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2024年5月の読書メーターまとめ

Natsuki
読んだ本
11
読んだページ
3182ページ
感想・レビュー
3
ナイス
20ナイス

2024年5月に読んだ本
11

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Natsuki
思った以上に時代を遡って古代の人々の宇宙観や占星術の話が続いたので、「これは本当に(弱い/強い)人間原理の話につながるのか…?」と不安になりながら読んでいたが、何も心配することはなく読み進めるほどに前半の伏線が効いてくる構成になっていてうなった。どことなく翻訳調に感じるのは著者に対する先入観のためか話題のためか分からないが、それも相まって歴史小説かミステリーでも読んでいるようなワクワク感があった。「人間原理ってすごーく大局的な考え方で『それを言っちゃ身も蓋もない』こと言ってるよね」くらいの感覚でいたので、
Natsuki
2024/05/02 14:22

考えたのだから常識の力はすごい。新しいパラダイムでは「いや当たり前じゃん」と思うことも、以前のパラダイムでは「とんでもない」とされるのだから、歴史に名を残す学者たちの苦労はやはりとてつもないものなのだろう。多世界解釈も数ある理論のうちの一つくらいの認識でいたが、業界ではすでに(といってもこの本は10年前に刊行されたのだけど)デフォルトになっているとのことで驚いた。「解釈」という言葉に引っ張られていたが、オリジナルの「世界アンサンブル」や「多宇宙ヴィジョン」という呼び方、量子力学における「強制」の考え方を

Natsuki
2024/05/02 14:28

知れたのは大きかった。インフレーション・モデルの提唱者として強調されていた佐藤勝彦さん、お名前はよく見るがたしかにその印象はなかったので、意外と知らないものなのだと思った。初めは人間原理を毛嫌いしていたという青木さんがどういう結末をもって筆を擱くのか最後まで分からなかったが、さすがに科学の本領とこれからへの期待で締めくくられておりさわやかな読了感だった。こうした破格のスケールでの話題には時おり足がすくむような感覚になるが、まさにパラダイムシフトを経験できるかもしれない時代に生きていることを幸運に思う。

が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
3

Natsuki
ネタバレinsaneとlunaticのはざまにある世界を生き抜くためには信仰が必要だ。ある程度の規模と歴史をもつとそれは「宗教」と呼ばれる。自分たちのものではない信仰の世界に迷い込んだ二人が目的を果たしその世界を出ていくまで(つまり最後まで)、はらはらし通しだった。きっと読者のためだろう、途中から入り組んできた時系列の補足をしてくれているのが有難い。最後の数章は滑らかに時間がつながっていることに、じんわり安堵と祝福の気持ちを覚えた。
が「ナイス!」と言っています。
Natsuki
長田さんの言葉には特別なリズムがある。自分と、自分ではない誰かの間の存在が読み聞かせてくれているような感覚になる。自然と息をつめて耳を澄ませ、ページを繰る音もなるべくたてないようにしていることに気がつく。言葉というものに幻滅しそうになったとき、まだ言葉の洪水に飲み込まれたことのなかった頃に戻りたいとき、長田さんの紡ぐ言葉が("紡ぐ"という表現はこういう言葉のためにあるのだろう)きまって私を包み込んでくれる。
Natsuki
2024/05/27 09:24

言葉を吸収して気がつけば飲み込まれていて……きっと誰もが通過する不可逆的なイベントなのでしょうね。それでも、心に浸透する言葉に出会えるうちはまだやっていける気がします。

冬将軍
2024/05/27 09:40

Natsukiさんの言われるように心に浸透する言葉、自分を優しく包んでくれる本に出会うと生きた心地がしますね!

が「ナイス!」と言っています。
Natsuki
思った以上に時代を遡って古代の人々の宇宙観や占星術の話が続いたので、「これは本当に(弱い/強い)人間原理の話につながるのか…?」と不安になりながら読んでいたが、何も心配することはなく読み進めるほどに前半の伏線が効いてくる構成になっていてうなった。どことなく翻訳調に感じるのは著者に対する先入観のためか話題のためか分からないが、それも相まって歴史小説かミステリーでも読んでいるようなワクワク感があった。「人間原理ってすごーく大局的な考え方で『それを言っちゃ身も蓋もない』こと言ってるよね」くらいの感覚でいたので、
Natsuki
2024/05/02 14:22

考えたのだから常識の力はすごい。新しいパラダイムでは「いや当たり前じゃん」と思うことも、以前のパラダイムでは「とんでもない」とされるのだから、歴史に名を残す学者たちの苦労はやはりとてつもないものなのだろう。多世界解釈も数ある理論のうちの一つくらいの認識でいたが、業界ではすでに(といってもこの本は10年前に刊行されたのだけど)デフォルトになっているとのことで驚いた。「解釈」という言葉に引っ張られていたが、オリジナルの「世界アンサンブル」や「多宇宙ヴィジョン」という呼び方、量子力学における「強制」の考え方を

Natsuki
2024/05/02 14:28

知れたのは大きかった。インフレーション・モデルの提唱者として強調されていた佐藤勝彦さん、お名前はよく見るがたしかにその印象はなかったので、意外と知らないものなのだと思った。初めは人間原理を毛嫌いしていたという青木さんがどういう結末をもって筆を擱くのか最後まで分からなかったが、さすがに科学の本領とこれからへの期待で締めくくられておりさわやかな読了感だった。こうした破格のスケールでの話題には時おり足がすくむような感覚になるが、まさにパラダイムシフトを経験できるかもしれない時代に生きていることを幸運に思う。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/03/09(1182日経過)
記録初日
2021/01/28(1222日経過)
読んだ本
123冊(1日平均0.10冊)
読んだページ
32586ページ(1日平均26ページ)
感想・レビュー
24件(投稿率19.5%)
本棚
0棚
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