読書メーター KADOKAWA Group

2024年4月の読書メーターまとめ

ユビヲクワエルナマケモノ
読んだ本
6
読んだページ
2174ページ
感想・レビュー
6
ナイス
74ナイス

2024年4月に読んだ本
6

2024年4月のお気に入り登録
1

  • クオード

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ユビヲクワエルナマケモノ
パーマストンはアヘン戦争で元々印象が悪かったが、『クリミア戦争』で益々悪化して俄然興味が出て読む(笑)ウィーン体制のメッテルニヒとビスマルク時代の間はパーマストン時代と呼ぶべき程当時の欧州外交の中心人物であり、英国の内政上も保守党と自由党の二大政党制への過渡期の首相(初の組閣では史上最高齢)として重要な役割を果たしたことが分かった。確かに彼が会議外交を通して欧州の戦乱を防ごうとした点はあると思うが、クリミア戦争や清・インドへの対応を併せて考えると、「優雅な外交」とはいささかロマンティックに過ぎないか。
ユビヲクワエルナマケモノ
2024/04/29 00:22

彼の外交の本質は彼自身の発言に最もよく表れていると思う。「イギリスには永遠の同盟国もなければ、永遠の敵対国もない。イギリスの利益こそが永遠であって、不滅なのだ」

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
6

ユビヲクワエルナマケモノ
パーマストンはアヘン戦争で元々印象が悪かったが、『クリミア戦争』で益々悪化して俄然興味が出て読む(笑)ウィーン体制のメッテルニヒとビスマルク時代の間はパーマストン時代と呼ぶべき程当時の欧州外交の中心人物であり、英国の内政上も保守党と自由党の二大政党制への過渡期の首相(初の組閣では史上最高齢)として重要な役割を果たしたことが分かった。確かに彼が会議外交を通して欧州の戦乱を防ごうとした点はあると思うが、クリミア戦争や清・インドへの対応を併せて考えると、「優雅な外交」とはいささかロマンティックに過ぎないか。
ユビヲクワエルナマケモノ
2024/04/29 00:22

彼の外交の本質は彼自身の発言に最もよく表れていると思う。「イギリスには永遠の同盟国もなければ、永遠の敵対国もない。イギリスの利益こそが永遠であって、不滅なのだ」

が「ナイス!」と言っています。
ユビヲクワエルナマケモノ
西欧、正教のロシア、イスラムのオスマン帝国の三つの「世界」が交差するワラキア・モルドヴァを焦点とするが、先に読んだ『クリミア戦争』はまさにこの地を序盤戦として始まる。やたら回数の多い露土戦争と長ったらしい名の割に中身がぼんやりしている条約を覚えさせられて辟易していた部分だが、本書のおかげで大分この辺の事情が頭の中で整理できた。終章で著者が「経済的側面を十分検討することができなかった」と述べているが、トルコをめぐる西欧とロシアの角逐を理解する上で、この地域との通商関係の実態はもっと掘り下げられると面白い。
が「ナイス!」と言っています。
ユビヲクワエルナマケモノ
下巻はセヴァストポリ攻防戦、そして戦後処理と残した影響について。パリ条約がロシアには「前例のない屈辱的扱い」で、失ったものを取り返すべくその矛先は中央アジアへ向かい、露土戦争で最終的に「敗戦によってこうむったすべての損失を回復した」という大きな流れの解説がありがたい。また、外科手術に麻酔を導入し、トリアージの手法を確立したのがこの時のロシア軍医だとか、米が露に同情的で後のアラスカ売却の伏線につながったといったことも初めて知ることができた。単純な戦史ではなく、読めば世界史への理解が深まること請け合いである。
洋書好きな読書モンガー
2024/04/25 12:56

ユビヲクワエルナマケモノさんの影響で、キャサリン・メリデール著「クレムリン上下」借りて来てしまった(°▽°)。彼女の著書は「イワンの戦争」が本棚にある。クレムリン上はモスクワ大公国からエカチェリーナ大帝まで。下はその後からプーチンまでのロシア通史。

ユビヲクワエルナマケモノ
2024/04/26 00:18

現代も現代、プーチンまでカバーしているのは面白そうですね! 『イワンの戦争』もなかなかハードな内容で(^-^; 『クリミア戦争』でロシア側に悪名高いパーマストンに興味が出て、ちょっとそちらに寄り道中です(笑)

が「ナイス!」と言っています。
ユビヲクワエルナマケモノ
上巻は文豪トルストイがセヴァストポリに到着し、いよいよかの攻囲戦が本格化する手前まで。教科書に必ず載っているこの戦争が「その基本的な構想の段階で論理的な誤謬を含んでいただけでなく、作戦の計画も準備も杜撰だった。(中略)英仏両軍の司令部には侵攻すべき地域の正確な地図さえ揃っていなかった」!同盟軍の英仏両軍はお互いへの不信感と侮蔑を露わにし、一致しているのはロシアとトルコへの蔑視。対するロシアも「滅多に素面でいたことのない」指揮官が味方に向かって射撃命令を出して壊滅させる有様。戦争の経過は無茶苦茶である。→
ユビヲクワエルナマケモノ
2024/04/17 14:12

もう一つはロシアの西欧観と西欧のロシア観。ロシアが見ていた西欧はフランス革命前の西欧であり、「ヨーロッパの憲兵」の役割を誇らしく思っているのに対し、当の西欧は絶対王政の殻を残している国もあるとはいえ、時代は確実に革命後の市民社会へ移行した結果、「ヨーロッパの憲兵」は市民社会の敵であって本質的にロシアとは相容れない。その食い違いが本書で紹介されている西欧での反露感情につながっているのではなかろうか。ちょうど勃興期にあったジャーナリズムの売らんかなの動機だけではあの反露感情の盛り上がりにはならないだろう。→

ユビヲクワエルナマケモノ
2024/04/17 14:12

従来この戦争は、英の海洋政策と露の南下政策の対立という要因に焦点が当てられて説明されてきたが、そうしたパワー・ゲーム的な視点からだけの説明(もちろんそういう視点も必要なのだが)では満足できなかったところへ、地理的にも(クリミアだけでなく、カフカスやバルカン地域の動向の記述も詳しい)背景の説明としても幅の広い本書は非常にありがたい。各国の軍隊の性質の違い等、軍事的な観点からの記述も興味深い。当時は仏軍の方が英軍よりも先進的だったとは。

が「ナイス!」と言っています。
ユビヲクワエルナマケモノ
本書は1848年に帝国尚書が編纂した「公式記録」。アレクサンドル一世の崩御からニコライ一世の即位に至る経緯、特にニコライの兄・コンスタンチンではなく、なぜニコライが帝位を継承したのかに記述の重点が置かれている(コンスタンチンの書簡はかなり掲載)。タイトルの「デカブリストの乱」については蜂起から鎮圧までの経緯は詳しいが、思想的背景や乱の参加者についての記述はあまり無い。ニコライ一世自身が「みずから数回にわたって補筆訂正」したのだから、そりゃまあその辺は触れられないだろう。あくまで史料として読むべきもの。
が「ナイス!」と言っています。
ユビヲクワエルナマケモノ
再読。ウナギの様に捉えどころの無い人物。「彼は生涯を通じて、何かの事業をなしとげようとするたびに、怖じ気づくことを繰り返してきた。ささやかな革新でさえ、それが混乱をもたらすことを恐れて、中途で足を止めてしまった。二歩前へ進めば、必ず三歩後退した」。トロワイヤの描くアレクサンドルは、まるでツァーリになった『オブローモフ』である。 そんな彼がなぜ副題通り「ナポレオンを敗走させた男」になれたのか。トロワイヤの解説は実に巧みだ。「突然、玉が溝に落ち込んだように、もう脇目もふらずに目的に向かうときが来る」。→
ユビヲクワエルナマケモノ
2024/04/10 00:26

「そのときの彼が見せる強情さは、彼が重大な決意を下すために乗り越えなければならなかった心の葛藤から、直接に引き出されているかのようだった。彼の力は、弱さから生まれ、彼の最終的な決断は、それに先立つ逡巡の結果なのである」。彼が直接手を下したわけでないにせよ、父帝パーヴェルの暗殺により即位した経緯に生涯苦悩した人間的な弱さの一方、エカテリーナ二世に授けられた帝王学、それが「強い魂と弱い性格」の何とも不可思議な人物を作り上げたのだろう。私は邦訳されているトロワイヤのツァーリ伝で本書が一番好きだ。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

ユビヲクワエルナマケモノ
ユビヲクワエルナマケモノ
27お気に入られ4月の読書メーターまとめ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/11/10(1290日経過)
記録初日
2020/03/25(1520日経過)
読んだ本
245冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
71073ページ(1日平均46ページ)
感想・レビュー
244件(投稿率99.6%)
本棚
7棚
血液型
A型
自己紹介

読書は専ら会社への行き帰りの通勤電車の中。読むのは好きですが、じっと座って読むのは苦手(笑)。従って遅読です。せいぜい月に5、6冊読めるかどうかといった塩梅。
主に世界史関係の本を中心に読みますが、気分次第で特定の時代やテーマ、著者の作品を集中的に連続で読むことがあります。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう