読書メーター KADOKAWA Group

2024年4月の読書メーターまとめ

odmy
読んだ本
4
読んだページ
1632ページ
感想・レビュー
4
ナイス
56ナイス

2024年4月に読んだ本
4

2024年4月のお気に入られ登録
1

  • buso

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

odmy
Audibleで。想像と現実が地続きになってしまうという表現は村上作品全般に共通するけど、この作品の場合、何かを想像するということに倫理性や罪悪感が強く結びついているように思う。想像力がないが故の暴力は当たり前だけど、それと反対に、想像力があるが故の超常現象的な暴力も描かれている。ふたりの主人公は自分の想像力がもつ暴力性に翻弄されながら、目的地もわからないまま前に進んでいこうとする。想像力の犠牲者である佐伯さんに、想像力をコントロールできないカフカが下巻でどう関わっていくのだろうか。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
4

odmy
Audibleで。上巻以上に展開が複雑になっていって、家事をしながら追っていくのはちょっとキツかった。ナカタさんは自分は空っぽだというようなことを言っていたけど、この小説に出てくる人全員が空っぽだと言ってもいいように思う。何かが欠落してるから、そこに魑魅魍魎みたいなものが引き寄せられてくる。ナカタさんはそうした呪いのような欠落を浄化する存在なのかな(浄化されても欠落は欠落のままで埋められないのだけど)。『オイディプス王』のその後みたいな小説で、ナカタさんが身代わりになることで主人公は呪いから解放される。
が「ナイス!」と言っています。
odmy
制度とは何かは社会科学者と哲学者のあいだで意見が噛み合ってなかったのだけど、両者を統合して「均衡したルール」として制度を位置付けた本。この結論自体は最初の100ページくらいで出てくる。しかしその後、哲学者の考える制度論が間違っているということを論証するのにページが割かれ、議論はどんどん難解になっていく。個人的には、制度が均衡したルールだとすると、倫理ってどういう位置付けになるのだろうと思った。倫理もただの均衡であって、均衡が変われば倫理も変わるということかな。ずいぶん冷淡な世界観のようにも思うけど。
が「ナイス!」と言っています。
odmy
Audibleで。想像と現実が地続きになってしまうという表現は村上作品全般に共通するけど、この作品の場合、何かを想像するということに倫理性や罪悪感が強く結びついているように思う。想像力がないが故の暴力は当たり前だけど、それと反対に、想像力があるが故の超常現象的な暴力も描かれている。ふたりの主人公は自分の想像力がもつ暴力性に翻弄されながら、目的地もわからないまま前に進んでいこうとする。想像力の犠牲者である佐伯さんに、想像力をコントロールできないカフカが下巻でどう関わっていくのだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
odmy
Audibleで。20年ぶりくらい前に読んだ時はそこまですごいと思わなかったけれど、長編作品含めても村上春樹の最高傑作なんじゃないかと今回は思った。阪神淡路大震災がテーマでありながら阪神淡路大震災そのものを扱う作品はなく、震災を見えない中心のようにしながら物語が展開する。震災をあえて書かないからこそ、震災に言葉を失ってしまう絶望感や無力感がかえってリアルに感じられる。そして、あえて書かないことによって、そこに論理を超えた奇跡のような瞬間を引き寄せているようにも思う。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/02/16(451日経過)
記録初日
2022/04/03(770日経過)
読んだ本
300冊(1日平均0.39冊)
読んだページ
86159ページ(1日平均111ページ)
感想・レビュー
136件(投稿率45.3%)
本棚
18棚
読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう