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2024年4月の読書メーターまとめ

Yasunori Hosokawa
読んだ本
8
読んだページ
3230ページ
感想・レビュー
4
ナイス
62ナイス

2024年4月に読んだ本
8

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Yasunori Hosokawa
いわゆるお受験お母さんたちの人間関係を、これでもかというくらい異様に、しかし見事なリアルさで描いた小説。こういうのは角田光代が書くと凄いのだろうな、と思ったらやっぱり凄かった(笑)。やっぱり女性とその人間関係を描くのは角田光代の右に出る人はいないのではないか、という思いを新たにしたわけであります。
Yasunori Hosokawa
2024/04/18 21:52

この小説は1999年に起きた文京区幼女殺人事件をモデルにしてるようなのですが、作者はお受験ママのことについて取材的なこともしてるんでしょうか。何か読んでて凄い世界だなと思いましたけど、決してエキセントリックな出来事が起きるということではなくて、ああこういうのは本当に嫌だなぁ、という、日常の些細なところから派生するどうしようもなさを感じさせると同時に、そういう登場人物たちを、ただそういうものとして描いていく、その筆力がとにかく凄い。

Yasunori Hosokawa
2024/04/18 21:52

角田作品は『源氏物語』の翻訳を入れて4作目ですが、この本と同時に3冊買ってしまったのでまた近々読む予定です。今度エッセイも読んでみたいと思います。

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
4

Yasunori Hosokawa
3巻分です。自身の半生をふりかえり、当時の出来事と特にその内面をただひたすらありのまま語り続け、その罪深さとそこから立ち直る回心体験を主に描いてます。何が驚きといって、西暦397年から1年くらいかけて書いたものらしいですが、この時代の人間がこれほど個人の内面を「告白」し、それを書き言葉にできたのだろうかということでした。翻訳のおかげもあると思いますが、全く読んでいて現代人が語ってると言われても違和感が無い、不思議な作品でした。
Yasunori Hosokawa
2024/04/30 13:23

この本の最後の3巻は旧約聖書の『創世記』冒頭の解釈がそれなりの長さで語られるのですが、それまでの半生記とは異質なため、翻訳によっては削除されるケースもあるとのことです。しかし、回心後の自らのあり方に照らした過去の想起ということを、この創世記の象徴的解釈によって天地の再創造としてもう一度包括的に捉えようとする試みではないのか、と読んでいて個人的には感じました。

Yasunori Hosokawa
2024/04/30 13:23

今回読んだ翻訳は中公文庫で出ている山田晶氏のですが、実はかなり昔に買った岩波文庫の別翻訳を持っていて、最初そちらで読もうかと思ってたところ、どうも山田訳が解説含め評判良さそうなので購入しました。訳文自体のわかりやすさもありますが、注釈がかなり丁寧なのでそれがよい評判の原因のようです。元々『世界の名著』で出版されたものの文庫版で、訳自体はそれほど新しくはないのですが、今読んでも違和感なくおすすめできると思います。

が「ナイス!」と言っています。
Yasunori Hosokawa
いわゆるお受験お母さんたちの人間関係を、これでもかというくらい異様に、しかし見事なリアルさで描いた小説。こういうのは角田光代が書くと凄いのだろうな、と思ったらやっぱり凄かった(笑)。やっぱり女性とその人間関係を描くのは角田光代の右に出る人はいないのではないか、という思いを新たにしたわけであります。
Yasunori Hosokawa
2024/04/18 21:52

この小説は1999年に起きた文京区幼女殺人事件をモデルにしてるようなのですが、作者はお受験ママのことについて取材的なこともしてるんでしょうか。何か読んでて凄い世界だなと思いましたけど、決してエキセントリックな出来事が起きるということではなくて、ああこういうのは本当に嫌だなぁ、という、日常の些細なところから派生するどうしようもなさを感じさせると同時に、そういう登場人物たちを、ただそういうものとして描いていく、その筆力がとにかく凄い。

Yasunori Hosokawa
2024/04/18 21:52

角田作品は『源氏物語』の翻訳を入れて4作目ですが、この本と同時に3冊買ってしまったのでまた近々読む予定です。今度エッセイも読んでみたいと思います。

が「ナイス!」と言っています。
Yasunori Hosokawa
3巻分です。凄すぎる。私が素人だからということもあると思いますが、とにかく圧倒されました。いわゆる社会学的にユダヤ教、ユダヤ民族の成立と歴史を描いてるわけですが、学術的分析という以上に、人間集団の生活レベルで起きた出来事をつぶさに追跡し、その中でどのような精神史が成立したのかを圧倒的な知力でまとめあげており、それは旧約聖書がいかにして、どのような社会的背景、人間集団の意図の元に成立したのかを示す壮大な歴史物語となっています。
Yasunori Hosokawa
2024/04/15 21:06

今回は1996年に出た岩波文庫の翻訳で読みましたが、これはそこから30年前にみすず書房から出ていたものの改訂版。正直読みやすい文書と思わなかったのですが、内容そのものに難解さがあるというよりも、原文の長い文を分割しないでそのまま訳した、という方針から来ているのが大きいです。あと、この手の本は索引があるべきだと思いますが、それが無いのが残念。それでヘブライ語などのカタカナ表記の単語が一度日本語訳付きで出た後は以降そのまま出てきたりするのは結構辛いと思います。

Yasunori Hosokawa
2024/04/15 21:06

しかしとにかく著者の知的剛腕で圧倒される本書は凄い。30年近く積読になってましたが、もっと早く読めばよかった。おすすめです。

Yasunori Hosokawa
名作ですねー。自分恥ずかしながら初めて読みました。決め台詞の「そうしない方が好ましいのです」、原文で "I would prefer not to" によって、バートルビーは人間社会を覆う常識的な仕組みに従わないが、一方でそこ、つまりその秩序の存在する場には居続ける。その不気味感はバートルビーに向けられた依頼に対する拒絶からではなく、依頼が無効化されてしまうことから、いや、その依頼を成立させている前提自体を巨大な疑問符に付してしまうことから来ています。
Yasunori Hosokawa
2024/04/02 13:36

にも関わらず、バートルビーはそこに居る。物語の語り手がすぐ声をかけれるすぐそこに。人々はなんとかしてその不気味なものを排除しようとしますが、語り手は自分も同じ感情を持ちつつ排除できない。なぜか?語り手自身も実は「配達不能」性を帯びている、その存在が人間的秩序から外れた場に意図せず在るからです。それは、実は誰もが既にバートルビーであるし、むしろそのことを隠蔽するために人間的秩序があるということなのかもしれない。

Yasunori Hosokawa
2024/04/02 13:36

今回読んだのは「バートルビー 翻訳」でググったら出てきた放送大学サイト下のPDFファイルで、なんと天下の柴田元幸氏の翻訳ということでありがたくそれを読みました。短編より少し長めくらいの小さな物語ですが、多くの人々が様々に解釈し、関連する書籍まであるみたいですね。自分と似たようなこと書いてる人もいるのだろうか。しかしメルヴィルって『白鯨』もぶっ飛んでましたが、どういう作家なんでしょうね。計り知れない凄さを感じます。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/07/07(689日経過)
記録初日
2021/04/20(1132日経過)
読んだ本
209冊(1日平均0.18冊)
読んだページ
87437ページ(1日平均77ページ)
感想・レビュー
84件(投稿率40.2%)
本棚
1棚
自己紹介

最近老眼が進んできたために焦って読書中の50代男性です

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