テレビニュースでも取り上げられた話題作。自分の出身高校が実名で出てきて、やっぱりなんだか嬉しい。高校のウェブサイトをチェックしてみたら、１年前に既に本作について紹介されていた。図書館に何冊も並べられている様子の写真と校長メッセージまで掲載されていました。若い頃の記憶は美化されがちだけど、自由で刺激的な日々が思い出されます。

改めて、経済学は学問でありつつも思想だなと感じた。グローバリズムは右派でも左派でもなく、国家主義、民主主義のいずれとも軋轢を生じるというくだりは妙に説得力がある。新自由主義が限界に達しているのは明らかなので、トランプ氏に代表されるようなポピュリズムではない、冷静な解決の道すじを期待したいと思います。

成功を収めたからこそ書けた内容だとは思うけれど、一途に打ち込む職人の凄みを感じさせる。後先考えると、全身全霊を賭けてといった表現はなかなかできるものではないだろう。文才も相当なもののようで、ドラマチックな展開に引き込まれる。

食品安全、警察組織、地域社会の衰退など、深刻なテーマが折り重なるミステリー小説。家畜伝染病のことが取り上げられており、少なからずしんどい気分にさせられた。獣医師と農水官僚がとても好意的に描かれていて、救われました。

テレビニュースでも取り上げられた話題作。自分の出身高校が実名で出てきて、やっぱりなんだか嬉しい。高校のウェブサイトをチェックしてみたら、１年前に既に本作について紹介されていた。図書館に何冊も並べられている様子の写真と校長メッセージまで掲載されていました。若い頃の記憶は美化されがちだけど、自由で刺激的な日々が思い出されます。

ホテルマンと書家が主人公の小説。などとまとめてしまっていいのだろうか。およそ小説の題材になりそうもないように思えるけれど、巧みに題材化されている。特にクライマックスがあるわけでもないのに続きが気になる、不思議なおもしろさ。

著者の十八番である銀行ミステリー。半沢直樹シリーズのような爽快感はないが、安定のおもしろさ。それぞれの短編としても成立させつつ、全体でひとつのストーリーというコンセプチュアルなつくりが凝っている。

非モテなどというとネットスラングっぽいけど、正当な社会学の研究に基づく著作。科研費の助成まで獲得している。利己的遺伝子説を持ち出して、性愛から排除されがちな男性の存在を進化の過程と断じてしまうと身も蓋もない。当然ながら、社会学的には人間の尊厳について論じなければならないだろう。むしろ、「非モテ？俺は違うなあ」なんて本心から言える人物はいるんかな？って思いました。