解説はよく言えば詩的、反対を言えば抽象的でよく分からん。ベルギーはヨーロッパの中間に位置している貧乏な国で、カトリックに基づいた家族中心社会、土地が個人資産のため、建築家が個人邸宅に介入する余地が大きいとのこと。家を「キュレート」するという考え方(魂を癒す、展示のように生活を編集する)は面白い。
どの話もむせ返るほど濃いんだけど、限界集落をイチから立て直す郷長の執念が凄まじい「柳郷長」、母を亡くした新兵へのエモすぎる激励「思想政治工作」、キリストに奉じる隣家のおばあさんと、改宗を迫る元村長のいたちごっこ「信徒」が特に記憶に残ってる。
以下住宅史備忘。日本に本格的な集合住宅が登場したのは、関東大震災後、鉄筋コンクリート造で不燃性と耐震性を兼ねた同潤会アパートに始まる。戦後、鳩山内閣の下で「一家族一住宅」が目指され、住宅不足解消のため1955年に日本住宅公団が設立されてからは、所謂「団地」が雨後の筍のごとく国土中に広がる。ベッドタウンとしてのニュータウンやマンモス団地もその辺り。
オイルショックで高度経済成長が幕を閉じ、住宅事情は量から質へと転換。10mの高さ制限も後を押し、70年代には接地性が高いタウンハウスや、緑を取り込んだ低層集合住宅が復権。80年代後半以降は意匠が多様化し、デザインコードを設けて全体の調和を図る事例や、官公民が連携した超高層が登場。住宅ストックにダブつきが生じつつある現状においては、「キープ・アンド・チェンジ」という考え方で、既存の建物を生かしつつ、用途変更を視野に入れた改修事例も定着しつつある。UR都市機構の「ルネッサンス計画」が好例。
気になるシリーズ備忘。自然科学博物館MUSE(イタリア)/アムステルダム市立美術館(オランダ)/国際バロック美術館(メキシコ)/ヨーロッパ・地中海文明博物館(フランス)/フェーノ科学博物館(ドイツ)/広東省博物館(中国)/モースゴー先史博物館(デンマーク)/ロンドン自然史博物館(イギリス)
行ったことない水族館では、山梨県立富士湧水の里水族館(湧水かけ流し、二重回遊水槽)、海響館(巨大ペンギン水槽)、うみがたり(日本海海底地形をダイナックに表現)が気になった。あと、内容とは関係ないけど、大成建設って水族館に強いんだな。サンシャイン、すみだ水族館、鳥羽水族館、京都水族館、アトアまでやってるし、設計施工案件多い。楽しそう。。
読書、映画、漫画、建築・デザインを行ったり来たりしてます。
好きな作家は筒井康隆、古川日出男、町田康、村上春樹、舞城王太郎。あと岸本佐知子の翻訳も好き。
最近は女性作家、海外作家も手広く。
現実からちょっとずれた世界の話、ドタバタ劇、スリル、漁ってます。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます