盗みで失敗し凄いダイヤを目前にしながら盗まなかったのにその元仲間の一人の息子に本当は盗んで隠し持ってるはずと思い込まれて孫を誘拐されレギュラーおじ達と共に色々解決する話。ダイヤがあるとふんで宝石屋社長宅に厳重な警備の中忍び込んだら隠し金庫には超レアカードしかなかったり元メカニック担当のおばちゃんが車改造して道なき道を爆走したり夏目さんとひよりが意外とちゃんとくっついたりする。ナナさん素敵。千代女さんかっこいい！Aチームみたい。ドキドキしたけど大団円でよかった。

ネタバレ【クリスティのネタバレ注意】文士界乱れすぎ皆性格悪すぎで序盤だいぶ引いたが慣れると思ったより楽しめた。僻地の村の広大な屋敷、適当な間取り図と周辺見取り図、いいなあわくわくする。ただオチは相当陳腐というかクリスティ色々混ぜました感がすごい。ナイルに〜と白昼の〜とABCとあと何だ？作中でも台詞に出てくるし好きだったんかな。私も好き！唐突な乱闘の流れは確かに違和感あったのに犯人の見当がついてからもそこは気付かなかった。冒頭の胡蝶さん狙いの話とか加代子さんの恋心の話はどこへ。地味に諸井さん拷問エピが一番怖かった。

ネタバレ再読のはず。岡山の田舎の温泉宿出身のたらしが神戸から妻と子を連れ身分を偽って里帰りしたところ丁重にもてなされたので見境なくたらしまくり種植えまくりしてたら正妻に殺される話。がうまく迷宮入りしてたのに種たちがそれぞれ大きくなって問題が出てきたためまた正妻が色々殺して回る話。とにかく全部たらしが悪い。大体忘れてて楽しめた。若者たちの岡山弁のやり取りがいい、あと水蜜桃おいしそう。皆にもててる村の好青年は横溝界では大抵碌な目に遭わない。最後は前向きなエンドでよかったけど磯川警部の秘密のロマンスは要らんくない？

ネタバレ迷宮入りしてた医者殺しを追いつつ周辺の小事件を解決していく連作短編集。「ストーカー」モテイケメンがモテ故に口説き方がわからず先輩OLをストーキング。「縄文人」彼氏が心変わりしたので狂言通り魔を自演する。そういうとこだよ。「消えた」町内会の若手が年寄りの横暴に耐えかねフルートを盗む。メゾン〜が退職警察官の孤独を救うため作られたことも判明。「絡み合う」不良にゆすられてた青年が彼らのせいになるだろうと室外機等盗む。医者殺しは日雇いの男の仕業で怪しかったおばさんは息子のホームレス殺しを隠すため怪しげに振舞ってた。

ネタバレ紙管とキッチンタイマーを使った偽爆弾が各所に仕掛けられ毎回空振りでよかったねしてるうち刑事が爆弾爆発に巻き込まれたりその犯人が海の生き物について語ってから見せつけ自殺したり実はそれらの本番は大規模水族館のお披露目時かつ二段構えな本格テロだったりした話。長編な分色々盛り沢山ででも軽く読めて楽しかった。ひよりのおっさん倦厭も控えめだしちゃんと活躍もする。退職刑事の門出に宝船模様アームカバーの高平さん良い。臭いが水槽じゃなくネイルかも？のとこは珍しくナナさんの意味があってわくわくしたけど結局無関係で残念だった。

ネタバレ男運のすごく悪い女性がろくでもない男を好きになっては殺されかけたり薬漬けにされたり殺人の傀儡にされたりした挙句最後に惚れ込んだ男も財産目当ての本命別だったので殺す話。だったと思う。色々重なって心身ヘロヘロな時期に間を空けつつ読んだので記憶が曖昧。ただカーの処女作と聞いて想像してたより怪奇趣味も不可能趣味もカップルくっつけ趣味も薄めだった。終わり方も唐突。庭仕事用の鏝って結局何だったの？とはいえ軽めに読めるカーで楽しめた。横溝版『夜歩く』との共通項はなかったっぽい。あっちは単なる夢遊病からの名付けなのかな。