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2024年4月の読書メーターまとめ

こよみ
読んだ本
11
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3283ページ
感想・レビュー
11
ナイス
88ナイス

2024年4月に読んだ本
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  • 山川欣伸(やまかわよしのぶ)

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

こよみ
☆☆☆ 懐かしい...目を閉じると瞼の裏に存在しない記憶、20年前に出版業界を席巻した数多のラノベたちの姿が鮮明に像を結ぶようだ...と、このように感じたのは本書の話し方?というか文体のフォーマット?とキャラ造形に古のラノベたちの匂いが感じられたなのだが。この小説はそんなライトな語り口とsf的な作風、そして野崎まど特有(?)の人間の根底を揺るがしかねない根源的な恐怖を喚起させるような演出がうまくミックスされていた。正直アムリタで見られたような五臓六腑を貫く寒気、衝撃を感じられはしなかったけど普通に好き
こよみ
2024/04/08 19:43

な小説の部類には入るくらいには気に入った。ただ、一つ難点をいうと、というか私個人のただの望みなのだが、願わくばもう少し小説談義と小説の作り方に紙面を割いて欲しかった。小説内で小説を語るとか、映画内で映画のことを語るとか、そういう入れ子構造?というかメタ的視点は作者の心奥が垣間見れるというかどこか見てはならない秘境を除いているという背徳感があってわくわくするし、講釈を受けていると自分もなにか書ける気がするできもしない万能感に囚われるからなのだが、まあそれは置いといて。いつかもう一度読み返したい一作になった。

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
11

こよみ
☆☆ 満を持して日本最強の剣士・錆白兵との戦闘に雪崩れ込む..!と思いきやかつての日本最強であり現最強といっても過言ではない鑢七実対忍者軍団との戦いで丸々一巻使っていた。例外的にて反則的な強さを持つキャラというのはバトル漫画で度々描かれるけども(記憶に新しいのは呪術廻戦の五条悟とかサカモトデイズのおじいちゃんとか)彼らに負けず劣らずの絶望感を持つキャラクターとして歴史の1ページに刻まれたのではないだろうか。才能というのは基本的に羨まれるものだけれど度が過ぎれば祝福にも呪いにもなりうるんだなぁと思いました。
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こよみ
☆☆今までの話とは打って変わって純粋な悪人ではない持ち手と戦う二人。3話でフォーカスを当てられていたのは鑢七花の異常性でした。世にいう少年ジャンプの主人公とかでは女は斬らないということをステータスとして掲げられていることが多々ある、というか女性を切るのは悪人、悪側と相場が決まっているわけですが、七花は女性を斬るのに、さらに言えば同情を誘うような立場にある彼女を切るのに一切の躊躇を持ちません。となれば彼は敵側の人間に見えるか?というとそんなことはないわけで、自分が切り伏せた後の彼女達について同情することは
こよみ
2024/04/26 18:59

あれど、それによって自分が取るべき行動が変わることは断固としてないわけです。俗にいう感情と行動を切り離すことができる人間ということですが、ここまで倫理と道徳が文字通り人間離れしている人間を書いているのに勧善懲悪作品の悪役が感じさせるような病的なものとか、歪みとかを感じさせないのは、、、うーん。彼のパーソナリティが形成されたのはいうまでもなく無人島で施された父親からの教育であることは間違いないのですが、ここまで人間に対して通常の倫理観を持たないことはありうるのか?極端に同族意識、帰属意識が欠けている

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こよみ
☆☆☆物語シリーズの主軸といいますか、相対する敵であり乗り越えるべき試練であるところの怪異というのは基本的にマクガフィン的なもの(意味はよくわかってない)なわけですが、この怪異という言葉を聞いてパッと思いつくのが「人に取り憑くもの」なんじゃないでしょうか。だとすると怪異の最たる特徴である「憑」の名が表題につけられている本作は、ことによると物語シリーズの核心に肉薄しているのかもしれません。では本作ではどんなことをテーマにして話を展開しているのか、それはまあ語り手によって解釈が分かれるところなのではないのかと
こよみ
2024/04/24 19:59

思うのですが、自分が印象になったのはやはり100年生きた人間の付喪神、斧乃木余弦の怪異としての性質ですね。本書で触れられている彼女の特徴を引用しますと、『それは彼女が人間であろうと、人間になろうとしているということだろうか?そう思って問うてみると、しかし忍に言わせればそれも違うらしい。模しているということは。なろうとしているわけではない証明なのだと。あくまでもそれは、人間社会に紛れるための手段でありー相容れるための手段でありーつまりは同化するための手段ではないのだと。

こよみ
2024/04/24 20:04

「外国語をいくら覚えようと、学習しようと、流暢に話そうと、だからと言ってそれは、他国の人間とコミュニケーションを取るためであって、イコールで国籍を変えるためというわけではあるまいーそれと同じじゃ。あやつが人の形を真似て作られたのは、人であるためでも人になるためでもない。人といるためじゃ。」』一緒にいる人に影響を受けて性格が七変化する斧乃木余弦の性質は、少なからず怪異の本質を言い当てているのかもしれません。そういう意味では鏡みたいなもので、怪異現象に直面する人間の心を、存在を反射しているだけなのかもしれせん

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こよみ
☆☆☆ 物語の導入ゆえにどうしても世界観の説明にページを割いていた第一話、2話以降を読ませるフックが若干弱かったためみるか迷っていたけれど、結果としては見てよかったかな。ビックリ忍者との少々正道を外した前回のバトルとは違って本巻は居合の達人との超本格的バトル。無敵の攻撃領域と防御領域を兼ね備える絶対領域を間合いとしている彼との戦闘はどこかハンターハンターとのノブナガを思い起こさせた。主人公達の関係性も高まり雑談もそれなりに楽しめるようになったので、より彼らに感情移入できる。次巻はどんな敵が現れるのか楽しみ
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こよみ
☆☆ 刀を使わない剣術、虚刀流の使い方である七花が特別な12本の刀を集める話。 西尾維新独特のえぐみが控えめに抑えられていてその代わりにスピーディ感あふれるバトル小説仕様の作品となっている。アイデアやバトル展開というのは読者の意表をついていて見ごたたえがあり、200ページ程度の分量で読みやすくはあるのだが、その分西尾維新の毒っぽさが薄まっていたかな。まあそれは別に悪いことではないんだけど、小説というよりは漫画やアニメでこそ映える作品だと思った。というかアニメ化されているんですね。アニメでみるかな。
山川欣伸(やまかわよしのぶ)
2024/05/04 19:10

確かに西尾さんらしい毒っぽさは控えめかもしれませんが、その分アニメ化に適した作品になっているのかなと思います。漫画やアニメの方が、バトルシーンの迫力が伝わりやすいでしょう。アニメ版も見てみたいと思いました

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こよみ
☆☆☆☆地球との停戦の実現を果たすべく空々が太陽系惑星との交渉に臨む話。...擬人化した惑星との交渉という、文字通り宇宙的規模の戦争になってきた伝説シリーズだけれど、ストーリーはその規模に反して随分と一点特化型になっていた。今作のテーマは「交渉」。2段組小説500ページ、文庫本に換算すると約750ページという恐るべき分量を交渉に全て費やすという狂気の沙汰(は言い過ぎか)の小説、交渉を全方位的に描き出した小説というだけあって自分にもぼんやりとだが交渉ごとの全容が見えてきた。というか西尾維新すごいな。。。
こよみ
2024/04/18 19:58

交渉相手各々の利害や損得を踏まえ、うまくことを進めるのは利害関係や損得構造を組み替える必要性に迫られることがあるがそれだけで交渉がうまくいくことはない。なかには利益を望んでもいないし、損害も辞さない、体現したい理想だけを持った無私の精神を持った人(惑星)もいて、また、どれくらい身に迫っているかという当事者意識というのが各々違う。さらには交渉相手同士の力関係とか対立構造、人間関係までも解きほぐして読み解かなければならない。例えば戦闘だとゴールは明確だがこと話し合いになってくると話は別というか考える量が膨大

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こよみ
☆☆「袖すり合うも他生の縁」「一期一会」など、仏教的思想が根底にある日本においては"縁"を表す慣用句は枚挙にいとまがない。一口に縁と言ってもその言葉が包括する意味合いとか範囲というのは人によっててんでバラバラで、私たちはこの言葉をなんとなく使って入るけれど、よくよく考えてみると"縁"をどう扱うか、どのように見るかというのは長き人生を生き抜いていく上での自分の中心命題というか人生哲学の核となるものなんじゃないかなぁと思う。それはさておき、本書では縁が見えるうさぎことうさぎさんと彼に振り回される大学生のゆかり
こよみ
2024/04/11 22:48

くんが縁結びを行うために四方八方を駆けずり回るという構成であり、彼が直面する縁は、「友人との縁、絆」「運命の人との縁、赤い糸的な」「家族との縁、血縁」「腐れ縁」など、思いつく限りの縁を網羅していてなおかつそれを軽い文体とハートウォーミングな結末で包んだような塩梅になっている。穏やかな展開とささやかなユーモアが散りばめられたこの本を読んでいると、なんというか早朝に人気のない森林を散歩している時に感じるようなセラピー効果にも似た効用が得られた、ような気がする。精神的ダメージを食らった時に読みたい本。

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こよみ
☆☆☆☆ 今までの物語シリーズとはいささか毛色の異なるsf的な要素を前面に押し出した作品。 タイムスリップやらタイムパラドックスやらバタフライ効果やらsfに明るくない人でも聞いたことがあるポピュラーな設定を使ったオーソドックスな話運びを用い、それでいて今まで触れられてこなかった二人の登場人物の内面にまで切り込り込んでいた。今回スポットを当てられていたのは迷子の少女八九寺真宵に対する阿良々木暦のスタンスと忍野忍の過去、細かくいうと謎ならぬ闇に包まれた文化祭前日のあれこれの中での彼女の心中。
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こよみ
☆☆☆ 懐かしい...目を閉じると瞼の裏に存在しない記憶、20年前に出版業界を席巻した数多のラノベたちの姿が鮮明に像を結ぶようだ...と、このように感じたのは本書の話し方?というか文体のフォーマット?とキャラ造形に古のラノベたちの匂いが感じられたなのだが。この小説はそんなライトな語り口とsf的な作風、そして野崎まど特有(?)の人間の根底を揺るがしかねない根源的な恐怖を喚起させるような演出がうまくミックスされていた。正直アムリタで見られたような五臓六腑を貫く寒気、衝撃を感じられはしなかったけど普通に好き
こよみ
2024/04/08 19:43

な小説の部類には入るくらいには気に入った。ただ、一つ難点をいうと、というか私個人のただの望みなのだが、願わくばもう少し小説談義と小説の作り方に紙面を割いて欲しかった。小説内で小説を語るとか、映画内で映画のことを語るとか、そういう入れ子構造?というかメタ的視点は作者の心奥が垣間見れるというかどこか見てはならない秘境を除いているという背徳感があってわくわくするし、講釈を受けていると自分もなにか書ける気がするできもしない万能感に囚われるからなのだが、まあそれは置いといて。いつかもう一度読み返したい一作になった。

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こよみ
☆☆☆☆背筋ぞくぞく、心臓バクバクの恐るべき読書体験だった。読み終わってしばらくがたってもなお胸のドキドキが治らない.. 映画に限らず創作作品というのは人の人生を変えうる力を持っていて、私たちはそれを振って沸いた幸運みたいに捉えている節があるけれど、当然ながらそれを作っている人、制作サイドの人がいるわけで、いってみれば僕らは彼らの思惑、狙いの上をころころ転がっているわけだ。それでもしも人の感情を捏造することにかけては無二の才能を持つ人がいて、彼ら彼女らが悪意と害意を持って作品を作り、ちょっとタクトを振れば
こよみ
2024/04/04 09:10

天才と凡人の違いはともかく、考えてみれば私たちの日常生活でも本書と同じような状況は起こり得るのかもしれない、というか実際に起きているんだろう。「類は友を呼ぶ」とか類似性のの法則というのは、自分と共通点を持った人間に親しみを覚え、つるむようになるというもので、逆に言えば共通点がない、まったく違う背景や考え方を持つ人とはなかなか相容れないということもある。ということで私たちは一緒にいて心地よい、どこか親近感を覚える相手の過ごす時間がながいのだが、これは共通点がない相手とは常に一緒にいるほど仲睦まじくなりにくい

こよみ
2024/04/04 14:49

ことでもある。なぜ共通点がない相手とは懇意な間柄になることが比較的少ないのか。その答えの一つがおそらく、相手に対して自分が理解できる範囲が少ないと恐怖や畏怖を感じるからであろう。私たちは無意識のうちに対等で均等の関係を望んでいて、釣り合いやパワーバランスが取れた結びつきを望んでいる節がある。それはやはり、

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こよみ
私たちは1日の活動時間である17時間を、他人や社会との関わりを持ちながら生きている。例え家から一歩も出ない日があろうと、インターネットにアクセスしてニュースやメールを見たり、テレビやYouTubeを見たりと、一人の例外もなく何らかの形で他者や社会と接している。社会心理学とは、そんな当たり前の生活の中に潜む、一見ランダムにも見える人々の行動のパターンの背後に隠されている安定した法則性を明らかにすることを目標に据えている学問だ。
こよみ
2024/04/02 08:36

働くと考えられており、これを自己スキーマという。ただ、莫大な量の情報が蓄えているにせよ、そのどれもが同程度に活性するわけではなく、利用されやすいわけではない。一般的な知識と同様に、最近使用された言葉や頻繁に使用される言葉は取り出されやすい。このような、接近可能性が高まり、活性化した自己の知識を作業自己概念と呼ぶ。そのときにどのような作業自己概念が活性化しているかということによって、私自身がとらえる自己像は変動すると言えるだろう。

こよみ
2024/04/02 08:40

自己概念に大きな影響を与える要因の一つが私たちにとって大切な人の存在、つまひは重要他者である。私たちの自己概念のある部分は他者との関係によって規定されており、特に重要他社の影響を強く受ける。例えば、友人と一緒にいるときは友人に見られている自分が活性化する。また他者との関係によって私たちの自己評価も変化することがある。ということは他者に見られる自分を意識して、他者に好かれる自分になろうとしている、ということなのだろうか。好かれたい人は好かれたいキャラを演じてしまう、そしてそうしているうちに見失うものもある。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/07/26(291日経過)
記録初日
2023/10/02(223日経過)
読んだ本
254冊(1日平均1.14冊)
読んだページ
88508ページ(1日平均396ページ)
感想・レビュー
59件(投稿率23.2%)
本棚
0棚
性別
年齢
24歳
自己紹介

備考録、かつ読書好きの方との交流のために始めました。
村上春樹、森見登美彦、西尾維新なんかが好きです。

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 人生のバイブル、至高の領域にある本
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 胸にガツンときた、強迫観念的に読み返す
⭐︎⭐︎⭐︎ それなりの充実感をもって読み終えた、普通に好き
⭐︎⭐︎ 胸を張って好きとは言えないが、一応読んでよかったと思える本
⭐︎ ちょいと首を傾げたくなる本、自分の琴線には触れなかった
★難解すぎるため、もしくは自分の感性とはあまりに違うため評価できない、数年後に読み返すかも

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