ネタバレ心温まる泣ける話みたいなのってちょっぴり敬遠しちゃうたちだから、ひさしぶりにハートフルな読書体験になった。私も最近は少し忙しくて、こんな風に絵と向き合えているかなぁって考えちゃう。美術展ってどうしても企画展ばかりに目が行っちゃうけれど、常設展は好きな作品にいつでも何度でも会いに行けるところがすごく良い。また週末はふらっと美術館に行きたいな。

ネタバレ装丁が好みすぎて京都のホホホ座で購入。時は中世。教皇の命を受け、旅などしたことないはずの父が残した信用ならない東方旅行記をもとにプレスター・ジョンの王国を探しに旅に出る話。子供の頃の、海の向こうはどんな世界が広がってるんだろって気持ちを思い出す茶目っ気たっぷりで魅力的な一冊。主人公のひねくれた感じもクスクス笑えて読み易い。久々に子どもの時みたいにわくわくしながら読んだ。地図と絵が素敵すぎて、何度も絵の頁へ戻りながら本編を読むのも童心に返ったよう。アーサーたちの旅路はわたしにとってもすごく楽しい時間だった。

ネタバレ穴に落ちた兄弟の話。異様な状況下での描写が苦しい。先が気になりすぎて夢中で読んだ。こんな短いのに深い余韻を残す。ただ私は謎解きとか苦手だから、章立ての素数だとか数字の暗号だとかは全くわからなかった...。それでもめちゃくちゃ面白かったから何も考えずに読み始めてほしい現代の寓話。かなり引きずりそうだけれど、本当に面白かった。

ネタバレ短歌で進む2人の出会いから別れまでの物語。これから始まる新しい出会いの季節にわくわくする春から初夏が一番好きなので、そんな春の軽やかな気持ちを思い出させてくれる最初の短歌と散文がお気に入り。この2人の物語は、31文字しかないからこそ想像が膨らむなー。自作解説も恋愛ってそうそうって楽しく読めた。最後まで読んで、回転ドア...なるほどなあ。2人がまた出会えていますように。

ネタバレ心温まる泣ける話みたいなのってちょっぴり敬遠しちゃうたちだから、ひさしぶりにハートフルな読書体験になった。私も最近は少し忙しくて、こんな風に絵と向き合えているかなぁって考えちゃう。美術展ってどうしても企画展ばかりに目が行っちゃうけれど、常設展は好きな作品にいつでも何度でも会いに行けるところがすごく良い。また週末はふらっと美術館に行きたいな。

ネタバレある日街から消えた三日月少年を探しに行く物語。この透き通った空気感が心地良い。これは手先の凍るような真冬の季節に読めば良かった〜。螺子式少年でも思ったけど、少年たちの名前の響きがいいなぁ。たしかに、この物語は作中の三日月少年たちの漂流記のプロローグであるとともに、長野まゆみ作品世界全体のプロローグでもあるのかも。「天体議会」も読まなきゃ！

ネタバレすっごく良かった！真夏に読みたかったな〜。少しサスペンスチックなSFファンタジーで、とても好みの世界観。ラストシーンはちょっぴり...というかかなり怖いけど。本当に大事なのはオリジナルかレプリカかじゃなくって、目の前の相手を信じ合えるか、大切に想い合えるかだよなぁ。それにしても《ピアブランカ》が余りにも魅力的すぎて行きたくなっちゃう。透き通るような少年たちの描写やきらきらと美しい言葉を紡ぐことにおいて、未だ長野まゆみさんを超える人に出会えてない。素敵な文章表現に浸れて幸せだった！

ネタバレ阿片中毒だったコクトーがサン=クルー療養院へ入院中の頃描いていたデッサンとノート。難解で理解し切れなかったけれど、コクトーの頭の中を覗いてるようで興味深かった。天使ウルトビーズの話や戯曲と周囲に起った暗合の話、普通にみえる詩人ほど狂人だという話、詩的な宛名を書いた手紙のこと、それからあの「怖るべき子供たち」を書いた時のことなど、エピソードが盛り沢山。ピカソがさらっとよく出てきたり、当時の文化人たちの交流に驚かされる。ひたすら阿片は悪くないって言いまくってるのも面白い。

ネタバレ恋をしてる時もしてない時も、定期的に摂取したくなるかとちえ。作者は普通なことしか書けないと言ってるけど、普通なことだからこそ共感出来て好き。「わたしはこの広い世界の中で、彼に対してだけ、根拠のないヒステリックさをぶつけてしまう。」「人生で大事なのは、タイミングなんです。そしてタイミングは、自らの努力で作り出せるものなんです」「向き合うくらいなら、自分を閉じてしまうことのほうが、ずっと簡単だったから。」