ネタバレ五篇収録の短篇集。問題が解決しないまでも、一歩踏み出すような前向きな結末の物が多い。著者の作品は「七度笑えば恋の味」しか読んだ事なかったけど、他の作品も読んでみたくなる出来だった。

ネタバレ青森県の南部にある葵山のふもとにあるレストランを舞台にした連作短篇。地元の作家が書く地元の話なので、出てくる食材も馴染みが深く（ジョミとか）より楽しめた。あとがきにモデルとなった山の名が書かれているのだけど、母の故郷の山で登ったことがあったので伏線が回収されたような気分に。

ネタバレ相変わらず読みやすく一気読み。周のキャラこんなんだったけなとも思ったけど、大人に囲まれた「星くずの殺人」と比べて、周りが歳の近い若者だとこんな感じかも。土師からの電話のシーンは何か感動的だった。最後の一行は途中で読めちゃったな。

ネタバレ犬のマスターが居るバーでは、つきだし代わりに詩が出されている。そんなストーリーと共に31篇の詩を紹介する本。詩をあまり知らない私でもスッと詩が入って来た。たまたま手に取ったけど今年のベストを争う良さだった。

ネタバレ実に読み応えがあった。理性の騙されやすさを具体例（主に北米）で提示し、どう克服するべきかというテーマは「ファクトフルネス」にも似ている。原著は10年前に書かれているが、今も同じ問題を世界は抱え続けていて、現在の日本に照らし合わせても有効だと思う。

ネタバレ毎回ぶっ飛んだ犯行方法ではあるけれど、ちゃんとヒントは提示されていたし謎解きミステリとして面白かった。個人的にはシリーズ最高傑作。とは言えAIに受肉させる所まで来てしまうと、ただの探偵になってしまうのでは。

ネタバレ13篇の短篇を収録した幻想小説集。とは言え中にはホラーやSFっぽい物もあり、そのどれもが味わい深く面白い。短いけど余韻の残るものが多く、中でも好きなのは「タイムマニア」「最後の三角形」「ナイト・ウィスキー」「イーリン=オク年代記」辺り。でも全部いい。

ネタバレ亡き母の夫（歳下）の住むスナックに押しかけた主人公と島の人達との交流を描く連作短篇。社会派過ぎず、説教くさ過ぎず、お涙頂戴過ぎない、人情話が丁度良い心地良さ。登場人物も良い人すぎない所が逆に好感持てる。

ネタバレ五篇収録の短篇集。問題が解決しないまでも、一歩踏み出すような前向きな結末の物が多い。著者の作品は「七度笑えば恋の味」しか読んだ事なかったけど、他の作品も読んでみたくなる出来だった。

ネタバレ上巻と合わせて1200頁に渡る女族長グローニャと従者アランの物語。イングランドの圧政に対して生涯を通して戦い抜いた海賊女王の姿を皆川博子の素晴らしい文で最後まで楽しませて貰った。主人公グローニャの記録はアイルランドの歴史書にはなく、そのほとんどがエリザベス女王への誓願の歳の質文書への回答によるものらしいのに、アラン、オシーン、マクティーリャ、その他多数の人々も皆魅力的なので、私の中ではこれが史実。