他の方も触れている米朝首脳会談(2019)後の展開は結果的に予想通りには進まなかったが、日本が蚊帳の外に置かれたことは間違いない。米国が自国の安全保障のためには日本を顧みないことが図らずもはっきりした。また、前著作が青少年にも理解できるようかみ砕いた平易な文章と分かりやすい丁寧な論理展開に意を払っていたが、この2はそれに対する反論などに対し疎漏ないように緻密な論拠を示すことで論理文筆致になっている。年配層のリベラル派、保守派に対し、青年たちに未来を託さんと時代を生きた大人の責任を果たそうと語り掛けている。
著者も3章で触れているが、CIAからの資金供与がロッキード社など日本でビジネスを行う米国企業を通じて行われるという構図は、ロッキード事件そのものの意味を大きく変えて解釈することが求められる。グラマン事件が尻すぼみになったのも、灰色のまま追及が停まった政治家(後に首相になった者含め)が政治家生命を終えなかったのも、すべて米国の田中角栄への懲罰というシナリオが補強され、フルブライト留学生の小室直樹が田中角栄を死後も高く評価したか、この一本の補助線で腑に落ちた。窓口を替え資金提供は恐らく今も続いているはず。
他の方も触れている米朝首脳会談(2019)後の展開は結果的に予想通りには進まなかったが、日本が蚊帳の外に置かれたことは間違いない。米国が自国の安全保障のためには日本を顧みないことが図らずもはっきりした。また、前著作が青少年にも理解できるようかみ砕いた平易な文章と分かりやすい丁寧な論理展開に意を払っていたが、この2はそれに対する反論などに対し疎漏ないように緻密な論拠を示すことで論理文筆致になっている。年配層のリベラル派、保守派に対し、青年たちに未来を託さんと時代を生きた大人の責任を果たそうと語り掛けている。
最近のロシアや中共を挙げ米国をかばう意見がでそうだが、米国は朝鮮戦争以降でも、ベトナム、カンボジア、レバノン、ドミニカ、グレナダ、パナマ、湾岸戦争、ボスニアヘルツェゴビナ、ハイチ、アフガニスタン、イラク侵攻、ソマリア、リビア、などへ直接軍事介入し、キューバやイランなどに圧力をかけ自国利権や権力の維持を図ってきている。イスラエルへの姿勢も同じ。一般人を殺戮してきた人数は米国が圧倒的ではないか? また、大手報道機関も分かっていても相手がでか過ぎて、既知の事として見ないふりや手先になっているのでは。
小説、歴史、ドキュメント、いろんなジャンルに及んでいます。好みや興味が湧いたらその周辺をあさり、併読することが多いです。
好きな小説家は、独特の世界観を創り出す小野不由美女史、なぜこういう新しく染み込みやすい文章表現をできるのかと感嘆する宮部みゆき女史。
ライフワークとしていまの日本と日本人を感情的にならず正当に評価できる書籍をもとめて、徘徊中。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
著者も3章で触れているが、CIAからの資金供与がロッキード社など日本でビジネスを行う米国企業を通じて行われるという構図は、ロッキード事件そのものの意味を大きく変えて解釈することが求められる。グラマン事件が尻すぼみになったのも、灰色のまま追及が停まった政治家(後に首相になった者含め)が政治家生命を終えなかったのも、すべて米国の田中角栄への懲罰というシナリオが補強され、フルブライト留学生の小室直樹が田中角栄を死後も高く評価したか、この一本の補助線で腑に落ちた。窓口を替え資金提供は恐らく今も続いているはず。