どの話もブラックなファンタジーで面白く読めた。動物裁判、温厚なボノボが怖い。健康なまま〜は、法律が先行しすぎてて、今の時代に逆行した企業のブラックさ読み応えありでした。

速読愛が伝わってきた。芸人より速読の方が大事と言い切ってる潔さ。速読の歴史も分かりやすい。惜しむらくはもっと速読するためのところにページをさいて欲しかった。著者のペスト5の本についても気になるところ。

途中恵の不遇な少女時代は、読んでいて胸が痛くなった。幼い少女が家事を済ませて母親と少しでも一緒に話せる時間を作るとか切ない。あとネグレクトにあって、ブラックサンダーしか食べてない小2の男の子を看病する件など、ノンフィクションばりに現実感があった。トニーや社長の足跡を辿る辺り、推理ものみたいに展開も目が離せない。恵の捕まるまでの日々と交互に話が進むのもテンポよかった。途中からは気になって一気読み、来栖のその後など気になるところもありつつ希望の持てるラスト、良かったです。

月並みながら幼少期の親の適切な関わりほど重要なものはない、と改めて思わせられる。完璧主義でなく、グレーを許容する。うまくいかない時ほどプロセスを褒める。

会社に遅刻する夢、というのを仕事が切羽詰まった時ほど見るので、本当心情心理表してるなぁと思います。なぜ夢の中ではこれが夢だと分からないのか、など睡眠中の脳の働きにも勉強になった。楽しい読書時間でしたがしかしこれを読んで夢に詳しくなったかと言われると頷けない…

どの話もブラックなファンタジーで面白く読めた。動物裁判、温厚なボノボが怖い。健康なまま〜は、法律が先行しすぎてて、今の時代に逆行した企業のブラックさ読み応えありでした。

笑っている場合ではない→オオカミ少年ならぬオオカミ女の末路。ミスマーフィー→2度読んでやっとわかりました。死刑執行人とドライブ→1番サスペンス、映画にしてもいいくらい。子供の手の届くところに銃を置く父親が1番悪い。

うーーん、どれも古い印象。江戸川乱歩の目羅博士がラストも含め面白かったかな。

第一話のデザートビュッフェに一緒に行く控えめな女子大生の話が印象的。面白いけど、そんな需要あるかな。結婚式で友達役を頼むくらいが関の山かと。

映画、小説、アートなど造詣が深いので、読みたい本が増えてしまった。命の電話のドキュメンタリーや人間魚雷回天の映画、後味悪くずっと残る恐怖も。著者の他の作品も気になるところ。